ン血症に伴う低血糖があらわれることがあるので、ピボキシル基を有する抗生物質の投与に際してはカルニチンの低下に注意すること。血清カルニチンが低下する先天性代謝異常であることが判明した場合には投与しないこと(「副作用」重大な副作用の項参照)。
副作用
副作用等発現状況の概要
承認時までの調査では、副作用(臨床検査値の変動を含む)は708例中51例(7.20%)であった。また、承認後4年間(1990年6月~1994年6月)の使用成績調査では、5,510例中71例(1.29%)であった。
再審査終了時において、副作用は総症例6,218例中122例(1.96%)に認められ、発現件数は144件であった。その主なものは、下痢72件(1.16%)、好酸球増多13件(0.21%)、AST(GOT)上昇13件(0.21%)、ALT(GPT)上昇11件(0.18%)等であった。
一方、同一成分であるトミロン錠での結果は、再審査終了時において、副作用(臨床検査値の変動を含む)は総症例16,703例中317例(1.90%)に認められ、発現件数は456件であった。
なお、本項には承認時以降発現した頻度が不明な副作用も含む。
重大な副作用
1.
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難等)(頻度不明)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2.
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3.
急性腎不全等の重篤な腎障害(頻度不明)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4.
偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明)があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には、直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5.
肝機能障害、黄疸(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6.
無顆粒球症、血小板減少(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
7.
*低カルニチン血症に伴う低血糖(頻度不明)が、小児(特に乳幼児)に対してピボキシル基を有する抗生物質を投与した症例であらわれることがある1)ので、痙攣、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(「重要な基本的注意」の項参照)。
重大な副作用(類薬)
1.
溶血性貧血が他のセフェム系抗生物質(セファロチンナトリウム、セファロリジン等)であらわれることが報告されているので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
2.
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群等が他のセフェム系抗生物質であらわれることが報告されているので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
その他の副作用
過敏症
0.1~2%未満
発疹
過敏症
頻度不明
関節痛
過敏症
0.1%未満
蕁麻疹注1)、紅斑、そう痒、発熱注1)、浮腫、リンパ腺腫脹注1)
血液
0.1~2%未満
好酸球増多
血液
0.1%未満
顆粒球減少、血小板減少
肝臓
0.1~2%未満
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇
肝臓
頻度不明
黄疸
肝臓
0.1%未満
Al-P上昇、LDH上昇
消化器
0.1~2%未満
下痢・軟便、胃部不快感注1)、食欲不振注1)
消化器
0.1%未満
悪心・嘔吐、腹部膨満感注1)、胸やけ注1)、腹痛、心窩部痛注1)
菌交代症
0.1%未満
口内炎注1)、カンジダ症
ビタミン欠乏症
頻度不明
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
その他
頻度不明
CK(CPK)上昇
その他
0.1%未満
頭痛注1)、めまい注1)、全身倦怠感注1)
その他の副作用の注意
(再審査終了時)
上記のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
注1)本剤の調査では頻度が不明であったため、同一成分であるトミロン錠の調査結果である。
高齢者への投与
高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
(1)
高齢者では生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
(2)
高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
妊婦・産婦・授乳婦等への投与
*妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、妊娠後期にピボキシル基を有する抗生物質を投与された妊婦と、その出生児において低カルニチン血症の発現が報告されている〕
小児等への投与
低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない。
臨床検査結果に及ぼす影響
1.
本剤の投与により、テステープ反応を除くベネディクト試薬等の還元法による尿糖検査では、偽陽性を呈することがあるので注意すること。
2.
直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。
薬物動態
細粒剤と錠剤の生物学的同等性が確認されている。
1.
血中濃度
小児に3mg/kg又は6mg/kgを食後経口投与したとき、抗菌活性体であるセフテラムの平均最高血中濃度は3~4時間後に得られ、その値はそれぞれ1.3μg/mL及び2.2μg/mLであった。半減期は1.2~1.3時間であった2)。
健康成人12例に100mgを食後経口投与したときのCmaxは1.57μg/mL、AUCは5.11μg・hr/mLであった3)。
2.