2. 薬剤名等
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物等)
臨床症状・措置方法
併用により、症候性低血圧があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
これらは血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強するおそれがある。
副作用
副作用等発現状況の概要
総症例22,013例中、721例(3.28%)に副作用が認められた。その主な副作用はめまい・ふらつき209件(0.95%)、立ちくらみ93件(0.42%)、低血圧(起立性低血圧を含む)44件(0.20%)、胃部不快感43件(0.20%)であった。(再審査終了時)
重大な副作用
1. 肝機能障害、黄疸
(頻度不明)
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 失神、意識喪失
(頻度不明)
血圧低下に伴う一過性の意識喪失等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 過敏症注)
0.1~1%未満
発疹
2. 過敏症注)
0.1%未満
そう痒感、蕁麻疹
3. *過敏症注)
頻度不明
多形紅斑
4. 精神神経系
0.1~1%未満
めまい・ふらつき、頭痛・頭重
5. 精神神経系
0.1%未満
けん怠感、眠気、耳鳴、しびれ感、振戦、味覚異常
6. *精神神経系
頻度不明
頭がボーッとする
7. 循環器
0.1~1%未満
立ちくらみ、低血圧
8. *循環器
0.1%未満
動悸、ほてり、不整脈(期外収縮、心房細動等)
9. *循環器
頻度不明
頻脈
10. 消化器
0.1~1%未満
胃部不快感、下痢
11. 消化器
0.1%未満
便秘、口渇、嘔気、嘔吐、膨満感、腹痛
12. 肝臓
0.1~1%未満
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇
13. 肝臓
0.1%未満
LDH、Al-Pの上昇
14. 血液
頻度不明
血小板数減少
15. 眼
0.1%未満
霧視
16. 眼
頻度不明
術中虹彩緊張低下症候群(IFIS)、色視症
17. その他
0.1%未満
浮腫、尿失禁、悪寒、眼瞼浮腫、肩こり、鼻閉、勃起障害
18. その他
頻度不明
女性化乳房、胸痛
注)発現した場合には、投与を中止すること。
高齢者への投与
高齢者では低用量(例えば12.5mg/日等)から投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[本剤は、主として肝臓から排泄されるが、高齢者では肝機能が低下していることが多いため、排泄が遅延し、高い血中濃度が持続するおそれがある。]
なお、臨床試験では、75歳以上の高齢者80例に使用されているが、2例にめまい、2例に浮腫、1例に低血圧、1例に悪寒、また、1例に好酸球の増多、1例にAST(GOT)、ALT(GPT)の上昇、1例にAl-Pの上昇、1例に尿酸の上昇、1例に血清カリウムの上昇が認められている。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
その他の注意
1.
類似化合物(プラゾシン塩酸塩)で腎及びその他の動脈狭窄、脚部及びその他の動脈瘤等の血管障害のある高血圧患者で、急性熱性多発性関節炎がみられたとの報告がある。
2.
α1遮断薬を服用中又は過去に服用経験のある患者において、α1遮断作用によると考えられる術中虹彩緊張低下症候群(Intraoperative Floppy Iris Syndrome)があらわれるとの報告がある。
3.
動物実験(マウス)において、300mg/kg/日(臨床最大用量の約200倍)を2年間経口投与した場合、雌で乳腺腫瘍の発生頻度が対照群に比し有意に増加したとの報告がある。また、マウスに同用量を77週間経口投与した結果、血清プロラクチンが対照群に比し上昇したとの報告がある。
薬物動態
1. 吸収
健康成人にナフトピジル25、50及び100mg注)を空腹時に単回経口投与したとき、下記のデータが得られている1)。
また、1回50mgを1日2回食後反復経口投与注)すると、血清中濃度は4回目投与で定常状態に達した1)。
25mg(n=5、平均±標準偏差)
Tmax(時間):0.45±0.21
Cmax(ng/mL):39.3±10.3
半減期(時間):15.2±4.7
50mg(n=5、平均±標準偏差)
Tmax(時間):0.75±0.71
Cmax(ng/mL):70.1±32.9
半減期(時間):10.3±4.1
100mg注)(n=5、平均±標準偏差)
Tmax(時間):0.65±0.22
Cmax(ng/mL):134.8±55.8
半減期(時間):20.1±13.7
2. 代謝・排泄
主要代謝反応は、未変化体のグルクロン酸抱合及びメトキシフェニル基の水酸化であった2)。また、健康成人にナフトピジル25、50及び100mg注)を単回経口投与したときの投与後24時間までの尿中未変化体排泄率はいずれも0.01%以下であった1)。
3. 蛋白結合
健康成人にナフトピジル100mg注)を空腹時単回経口投与したときの血清蛋白結合率は98.5%であった2)。
4. 食事の影響
健康成人にナフトピジル50mgを空腹時及び食後に単回経口投与すると、最高血清中未変化体濃度到達時間はそれぞれ0.75時間及び2.20時間であり、食後投与で遅延する傾向を示し、血清中濃度-時間曲線下面積はわずかに増大したが、最高血清中濃度及び消失相の半減期に変化がなく、ナフトピジルの吸収に及ぼす食事の