時)
*〈慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善の場合〉
慢性肝疾患患者を対象とした国内臨床試験における安全性解析対象484例中297例(61.4%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。その主なものは、頻尿・夜間頻尿46例(9.5%)、便秘42例(8.7%)、プロラクチン上昇41例(8.5%)、不眠34例(7.0%)、眠気26例(5.4%)、抗利尿ホルモン上昇24例(5.0%)等であった。(承認時)
重大な副作用
肝機能障害(頻度不明注1))、黄疸(頻度不明注1))
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTPの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
*下記の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。特に、血液透析患者への投与時、不眠、便秘、眠気が投与開始後2週間以内に、慢性肝疾患患者への投与時、不眠、眠気、便秘、頻尿・夜間頻尿が投与開始後4週間以内にあらわれることが多いので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量するなど適切な処置を行うこと。
1. 精神・神経系
5%以上
不眠
2. *精神・神経系
1~5%未満
眠気、浮動性めまい、頭痛
3. 精神・神経系
1%未満
いらいら感、幻覚、構語障害、レストレスレッグス症候群、振戦、しびれ
4. **精神・神経系
頻度不明注1)
不穏、せん妄、易怒性
5. *消化器系
5%以上
便秘
6. *消化器系
1~5%未満
口渇、悪心、下痢
7. *消化器系
1%未満
嘔吐、食欲不振、腹部不快感、胃炎、口内炎
8. *皮膚
1~5%未満
そう痒の悪化、湿疹、発疹
9. *皮膚
1%未満
蕁麻疹、紅斑、丘疹
10. 皮膚
頻度不明注1)
色素沈着
11. *肝臓
1~5%未満
総胆汁酸上昇
12. *肝臓
1%未満
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇
13. 肝臓
頻度不明注1)
LDH上昇
14. *腎臓
5%以上
頻尿・夜間頻尿注2)
15. *腎臓
1~5%未満
多尿注2)
16. *循環器系
1%未満
動悸、ほてり、血圧上昇
17. *内分泌系
5%以上
プロラクチン上昇
18. *内分泌系
1~5%未満
テストステロン低下、甲状腺刺激ホルモン低下、甲状腺刺激ホルモン上昇、抗利尿ホルモン上昇
19. 内分泌系
1%未満
女性化乳房
20. *血液
1%未満
好酸球増多、貧血
21. *尿
1~5%未満
尿中血陽性注2)、尿中蛋白陽性注2)
22. その他
1~5%未満
倦怠感
23. *その他
1%未満
胸部不快感、脱力感、回転性めまい、異常感、浮腫、血中リン低下
注1)自発報告によるものについては頻度不明。
*注2)慢性肝疾患患者を対象とした国内臨床試験での発現頻度。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[動物実験(ラット)において、胎盤通過、生存胎児数の減少、出産率の低下及び出生児体重の減少が報告されている。]
2.
授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)において、乳汁中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児への投与に関する安全性は確立されていない。(使用経験がない)
過量投与
徴候、症状
過量投与により、幻覚、不安、重度の眠気、不眠等があらわれるおそれがある。
処置
投与を中止し、必要に応じ適切な対症療法を行うこと。なお、本剤は透析により除去されることが示されている。(「薬物動態」の項参照)
適用上の注意
1. 薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、さらには穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
2. 保存時
未使用の場合はアルミピロー包装のまま保存し、開封後は遮光保存すること。また、服用時にPTPシートから取り出すこと。
その他の注意
1.
動物実験(イヌ静脈内投与、0.1μg/kg以上)において全身麻酔下での血圧低下が報告されている。
2.
動物実験(ラット筋肉内投与、40μg/kg/day以上)において受胎率の低下が報告されている。
薬物動態
1. 血漿中濃度
(血液透析患者(単回投与))
血液透析患者(16例)に本剤2.5又は5μgを経口単回投与した時、未変化体の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下の通りであった1)。
表1「薬物動態パラメータ」参照。
(血液透析患者(反復投与))
血液透析患者(14~16例)に本剤2.5又は5μgを経口反復投与した時、未変化体の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下の通りであった1)。
表2「薬物動態パラメータ」参照。
また、透析時では非透析時と比較しt1/2が短縮しており、透析時及び非透析時のt1/2はそれぞれ、7.60±2.02(hr)、32.06±15.50(hr)であった。
*(軽度(Child-Pugh分類グレードA)の肝障害患者)
Child-Pugh分類グレードAの代償性肝硬変患者(12例)に本剤2.5又は5μgを経口単回投与した時、未変化体の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下の通りであった。健康成人男子と比較してCmaxやAUCが上昇する傾向は認められなかった2)。
表3「薬物動態パラメータ」参照。
*(中等度(Child-Pugh分類グレードB)の肝