蛋白結合率2)
48.6%(in vitro、ヒト血清、限外ろ過法)
3. 主な代謝産物及び代謝経路1)
ゾニサミドは主として肝臓で代謝され、イソキサゾール環開裂体を生成した後、グルクロン酸抱合等を受ける。
4. 排泄経路及び排泄率
排泄経路:
主として尿中
排泄率1):
投与後2週間における尿中排泄率は、未変化体として28.9~47.8%、主代謝物(イソキサゾール環開裂体のグルクロン酸抱合体)として12.4~18.7%であった。これらは投与量の47.6~60.2%であった。(健康成人、200mg 1回又は2回及び400mg 2回投与)
5. 有効血中濃度3)
てんかんの重症度や症例によって違いはあるが、一般に20μg/mL前後が目安として示されている。
6. 代謝酵素4)
チトクロームP-450分子種:
主としてCYP3A
7. 腎機能障害患者における薬物動態5)
表2参照
腎クリアランス及び尿中排泄率で正常腎機能患者との間に差が認められた。
表1 血漿中濃度(健康成人3例、200mg 1回投与)
Tmax(h) Cmax(μg/mL) t1/2(h)
5.3±1.3 2.9±0.3 62.9±1.4
平均値±標準誤差
表2 腎機能障害患者における薬物動態(外国人、300mg 1回投与)
クレアチニンクリアランス
(mL/min) Tmax
(h) Cmax
(μg/mL) t1/2
(h) CL
(mL/min) Ae
(%)
>60 3.3 3.64 58 3.42 16.8
20~60 4.3 3.73 58 2.50 11.9
<20 2.9 4.08 63 2.23 13.3
CL:腎クリアランス
Ae:尿中排泄率(投与後8日間までに尿中に排泄されたゾニサミドの用量に対する百分率)
臨床成績
二重盲検比較試験6)及び比較試験7)を含む総計965例についての臨床成績は次のとおりである。
表3参照
表3 臨床成績
対象疾患 改善率
部分てんかん(単独投与例) 77%(47/61)
部分てんかん(他剤併用の難治例) 39%(239/620)
原発性全般てんかん(単独投与例) 73%(8/11)
原発性全般てんかん(他剤併用の難治例) 38%(12/32)
続発性全般てんかん(単独投与例) 40%(4/10)
続発性全般てんかん(他剤併用の難治例) 23%(54/231)
薬効薬理
1.
最大電撃けいれん(マウス、ラット、ウサギ、イヌ)及びペンテトラゾール誘発けいれん(マウス)の強直性伸展相をフェニトインやカルバマゼピンと同様に選択的に抑制する8,9)。
2.
電気刺激誘発皮質限局けいれんや抱合エストロゲン皮質適用による棘徐波結合等のけいれん脳波に対して強い抑制作用を示す(ネコ)10,11)。また、タングステン酸ゲル皮質適用(ラット)や皮質凍結(ネコ)による棘波活性及び二次性全般けいれんに対して強い抑制作用を示す10)。
3.
皮質又は海馬の反復電気刺激によるキンドリング形成後のけいれん脳波に対して抑制作用を示す(ラット)12)。
4.
本剤の作用機序については、まだ完全に解明されてはいないが、発作活動の伝播過程の遮断、てんかん原性焦点の抑制等が示唆されている9,10)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ゾニサミド Zonisamide
化学名
1, 2-Benzisoxazole-3-methanesulfonamide
分子式
C8H8N2O3S
分子量
212.23
融点
164~168℃
分配係数
1.04(クロロホルム/水系溶媒、pH7.04、室温)
性状
白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。アセトン又はテトラヒドロフランに溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
包装
エクセグラン錠100mg:
[PTP]100錠(10錠×10)、1,000錠(10錠×100)
[バラ]500錠
エクセグラン散20% :
[バラ]100g、500g
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Ito, T., et al.:Arzneim.-Forsch./Drug Res., 32:1581, 1982
2)
Matsumoto, K., et al.:Arzneim.-Forsch./Drug Res., 33:961, 1983
3)
河合逸雄:老化と疾患, 3:833, 1990
4)
Nakasa, H., et al.:Mol. Pharmacol., 44:216, 1993
5)
大日本住友製薬資料:腎機能障害患者における薬物動態
6)
清野昌一,ほか:医学のあゆみ,144:275, 1988
7)
小国弘量,ほか:小児科臨床,41:439, 1988
8)
Masuda, Y., et al.:Arzneim.-Forsch./Drug Res., 30:477, 1980
9)
Masuda, Y., et al.:J.Pharm.Dyn., 3:526, 1980
10)
Ito, T., et al.:Arzneim.-Forsch./Drug Res., 30:603, 1980
11)
Ito, T., et al.:Epilepsia, 27:367, 1986
12)
Kamei, C., et al.:Arch.Int. Pharmacodyn. Ther., 249:164, 1981
製品に関するお問い合わせ先・文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
大日本住友製薬株式会社
〒541-0045 大阪市中央区道修町2-6-8
くすり情報センター
TEL 0120-034-389
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売