められた15)。
2. 代謝
ラットに経口投与し、血漿及び尿を同位体逆希釈分析法により測定した結果、代謝物は認められなかった13)。
注1)本剤の関節リウマチに対する承認用量は、「成人1回ミゾリビンとして50mgを1日3回経口投与する。なお、症状により適宜増減する。」である。
注2)本剤の腎移植における拒否反応の抑制に対する承認用量は、「1日量として、初期量としてミゾリビン2~3mg/kg相当量、維持量として1~3mg/kg相当量を1~3回に分けて経口投与する。」である。
臨床成績
1. 腎移植における拒否反応の抑制
一般臨床試験における臨床成績の概要は、次のとおりである16)。
(1)
一年生存率及び一年生着率
移植当初より本剤を用いて免疫抑制療法が行われた症例
一年生存率:91.9%(68/74)
一年生着率:79.7%(59/74)
(2)
白血球減少又は肝障害の認められた症例の免疫抑制剤を減量又は中止し本剤を投与した結果、継続して免疫抑制療法が実施でき、白血球減少の症例のうち75.7%(28/37)、肝障害の症例のうち54.5%(48/88)が良好に回復した。
2. 原発性糸球体疾患を原因とするネフローゼ症候群
(1)
プラセボを対照として本剤150mg/日を24週投与した二重盲検比較試験17)
全般改善度 改善以上
ブレディニン群:33.8%(27/80)
プラセボ群:14.1%(11/78)
(2)
本剤150mg/日及び75mg/日を24週投与した二重盲検比較試験18)
全般改善度 改善以上
150mg/日投与群:45.5%(10/22)
75mg/日投与群:24.0%(6/25)
(3)
本剤は原発性糸球体疾患を原因とするネフローゼ症候群患者のうち、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群患者において検討され腎機能の悪化防止、尿蛋白量の改善効果等が認められた17~19)。
3. ループス腎炎
(1)
プラセボを対照として本剤150mg/日を24週投与した単盲検比較試験20)
全般改善度 改善以上
ブレディニン群:26.1%(6/23)
プラセボ群:4.3%(1/23)
(2)
単盲検比較試験20)及び一般臨床試験19,21~24)
本剤を150mg/日投与した症例の全般改善度 改善以上
25.4%(15/59)
(3)
ループス腎炎患者のうち、びまん性増殖性糸球体腎炎(DPGN)、1日尿蛋白3.5g以上、血清クレアチニン値1.2mg/dL以上及び低補体を示す患者において比較的高い改善率が得られている19~24)。
4. 関節リウマチ
(1)
第III相試験として二種の二重盲検比較試験が実施され、本剤の有用性が認められた25,26)。
1)
プラセボを対照として本剤300mg/日注)を16週投与した二重盲検比較試験25)
全般改善度 改善以上
ブレディニン群:27.0%(24/89)
プラセボ群:12.4%(11/89)
2)
関節リウマチ患者のうち、既治療薬として金製剤、D-ペニシラミン等の抗リウマチ薬が使用され、その有用性が認められず中止されていた患者においても改善効果が認められた25)。
(2)
市販後の使用成績調査(4年間)
全般改善度 改善以上
全体:32.4%(861/2,658)
150mg/日投与群:32.9%(471/1,430)
300mg/日注)投与群:38.7%(48/124)
(3)
市販後の特別調査(用量比較試験)
全般改善度 改善以上
24週投与試験27)
150mg/日投与群:21.1%(41/194)
300mg/日注)投与群:25.5%(39/153)
全般改善度 改善以上
長期投与試験28)(平均59.8週)
150mg/日投与群:34.4%(21/61)
300mg/日注)投与群:55.3%(21/38)
注)「薬物動態」の項注1)参照。
薬効薬理
1. 免疫抑制作用
(1)
各種の哺乳動物由来培養細胞を用いたin vitroの実験において、リンパ系細胞の増殖を抑制する29)。
(2)
イヌ30)及びヒト31)末しょう血のリンパ球を用いたin vitroの実験において、各種マイトージェンによる幼若化反応を抑制する。
(3)
ウサギをヒツジ赤血球で免疫した実験において、一次応答及び二次応答による抗体産生を抑制する30)。
(4)
イヌ腎移植32,33)において、移植片の生着延長が認められる。
(5)
腎炎の病態モデルであるウサギ馬杉腎炎において生存日数の延長、尿蛋白出現日の遅延が認められ34)、ラット馬杉腎炎においては尿蛋白量増加の抑制が35)、また、マウスBSA腎炎において尿蛋白量増加の抑制、血清抗BSA抗体価の上昇抑制36)、更にこれらの試験では腎組織障害の軽減が認められる。
(6)
ループス腎炎(SLE)の病態モデルであるNew Zealand Black/White F1マウスにおいて、延命効果37,38)、抗DNA抗体価の上昇抑制38)、腎組織障害の進行遅延38)等が認められる。
(7)
関節リウマチの病態モデルであるアジュバント関節炎ラットにおいて後肢の腫脹増加及び骨破壊の抑制が認められ39,40)、また、コラーゲン関節炎ラットにおいても関節炎発症率及び腫脹増加の抑制、更に抗コラーゲン抗体価の減少が認められる39)。
2. 作用機序
プリン合成系のイノシン酸からグアニル酸に至る経路を拮抗阻害することにより核酸合成を抑制する41)が、高分子核酸中には取り込まれない42)(in vitro)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ミゾリビン(Mizoribine)
化学名
5-Hydroxy-1-β-D-ribofuranosyl-1H-imidazole-4-carboxamide
構造式
分子式
C9H13N3O6
分子量
259.22
性状
本品は白色~帯黄白色の結晶性の粉末である。
本品は水に溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。
取扱い上の注意
アルミピロー開封後、湿気を避けて保存すること。本剤は湿気により変色することがある。変色したものは使用しないこと。
包装
ブレディニン錠25:100錠(PTP10錠×10)
ブレディニン錠50:100錠(PTP10錠×10)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Tan EM. et al.:Arthritis Rheum.,25(1