消化器
頻度不明
口腔内びらん注6)、胸やけ、口渇、歯牙変色注6)
血液
0.1~5%未満
好酸球増多
肝臓
0.1~5%未満
AST(GOT)、ALT(GPT)上昇
肝臓
0.1%未満
γ-GTP、LDH、AL-P上昇
筋・骨格
頻度不明
筋肉痛注6)
その他
0.1%未満
倦怠感
その他
頻度不明
浮腫、カンジダ症注6)、動悸注6)、発熱、CK(CPK)上昇注6)、脱毛、頻尿、低血糖注6)
その他の副作用の注意
注2)このような場合には投与を中止すること。
注3)観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注4)このような場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
注5)このような場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注6)あらわれた場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
次の点に注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
(1)
一般に高齢者では肝機能、腎機能等の生理機能が低下しているので、慎重に投与すること。また、アモキシシリン水和物による副作用が発現しやすく、クラリスロマイシンの高い血中濃度が持続するおそれがある。
(2)
高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。(アモリンによる)
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。
(1)
[ボノプラザンでは、動物試験(ラット)において、40mg/日でのヒトにおけるボノプラザンの曝露量(AUC)の約28倍を超える曝露量で、胎児体重及び胎盤重量の低値、外表異常(肛門狭窄及び尾の異常)、並びに内臓異常(膜性部心室中隔欠損及び鎖骨下動脈起始異常)が認められている。]
(2)
[クラリスロマイシンでは、母動物に毒性があらわれる高用量において、胎児毒性(心血管系の異常、口蓋裂、発育遅延等)が報告されている。なお、国外における試験で次のような報告がある。SD系ラット(15~150mg/kg/日)及びCD-1系マウス(15~1,000mg/kg/日)において、それぞれ母動物に毒性があらわれる最高用量でラット胎児に心血管系異常並びにマウス胎児に口蓋裂が認められた。また、サル(35~70mg/kg/日)において、母動物に毒性があらわれる70mg/kg/日で9 例中1例に低体重の胎児がみられたが、外表、内臓、骨格には異常は認められなかった。]
2.
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。
(1)
[クラリスロマイシンでは、ヒト母乳中へ移行することが報告されており、また、動物試験(ラット)の乳汁中濃度は、血中濃度の約2.5倍で推移した。]
(2)
[ボノプラザンでは、動物試験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
1.
投与時
健康成人での薬物動態試験で天然ケイ酸アルミニウムと併用した場合、クラリスロマイシンの吸収が低下するとの報告がある。
2.
薬剤交付時
PTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
1. へリコバクター・ピロリの除菌判定上の注意
アモキシシリン水和物やクラリスロマイシン等の抗生物質の服用中や投与終了直後では、13C-尿素呼気試験の判定結果が偽陰性になる可能性があるため、13C-尿素呼気試験による除菌判定を行う場合には、これらの薬剤の投与終了後4 週以降の時点で実施することが望ましい。
(1) その他(タケキャブ)
1)
マウス及びラット2年間経口投与がん原性試験において、20mg/日でのヒトにおけるボノプラザンの曝露量(AUC)と等倍程度の曝露量で胃の神経内分泌腫瘍が、約300倍で胃の腺腫(マウス)が、また、約13倍以上(マウス)及び約58倍以上(ラット)で肝臓腫瘍が認められている。
2)
タケキャブの投与が胃癌による症状を隠蔽することがあるので、悪性でないことを確認のうえ投与すること。
3)
海外における複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターによる治療において骨粗鬆症に伴う股関節骨折、手関節骨折、脊椎骨折のリスク増加が報告されている。特に、高用量及び長期間(1年以上)の治療を受けた患者で、骨折のリスクが増加した。
4)
海外における主に入院患者を対象とした複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターを投与した患者においてクロストリジウム・ディフィシルによる胃腸感染のリスク増加が報告されている。
(2) その他(アモリン、クラリス)
ラットにアモキシシリン水和物(2,000mg/kg/日)、ランソプラゾール(15mg/kg/日以上)を4週間併用経口投与した試験、及びイヌにアモキシシリン水和物(500mg/kg/日)、ランソプラゾール(100mg/kg/日)、クラリスロマイシン(25mg/kg/日)を4週間併用経口投与した試験で、アモキシシリン水和物を単独あるいは併用投与した動物に結晶尿が認められているが、結晶はアモキシシリン水和物が排尿後に析出したものであり、体内で析出したものではないことが確認されている。
薬物動態
1. ボノプラザン、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシン併用時の血中濃度
健康成人男子を対象にボノプラザンとして20mg、アモキシシリン水和物として750mg(力価)及びクラリスロマイシンとして400mg(力価)を1日2回朝食後及び夕食後に7日間投与(投与最終日は朝食後1回)した時、投与7日目の薬物動態学的パラメータは表1~3のとおりである。4)
2. 薬物間相互作用
外国健康成人男子を対象に1日目及び8日目にボノプラザンとして40mgを朝食30分後に単回投与し、3~9日目にクラリスロマイシンとして500mg(力価)を1日2回、朝夕食30分前に反復投与した試験の結果、ボノプラザンのAUC(0-inf)及びCmaxは、単独投与時と比較してクラリスロマイシンとの併用投与時に1.6倍及び1.4倍増加する。
(参考)
1) ボノプラザン単独投与時の肝障害患者及び腎障害患者