ク、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
(1)
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
(2)
投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
(3)
投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
利尿剤
フロセミド等
臨床症状・措置方法
類似化合物(他のセフェム系抗生物質)で腎障害増強作用が報告されているので、腎機能に注意すること。
機序・危険因子
機序は明確でないが、利尿剤による細胞内への水分再吸収低下のため、尿細管細胞中の抗菌薬濃度が上昇するとの説がある。
副作用
副作用等発現状況の概要
セフォタキシムナトリウムとして総計36,798例での調査において、副作用は724例(1.97%)で、副作用発現件数1,002件であった。その主なものは発疹180件(0.49%)、ALT(GPT)上昇172件(0.47%)、AST(GOT)上昇126件(0.34%)、発熱47件(0.13%)、下痢33件(0.09%)等であった。(再審査終了時)
重大な副作用
1. ショック
ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. **アナフィラキシー
アナフィラキシー(発赤、呼吸困難、浮腫等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. 急性腎不全
急性腎不全があらわれるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
4. 偽膜性大腸炎
偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5. 汎血球減少症、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少症
汎血球減少症、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少症等があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
6. 肝機能障害、黄疸
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
7. 間質性肺炎、PIE症候群
他のセフェム系抗生物質で発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
8. **中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens‐Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 過敏症注1)
0.1~5%未満
発疹、発熱
2. 過敏症注1)
0.1%未満
そう痒等
3. 肝臓注2)
0.1~5%未満
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇等
4. 肝臓注2)
0.1%未満
黄疸
5. 血液
0.1%未満
貧血、好酸球増多
6. 消化器
0.1%未満
下痢、悪心・嘔吐、腹痛等
7. ビタミン欠乏症
頻度不明
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
8. 菌交代症
頻度不明
口内炎
9. 菌交代症
0.1%未満
カンジダ症
10. **その他
頻度不明
注射部位反応(腫脹、壊死等)、めまい
11. その他
0.1%未満
手足のしびれ感、視力障害、呼吸困難、頭痛、浮腫、全身けん怠感
その他の副作用の注意
注1)症状が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注2)異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
(1)
高齢者では生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
(2)
高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊婦、授乳婦に対する安全性は確立していない。]
臨床検査結果に及ぼす影響
1.
**テステープ反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試薬による尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。
2.
ヤッフェ反応によるクレアチニン検査では、クレアチニン値がみかけ上高値を示すことがあるので注意すること。
3.
直接クームス試験陽性を呈することがある。
適用上の注意
1. 調製方法
(1)
点滴静注の際には、注射用水を使用しないこと。[溶液が低張となるため浮腫等があらわれることがある。]
(2)
溶解後は速やかに使用すること。
2. 注射速度
点滴静注にあたっては、原則として100~300mLの補液に溶解し、およそ1時間かけて点滴静注する。また、500mLの補液に溶解し、およそ2時間かけて点滴静注することもできる。
静脈内大量投与により、まれに静脈炎を起こすことがあるので、注射液の調製、注射部位、注射方法等について十分注意し、注射速度はできるだけ遅くすること。
3. 静脈内注射時
静脈内注射に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に腫脹・壊死等を起こすことがあるので、薬液が血管外に漏れないように慎重に投与すること。
4. 筋肉内注射時
(1)
筋肉内注射により、注射部位に疼痛、硬結をみることがあるので、繰り返し注