ドの前治療歴を有する場合は,次の条件を満たす患者を対象とした。(1)最良総合効果が部分奏効以上であること,(2)レナリドミドと関連のあるGrade 3以上の有害事象によって投与中止となっていないこと,(3)レナリドミドの投与サイクル数が9サイクル以下,かつレナリドミド投与中又は投与終了後9ヵ月以内に疾患進行がないこと。
注2)本剤の用法及び用量:28日間を1サイクルとし,1回10mg/kgを,最初の2サイクルは1週間間隔で4回(1,8,15及び22日目),3サイクル以降は2週間間隔で2回(1及び15日目)静脈内投与する。
注3)レナリドミドの用法及び用量:28日間を1サイクルとし,1日1回25mgを21日間経口投与した後,7日間休薬する。
注4)デキサメタゾンの用法及び用量:E-Ld群では,28日間を1サイクルとし,最初の2サイクルは分割投与(28mgの経口投与と8mgの静脈内投与)を1,8,15及び22日目(本剤投与日)に行う。3サイクル以降は,分割投与を1及び15日目(本剤投与日)に行い,1日1回40mgを8及び22日目に経口投与する。
Ld群では,28日間を1サイクルとし,1日1回40mgを1,8,15及び22日目に経口投与する。
薬効薬理
作用機序
エロツズマブは,ヒトSignaling Lymphocyte Activation Molecule Family Member 7(SLAMF7)に結合するヒト化IgG1モノクローナル抗体である。SLAMF7は多発性骨髄腫細胞に高発現することが報告されている。
エロツズマブは骨髄腫細胞膜上のSLAMF7に結合し,Fc受容体を介したナチュラルキラー(NK)細胞との相互作用により抗体依存性細胞傷害(ADCC)を誘導することにより,腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられる。4),5)また,エロツズマブはNK細胞に発現するSLAMF7との結合によりNK細胞を直接活性化する作用を有することが報告されている。6)
抗腫瘍作用
エロツズマブはヒト骨髄腫由来OPM2細胞株を移植したマウスにおいて,腫瘍の増殖を抑制した。5)
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
エロツズマブ(遺伝子組換え)
Elotuzumab(Genetical Recombination)
本質:
エロツズマブは,遺伝子組換えヒト化モノクローナル抗体であり,マウス抗ヒトSLAMファミリーメンバー7(SLAMF7)抗体の相補性決定部,並びにヒトIgG1のフレームワーク部及び定常部からなる。エロツズマブは,マウスミエローマ(NS0)細胞により産生される。エロツズマブは,449個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約148,000)である。
承認条件
1.
医薬品リスク管理計画を策定の上,適切に実施すること。
2.
国内での治験症例が極めて限られていることから,製造販売後,一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は,全症例を対象に使用成績調査を実施することにより,本剤使用患者の背景情報を把握するとともに,本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し,本剤の適正使用に必要な措置を講じること。
包装
エムプリシティ点滴静注用300mg:1バイアル
エムプリシティ点滴静注用400mg:1バイアル
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
社内資料:海外第1b相臨床試験(C204-007)
2)
社内資料:国内第1相臨床試験(C204-005)
3)
Lonial S, et al.:N Engl J Med. 2015;373(7):621-631.
4)
Hsi ED, et al.:Clin Cancer Res. 2008;14(9):2775-2784.
5)
Tai YT, et al.:Blood. 2008;112(4):1329-1337.
6)
Collins SM, et al.:Cancer Immunol Immunother. 2013;62:1841-1849.
文献請求先
「主要文献」に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 メディカル情報部
(住所)東京都新宿区西新宿6―5―1
(TEL)0120-093-507
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
東京都新宿区西新宿6-5-1