影響は少なかった1)。
注)本剤の承認された用法・用量は、「通常、成人にはナフトピジルとして1日1回25mgより投与を始め、効果が不十分な場合は1~2週間の間隔をおいて50~75mgに漸増し、1日1回食後経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は75mgまでとする。」である。
臨床成績
自覚症状、ウロダイナミクス検査(最大尿流率、平均尿流率等)において、用量依存的かつ有意な改善が認められた3,4)。また、二重盲検比較試験の結果、1日1回投与において有用性が確認された5)。
二重盲検比較試験を含む496例の臨床試験成績の改善率は以下のとおりである。
一般臨床試験の改善率(「改善」以上)
58.5%(234/400)
二重盲検比較試験の改善率(「改善」以上)
71.9%(69/96)
さらに、長期投与例30例においても安定した有効性が認められた6)。
薬効薬理
<薬理作用>
(1) ヒトでの作用
1) 交感神経系α受容体に対する親和性
ヒト前立腺膜標本を用いた受容体結合実験で、α1受容体への親和性を示した7)。
2) 前立腺に対する作用
α1受容体作動薬によるヒト摘出前立腺平滑筋の収縮を抑制した8)。
3) 排尿障害改善作用
前立腺肥大症に伴う排尿障害患者に対する臨床薬理試験において、最大尿道閉鎖圧及び最小尿道抵抗が有意に低下し、最大尿流率及び平均尿流率が有意に増加した9)。
(2) 動物での作用
1) 前立腺、尿道及び膀胱三角部に対する作用
α1受容体作動薬によるウサギ摘出前立腺、尿道及び膀胱三角部平滑筋の収縮を抑制した10)。
2) 尿道内圧に対する作用
無麻酔雄ウサギにおいて、尿道内圧を用量依存的に低下させた10)。
麻酔雄イヌにおいては、下腹神経の電気刺激による尿道内圧の上昇を用量依存的に抑制した11)。また、α1受容体作動薬による血圧上昇に対する抑制よりも、尿道内圧上昇を選択的に抑制した12)。
<作用機序>
α1受容体遮断作用に基づき前立腺部及び尿道に分布する交感神経の緊張を緩和し、尿道内圧を低下させ、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ナフトピジル(Naftopidil)
**化学名
(2RS)-1-[4-(2-Methoxyphenyl)piperazin-1-yl]-3-(naphthalen-1-yloxy)propan-2-ol
**構造式
分子式
C24H28N2O3
分子量
392.49
融点
126~129℃
**性状
本品は白色の結晶性の粉末である。
本品は無水酢酸に極めて溶けやすく、N,N-ジメチルホルムアミド又は酢酸(100)に溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
本品は光によって徐々に淡褐色となる。
本品のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(1→10)は旋光性を示さない。
取扱い上の注意
光を避けて保存すること。本剤は光により変色することがある。変色したものは使用しないこと。
包装
フリバス錠25mg:PTP100錠(10錠×10)、PTP140錠(14錠×10)、PTP500錠(10錠×50)、PTP1,000錠(10錠×100)、バラ500錠
フリバス錠50mg:PTP100錠(10錠×10)、PTP140錠(14錠×10)、PTP500錠(10錠×50)、バラ500錠
フリバス錠75mg:PTP100錠(10錠×10)、PTP140錠(14錠×10)、PTP500錠(10錠×50)、バラ500錠
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
中島 光好他:臨床医薬,8(Suppl.3),11(1992)
2)
寺門 敬夫他:臨床医薬,8(Suppl.3),3(1992)
3)
深谷 保男他:西日本泌尿器科,54(5),697(1992)
4)
山口 脩他:基礎と臨床,31(3),1315(1997)
5)
山口 脩他:臨床医薬,8(3),699(1992)
6)
山西 友典他:泌尿器外科,5(4),359(1992)
7)
Yamada,S.,et al.:Life Sci.,50(2),127(1992)
8)
山中 直人他:泌尿器科紀要,37,1759(1991)
9)
Yasuda,K.,et al.:Prostate,25,46(1994)
10)
森 龍太郎他:薬理と治療,20(2),375(1992)
11)
森 龍太郎他:社内資料(薬効薬理:尿道内圧に対する作用)
12)
Takei,R.,et al.:Jpn.J.Pharmacol.,79,447(1999)
文献請求先
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〒101-8101 東京都千代田区神田神保町一丁目105番地
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製造販売元
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