系障害
頻度不明注3)
脂肪肝,肝炎,肝機能異常
筋骨格系及び結合組織障害
頻度不明注3)
筋痛,関節痛,骨障害,背部痛,側腹部痛,筋痙攣,骨軟化症,ミオパチー
呼吸器,胸郭及び縦隔障害
頻度不明注3)
気管支炎,鼻炎,呼吸困難,咽頭炎
臨床検査注4)
2%以上
血中アミラーゼ増加(7.5%),CK(CPK)増加(7.1%),血中トリグリセリド増加(4.3%),AST(GOT)増加(2.8%),好中球数減少(2.8%),ALT(GPT)増加(2.0%),血尿(2.0%)
臨床検査注4)
2%未満
Al-P増加,血中ブドウ糖増加,尿糖
臨床検査注4)
頻度不明注3)
リパーゼ増加,血中ビリルビン増加,血中リン減少,血小板数減少,蛋白尿,血中クレアチニン増加,γ-GTP増加
その他
頻度不明注3)
白血球減少症,血管拡張,感染,頻尿,インフルエンザ症候群,視覚異常,多尿,アレルギー反応
注3)エムトリシタビン製剤又はテノホビル製剤の臨床試験,市販後の調査及び自発報告等で報告された副作用を示した。
注4)エムトリシタビン製剤とテノホビル製剤の併用による比較試験で発現したグレード3及び4(NIAID分類)の臨床検査値異常を示した。
高齢者への投与
本剤の高齢者における薬物動態は検討されていない。本剤の投与に際しては,患者の肝,腎及び心機能の低下,合併症,併用薬等を十分考慮すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立されていない。]
2.
*本剤服用中は授乳を中止させること。[エムトリシタビン及びテノホビルのヒト乳汁への移行が報告されており1),テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を用いた動物実験(ラット)で,テノホビルの乳汁中への移行が報告されている。また,HIV感染女性患者は,乳児のHIV感染を避けるため,乳児に母乳を与えないことが望ましい。]
小児等への投与
低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性は確立していない(18歳未満の患者に対する使用経験がない)。
過量投与
本剤を過量投与した症例は報告されておらず,過量投与時に特有の徴候や症状は不明である。過量投与時には,本剤の副作用(「副作用」の項参照)について十分に観察を行い,必要に応じ一般的な対症療法を行うこと。エムトリシタビン及びテノホビルは血液透析により一部除去される(「薬物動態」<外国人における成績>の「3.腎不全患者」の項参照)。
その他の注意
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩のマウスを用いたがん原性試験(2年間)において,臨床用量におけるヒトの全身曝露量の16倍で雌に肝細胞腺腫が高頻度に発現したとの報告がある。
薬物動態
<日本人における成績>
(1) 吸収及び消失2)
日本人健康成人男性6例に本剤1錠を空腹時に経口投与した場合,エムトリシタビンの血漿中濃度は投与1.9±0.7時間後に最高値に達し,Cmax及びAUCはそれぞれ2,330±692ng/mL,10,845±1,241ng・hr/mLであった。エムトリシタビンの消失は二相性を示し,最終相の半減期は,12.0±2.1時間であり,投与48時間後までの累積尿中排泄率は79±6%であった。
また,テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の活性成分であるテノホビルの血漿中濃度は投与1.1±0.5時間後に最高値に達し,Cmax及びAUCはそれぞれ233±62.4ng/mL,1,972±229ng・hr/mLであった。テノホビルの消失は二相性を示し,最終相の半減期は,16.4±1.3時間であり,投与48時間後までの累積尿中排泄率は21±3%であった。
<外国人における成績>
(1) 吸収,分布,代謝及び消失
1) 生物学的同等性
健康成人志願者39例を対象として空腹時単回投与により検討した結果,本剤1錠と,エムトリシタビン製剤(200mg)1カプセル及びテノホビル製剤(300mg)1錠の併用とは生物学的に同等であった。
2) エムトリシタビン製剤又はテノホビル製剤単独投与での薬物動態
エムトリシタビン製剤
エムトリシタビンの血漿中濃度は,エムトリシタビン製剤(200mg)単回経口投与後1~2時間後にCmaxに達した。エムトリシタビンのヒト血漿蛋白結合率(in vitro)は,0.02~200μg/mLの範囲で4%未満であった。14C-エムトリシタビン投与後,投与量の約86%は尿中に回収され,13%は代謝物として回収された。エムトリシタビンの代謝物は,3'-スルホキシドジアステレオマーとグルクロン酸抱合体である。エムトリシタビンは,糸球体濾過と尿細管への能動輸送の両方により腎排泄されることが示唆されている。エムトリシタビン製剤(200mg)経口投与後のエムトリシタビンの血漿中半減期は約10時間であった(表1)。
テノホビル製剤
テノホビルの血清中濃度は,テノホビル製剤(300mg)経口投与後1.0±0.4時間後にCmaxに達した。テノホビルのヒト血漿蛋白結合率(in vitro)は,0.01~25μg/mLの範囲で0.7%未満であった。テノホビルの静脈内投与量の約70~80%は,テノホビルとして尿中に回収された。テノホビルは,糸球体濾過と尿細管への能動輸送により腎排泄される。テノホビル製剤(300mg)単回経口投与後のテノホビルのβ相半減期は約17時間であった(表1)。
(2) 食事の影響
本剤を高脂肪食(784kcal,約58%が脂肪由来)と共に服用した場合,テノホビルのTmaxは約0.75時間延長し,AUCは約35%,Cmaxは約16%上昇した。また,本剤を軽食(373kcal,約20%が脂肪由来)と共に服用したときも同様の変化(Tmaxが約0.75時間延長,AUCが約34%上昇,Cmaxが約14%上昇)が認められた。
また,本剤を高脂肪食又は軽食と共に服用した場合,エムトリシタビンのAUC及びCmaxは,影響を受けなかった。
(3) 腎不全患者
本剤による腎不全患者を対象とした臨床試験成績は得られていないため,エムトリシタビン製剤(200mg)又はテノホビル製剤(300mg)の単独投与での成績を示す。クレアチニンクリアランス(CLcr)が50mL/min未満の患者あるいは透析を必要とする末期腎不全患者では,エムトリシタビンと