3. 高度の腹膜癒着のある患者
[腹膜の透析効率が低下しているため。]
4. 尿毒症に起因する以外の出血性素因のある患者
[出血により蛋白喪失が亢進し全身状態が悪化するおそれがある。]
5. 乳酸代謝障害の疑いのある患者
[乳酸アシドーシスが誘発されるおそれがある。]
6. 高度の換気障害のある患者
[肺に水が貯留するおそれがある。]
7. 憩室炎のある患者
[憩室に水が貯留するおそれがある。]
8. 人工肛門使用患者
[細菌感染を起こすおそれがある。]
9. 高度の脂質代謝異常のある患者
[高コレステロール血症,高トリグリセライド血症が悪化するおそれがある。]
10. 高度の肥満がみられる患者
[肥満を増長させるおそれがある。]
効能又は効果
慢性腎不全患者における腹膜透析
(代謝性アシドーシスの改善が不十分で,かつ炭酸カルシウム製剤や活性型ビタミンD製剤の投与により高カルシウム血症をきたすおそれのある場合に用いる。)
効能又は効果に関連する使用上の注意
**ペリセート360N腹膜透析液,同400N腹膜透析液並びにペリセート360NL腹膜透析液,同400NL腹膜透析液は,おのおの次のような場合に使用すること。
1. **ペリセート360N腹膜透析液,同400N腹膜透析液
炭酸カルシウム製剤や活性型ビタミンD製剤の投与により高カルシウム血症をきたすおそれのない場合
2. ペリセート360NL腹膜透析液,同400NL腹膜透析液
代謝性アシドーシスの改善が不十分で,かつ炭酸カルシウム製剤や活性型ビタミンD製剤の投与により高カルシウム血症をきたすおそれのある場合
用法及び用量
**腹腔内に注入し,透析治療を目的とした液として使用する。通常,成人では1回1.5~2 Lを腹腔内に注入し,4~8時間滞液し,効果期待後に排液除去する。以上の操作を1回とし,体液の過剰が1kg/日以下の場合,通常1日あたりペリセート360NL腹膜透析液のみ3~4回の連続操作を継続して行う。体液の過剰が1kg/日以上認められる場合,通常ペリセート400NL腹膜透析液を1~4回処方し,ペリセート360NL腹膜透析液と組み合せて1日あたり3~5回の連続操作を継続して行う。
なお,注入量,滞液時間,操作回数は,症状,血液生化学値及び体液の平衡異常,年齢,体重などにより適宜増減する。
注入及び排液速度は,通常300 mL/分以下とする。
用法及び用量に関連する使用上の注意
1.
ペリセート360NL腹膜透析液は患者の体液の過剰が1kg/日以下の場合,これのみを1日に3~4回交換使用すること。ペリセート400NL腹膜透析液は患者の体液の過剰が1kg/日以上の場合,通常1日に1~4回処方し,ペリセート360NL腹膜透析液と組み合せて交換使用すること。体液過剰の状況は,患者の体重と基準体重とを比較検討し決定する。基準体重は浮腫がなく,細胞外液の過剰に基づくと考えられる心不全等の症状がない状態で測定した体重値である。
2.
本剤は,使用直前に隔壁を開通し,G液(小室液)とE液(大室液)をよく混合した後に使用する。なお,混合操作を以下に示す。
*〔混合操作〕
1) 外袋を破り,バッグを取り出す。
<注意>
外袋は表示に従い開封する。表示に従わず開封するとキャップ等の外れの原因になる場合がある。
2) 隔壁に開通がないことを確認する。
<注意>
隔壁に開通が認められる場合は使用しない。
3) バッグからの液漏れがなく,液が澄明であることを確認する。
4) G液(小室液)側を強くつかみ,G液を隔壁側(矢印の方向)に押し出すように圧力をかけ,隔壁を開通する。
<注意>
硬い物にぶつけて,隔壁を開通させない。バッグが破損し液漏れの原因になる場合がある。
5) 隔壁の開通を確認して,G液(小室液)とE液(大室液)をよく混合する。
6) よく混合した後,腹膜側コネクターとバッグを接続する。
3.
本剤はG液(小室液)とE液(大室液)を混合して使用する腹膜透析液であるため,混合操作を行っていない液は決して腹腔内に注入しないこと。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1. 腹膜炎,腹膜損傷,腹膜癒着及び腹腔内臓器疾患の疑いのある患者
[腹膜炎,腹膜損傷,腹膜癒着及び腹腔内臓器疾患が悪化又は誘発されるおそれがある。]
2. 腹部手術直後の患者
[手術部位の治癒を妨げるおそれがある。]
3. 糖代謝障害の疑いのある患者
[糖代謝異常が悪化又は誘発されるおそれがある。]
4. ジギタリス治療中の患者
[ジギタリス中毒が誘発されるおそれがある。]
5. 食事摂取が不良な患者
[栄養状態が悪化するおそれがある。]
6. 腹部ヘルニアのある患者
[腹部ヘルニアが悪化するおそれがある。]
7. 腰椎障害のある患者
[腰椎障害が悪化するおそれがある。]
8. 利尿剤を投与している患者
[水及び電解質異常が誘発されるおそれがある。]
9. 高度の低蛋白血症のある患者
[低蛋白血症が悪化するおそれがある。]
10. 低カリウム血症の患者
[低カリウム血症が悪化するおそれがある(適用上の注意の項参照)。]
11. ステロイド服用者,免疫不全患者,抗生物質アレルギー体質を持つ患者
[感染症発生時に抗生物質が使用できないおそれ がある。]
12. 高齢者
[高齢者への投与の項参照]
重要な基本的注意
1.
本剤の投与開始は,医療機関において医師により,又は医師の直接の監督により実施すること。通院,自己投与は,医師がその妥当性を慎重に検討し,十分な教育訓練を施した後,医師自らの管理指導のもとに実施すること。
2.
腹膜炎を合併することがあるので,本剤の投与にあたっては特に清潔な環境下で無菌的操作により行うとともに次のことに注意すること。
(1)
腹膜カテーテルの管理及び腹膜カテーテル出口部分の状態には十分注意すること。
(2)
腹膜炎が発症すると排液が濁るので,その早期発見のために,毎排液後,液の混濁状態を確認すること。腹膜炎発生時の液の混濁状態は,正常排液2,000mLに対して牛乳1mLを添加した液の混濁状態を基準に,それ以上のものであるかどうか比較して判別する。
3.
**長期の腹膜透析実施において被嚢性腹膜硬化症(EPS)を合併することがあるので1),発症が疑われたら直ちにCAPDを中止し,血液透析に変更すること。発症後は経静脈的高カロリー輸液を主体とした栄養補給を行い,腸管の安静を保つ。嘔吐がある場合は胃チューブにより胃液を持続吸引する。本症は必ずイレウス症状を伴うが,診断には次の臨床症状,血液検査所見およ