じる可能性は低い。
健康成人志願者を対象にエムトリシタビンとテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩,インジナビル,サニルブジン及びジドブジンとの併用における薬物動態の評価を行った。併用薬がエムトリシタビンの薬物動態に及ぼす影響及びエムトリシタビンが併用薬の薬物動態に及ぼす影響について表2,3に示す。
薬物動態の表
表1 腎障害を有する患者における本剤の単回投与後の薬物動態パラメータ
CLcr
(mL/min) 例数 投与前のCLcr
平均値(mL/min) Cmax
(μg/mL) AUC
(μg・hr/mL) CL/F
(mL/min) CLrenal
(mL/min)
>80 6 107±21 2.2±0.6 11.8±2.9 302±94 213.3±89.0
50-80 6 59.8±6.5 3.8±0.9 19.9±1.1 168±10 121.4±39.0
30-49 6 40.9±5.1 3.2±0.6 25.1±5.7 138±28 68.6±32.1
<30 5 22.9±5.3 2.8±0.7 33.7±2.1 99±6 29.5±11.4
透析を必要とする末期腎不全患者<30 5 8.8±1.4 2.8±0.5 53.2±9.9 64±12 -
平均値±標準偏差
算出不能:-
表2 併用薬投与時のエムトリシタビンの薬物動態パラメータ変化率
併用薬 併用薬の用量 エムトリシタビンの用量 例数 エムトリシタビンの薬物動態パラメータの変化率(%) (90%信頼区間)
Cmax エムトリシタビンの薬物動態パラメータの変化率(%) (90%信頼区間)
AUC エムトリシタビンの薬物動態パラメータの変化率(%) (90%信頼区間)
Cmin
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩 300mg
1日1回
7日間 200mg
1日1回
7日間 17 ⇔ ⇔ ↑20
(↑12~↑29)
インジナビル 800mg
1回 200mg
1回 12 ⇔ ⇔ -
サニルブジン 40mg
1回 200mg
1回 6 ⇔ ⇔ -
ジドブジン 300mg
1日2回
7日間 200mg
1日1回
7日間 27 ⇔ ⇔ ⇔
上昇:↑,不変:⇔,算出不能:-
表3 エムトリシタビン投与時の併用薬の薬物動態パラメータ変化率
併用薬 併用薬の用量 エムトリシタビンの用量 例数 併用薬の薬物動態パラメータの変化率(%) (90%信頼区間)
Cmax 併用薬の薬物動態パラメータの変化率(%) (90%信頼区間)
AUC 併用薬の薬物動態パラメータの変化率(%) (90%信頼区間)
Cmin
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩 300mg
1日1回
7日間 200mg
1日1回
7日間 17 ⇔ ⇔ ⇔
インジナビル 800mg
1回 200mg
1回 12 ⇔ ⇔ -
サニルブジン 40mg
1回 200mg
1回 6 ⇔ ⇔ -
ジドブジン 300mg
1日2回
7日間 200mg
1日1回
7日間 27 ↑17
(↑0~↑38) ↑13
(↑5~↑20) ⇔
上昇:↑,不変:⇔,算出不能:-
臨床成績
<外国人における成績>
(1) 301A試験:ジダノシン+エファビレンツ治療に本剤又はサニルブジンを併用した比較試験2)
抗レトロウイルス薬による治療を未経験の患者571例を対象に,本剤(200mg1日1回投与)と共にジダノシン及びエファビレンツを併用する療法と,サニルブジンと共にジダノシン及びエファビレンツを併用する療法とを48週間投与の多施設二重盲検試験で比較した。
患者の平均年齢は36歳(範囲18~69歳),85%が男性であり,白人は52%,アフリカ系アメリカ人は16%,ヒスパニックは26%であった。試験開始時の平均CD4リンパ球数は318cells/mm3(範囲5~1,317cells/mm3),血漿中HIV-1 RNA量の中央値は4.9log10copies/mL(範囲2.6~7.0log10copies/mL),血漿中HIV-1 RNA量が>100,000copies/mLの患者は38%,CD4リンパ球数が<200cells/mm3の患者は31%であった。試験開始後48週の結果を表4に示す。
試験開始後48週のCD4リンパ球数の平均増加量は,本剤投与群で168cells/mm3,サニルブジン投与群で134cells/mm3であった。また,試験開始後48週までにCDC分類C症状を新たに発現した症例は,本剤投与群で4例(1.4%),サニルブジン投与群で7例(2.5%)であった。