約0.82時間後に最高血漿中濃度(Cmax)413.6ng/mLに達し、血漿中濃度消失半減期は約8時間であった2)。
成人におけるセチリジン塩酸塩錠・ドライシロップ単回投与時の血漿中濃度の推移
(表2)
〔小児〕
日本人の通年性アレルギー性鼻炎患児又は皮膚疾患患児を対象とした臨床試験5試験、570例から得られた血清中濃度値994点を用い、母集団薬物動態解析(非線形混合効果モデル法、NONMEM)を行った。その結果、体重が共変量として認められ、2~6歳の小児(本年齢層における体重の中央値:18.0kg)の全身クリアランス(CL/F)は1.64L/h、分布容積(V/F)は11.9L、7~14歳の小児(同:31.0kg)のCL/Fは2.11L/h、V/Fは17.7Lと推定された。また、2.5mg1日2回投与時の定常状態時最低血清中濃度(Css min)及び最高血清中濃度(Css max)は、それぞれ58±25ng/mL及び214±50ng/mL(平均±標準偏差※、以下同様)と推定され、5mg1日2回投与時のCss min及びCss maxは、それぞれ100±40ng/mL及び308±74ng/mLと推定された3)。
※)1000例の血清中濃度推移をシミュレーションしたときの推定値
(2) 血漿蛋白結合率
14C標識-セチリジン0.1、1及び10μg/mL濃度のin vitroにおけるヒト血漿蛋白との結合率は、平均92%(90.7~92.5%)であった(平衡透析法)4)。
2. 代謝・排泄
健康成人にセチリジン塩酸塩10mg又は20mgを単回経口投与した場合、24時間後までに投与量の約50%が未変化体として尿中に排泄された。健康成人に1日1回20mgを7日間連続経口投与した場合、血漿中に酸化的脱アルキル体がわずかに認められた。また、未変化体の1日投与量に対する尿中排泄率は、1日目は24時間後までに約58%、7日目は約70%であった1)。
3. 腎障害患者での体内動態(参考:外国人データ)
腎障害患者(クレアチニンクリアランス:7-60mL/min)にセチリジン塩酸塩10mgを単回経口投与した場合、腎機能正常者に比べ血清中濃度は持続し、血清中濃度消失半減期の延長が認められた5)。
(表3)
また、血液透析患者(クレアチニンクリアランス:≦7mL/min、n=5)にセチリジン塩酸塩10mgを透析開始3時間前に経口投与した場合、血清中濃度消失半減期は平均19.3時間で延長が認められた6)。
4. 肝障害患者での体内動態(参考:外国人データ)
原発性胆汁性肝硬変患者にセチリジン塩酸塩10mgを単回経口投与した場合、肝機能正常成人5)に比べ、血清中濃度消失半減期の延長、Cmaxの上昇、AUCの増大が認められた7)。これらの成績から、高度の肝障害患者では、低用量(例えば通常用量の半量)から投与を開始するなど慎重に投与すること。
(表4)
5. 高齢者での体内動態(参考:外国人データ)
高齢者(年齢:平均77歳、クレアチニンクリアランス:平均53mL/min)にセチリジン塩酸塩10mgを単回経口投与した場合、成人(年齢:平均53歳、クレアチニンクリアランス:平均87mL/min)に比べ、血清中濃度消失半減期の延長とCmaxの上昇が認められ、これらの薬物動態パラメータの変化は、腎機能の低下によるものと考えられた5)。
(表5)
薬物動態の表
表1 成人におけるセチリジン塩酸塩錠単回投与時の薬物動態パラメータ
投与量 Tmax
(hr) Cmax
(ng/mL) T1/2
(hr) AUC
(mg・hr/L)
10mg 1.44±0.50 214.5±35.3 6.73±2.30 2.0±0.3
20mg 1.50±0.38 438.1±111.8 6.79±1.85 3.9±0.9
(平均値±標準偏差、n=8)
表2 成人におけるセチリジン塩酸塩錠・ドライシロップ単回投与時の薬物動態パラメータ
投与量 Tmax
(hr) Cmax
(ng/mL) T1/2
(hr) AUC
(mg・hr/L)
10mg錠 1.13±0.52 440.9±144.7 8.36±1.63 3.0±0.8
ドライシロップ0.8g 0.82±0.39 413.6±130.5 8.03±1.45 2.8±0.8
(平均値±標準偏差、n=24)
表3 腎障害患者におけるセチリジン塩酸塩の薬物動態パラメータ
クレアチニンクリアランス
(mL/min) Tmax
(hr) Cmax
(ng/mL) T1/2
(hr) AUC
(mg・hr/L)
>90(n=5) 0.9±0.2 313±45 7.4±3.0 2.7±0.4
31-60(n=5) 1.1±0.2 356±64 19.2±3.3 6.9±1.8
7-30(n=5) 2.2±1.1 357±172 20.9±4.4 10.7±2.4
(平均値±標準偏差)
表4 肝障害患者におけるセチリジン塩酸塩の薬物動態パラメータ
投与量
(被験者、例数) Tmax
(hr) Cmax
(ng/mL) T1/2
(hr) AUC
(mg・hr/L)
10mg
(肝機能正常成人、n=14) 1.0±0.5 384±103 7.4&plus