ヒチンの血中濃度上昇に伴う中毒症状(汎血球減少、肝機能障害、筋肉痛、腹痛、嘔吐、下痢、発熱等)が報告されているので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
なお、肝臓又は腎臓に障害のある患者で、コルヒチンを投与中の患者には、クラリスロマイシンを併用しないこと。
機序・危険因子
クラリスロマイシンのCYP3A4に対する阻害作用により、上記薬剤の代謝が阻害される。
6. 薬剤名等
ベンゾジアゼピン系薬剤
CYP3A4で代謝される薬剤 トリアゾラム、ミダゾラム等
非定型抗精神病薬
CYP3A4で代謝される薬剤 クエチアピンフマル酸塩等
ジソピラミド
エプレレノン
エレトリプタン臭化水素酸塩
カルシウム拮抗剤
CYP3A4で代謝される薬剤 ニフェジピン、ベラパミル塩酸塩等
ジエノゲスト
ホスホジエステラーゼ5阻害剤 シルデナフィルクエン酸塩、タダラフィル〔シアリス、ザルティア〕 等
クマリン系抗凝血剤 ワルファリンカリウム等
オキシコドン塩酸塩水和物
フェンタニル/フェンタニルクエン酸塩
臨床症状・措置方法
上記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
クラリスロマイシンのCYP3A4に対する阻害作用により、上記薬剤の代謝が阻害される。
7. 薬剤名等
抗凝固剤
CYP3A4で代謝され、P-糖蛋白質で排出される薬剤 アピキサバン、リバーロキサバン
臨床症状・措置方法
上記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
クラリスロマイシンのCYP3A4及びP-糖蛋白質に対する阻害作用により、上記薬剤の代謝及び排出が阻害される。
8. 薬剤名等
抗凝固剤
P-糖蛋白質で排出される薬剤 ダビガトランエテキシラート、エドキサバントシル酸塩水和物
臨床症状・措置方法
上記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
クラリスロマイシンのP-糖蛋白質に対する阻害作用により、上記薬剤の排出が阻害される。
9. 薬剤名等
イトラコナゾール
HIVプロテアーゼ阻害剤 サキナビルメシル酸塩、リトナビル等
臨床症状・措置方法
クラリスロマイシンの未変化体の血中濃度上昇による作用の増強等の可能性がある。
また、イトラコナゾール、サキナビルメシル酸塩の併用においては、これら薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性がある。異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
クラリスロマイシンと上記薬剤のCYP3A4に対する阻害作用により、相互に代謝が阻害される。
10. 薬剤名等
リファブチン、エトラビリン
臨床症状・措置方法
上記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性がある。
また、クラリスロマイシンの未変化体の血中濃度が低下し、活性代謝物の血中濃度が上昇し、クラリスロマイシンの作用が減弱する可能性がある。
異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
クラリスロマイシンのCYP3A4に対する阻害作用により、上記薬剤の代謝が阻害される。また、上記薬剤のCYP3A4に対する誘導作用により、クラリスロマイシンの代謝が促進される。
11. 薬剤名等
リファンピシン
エファビレンツ、ネビラピン
臨床症状・措置方法
クラリスロマイシンの未変化体の血中濃度が低下し、活性代謝物の血中濃度が上昇する可能性がある。クラリスロマイシンの作用が減弱する可能性があるので、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
上記薬剤のCYP3A4に対する誘導作用により、クラリスロマイシンの代謝が促進される。
副作用
副作用等発現状況の概要
胃潰瘍又は十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症
承認時までの試験では329例中67例(20.4%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。
以下のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
胃MALTリンパ腫・特発性血小板減少性紫斑病・早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃におけるヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎
臨床試験等の副作用発現頻度が明確となる試験を実施していない(承認時)。
重大な副作用
タケキャブ、アモリン及びクラリスでは、他にもそれぞれに次の副作用が認められている。
アモリン
(1)
ショック、アナフィラキシー(0.1%未満)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、眩暈、便意、耳鳴、発汗、喘鳴、呼吸困難、血管浮腫、全身の潮紅・蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(2)
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも0.1%未満)、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(いずれも頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、頭痛、関節痛、皮膚や粘膜の紅斑・水疱、膿疱、皮膚の緊張感・灼熱感・疼痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(3)
急性腎不全等の重篤な腎障害(0.1%未満)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(4)
顆粒球減少(0.1%未満)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(5)
偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(0.1%未満)があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(6)
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を伴う肝機能障害、黄疸(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行