プセルに対する150mgカプセルのAUClast及びCmaxの幾何平均値の比及びその90%信頼区間参照)
(2) 食事の影響2)
150mgカプセルを用いてALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌患者31例に1回300mgを空腹時(投与前2時間、投与後1時間絶食)又は食後に1日2回10日間反復経口投与したとき、Tmaxは食事の影響を受けなかったが、AUC、Cmaxは空腹時投与に比べて食後投与でおよそ1.2倍に増加した。
(3) 20/40mgカプセルの薬物動態3,4)
20/40mgカプセルを用いて、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌患者6例に300mgを絶食下(投与前10時間、投与後2時間絶食)又は食後に単回経口投与したときの血漿中アレクチニブ濃度の推移を以下の図に示した。また、本剤20~300mgを単回、1日2回21日間反復投与時の食事条件別の薬物動態パラメータを以下に示した。単回投与時は、食後投与でAUCとCmaxはともに、絶食下投与のおよそ1.8倍に増加し、Tmaxの平均値も食後投与で5.89時間に延長した。なお、反復投与開始から8日目までに血漿中アレクチニブ濃度は定常状態に達することが示され、反復投与時のアレクチニブの体内動態では1回20mg1日2回投与から1回300mg1日2回投与の範囲で線形性が認められた。
300mg単回経口投与時の血漿中アレクチニブ濃度推移(平均値±標準偏差)
(単回経口投与時の血漿中アレクチニブの薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)参照)
(1日2回反復経口投与時の血漿中アレクチニブの薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)参照)
また、血漿中に検出された主要代謝物は、モルフォリン部の開環後、脱アルキル化した化合物(M-4)であった。ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌患者6例に本剤1回300mgを空腹時又は食直後に1日2回21日間反復経口投与したときのM-4のAUC0-10(平均値±標準偏差)は、それぞれ1980±596 h・ng/mL及び2030±563 h・ng/mLであった。未変化体に対するM-4のAUC0-10の比率(平均値±標準偏差)は空腹時及び食直後投与時でそれぞれ47.2±15.8%及び49.8±13.1%であった。
(4) バイオアベイラビリティ5)
<外国人における成績>
健康成人6例を対象にアレクチニブ600mgを単回経口投与したときの絶対的バイオアベイラビリティは約37%であった。
※承認された用法・用量は1回300mgを1日2回経口投与である。
2. 分布6,7,8,9)
In vitro試験の結果、アレクチニブのヒト血漿蛋白結合率は99%以上であり、主にアルブミンに結合し、α1-酸性糖蛋白への結合はほとんど認められなかった。また、ヒトにおける血球移行率は約80%であった。
(参考)動物実験の結果
白色ラットに14C標識アレクチニブを1mg/kgの用量で単回経口投与したとき、放射能は各組織に速やかに分布し、ハーダー腺、副腎、肺、褐色脂肪組織及び肝臓に高い分布を示し、大脳、小脳、脊髄への分布も確認された。有色ラットに14C標識アレクチニブを10mg/kgの用量で単回経口投与したときメラニン含有組織であるブドウ膜及び有色皮膚に高い放射能が検出された。
3. 代謝10,11,12,13)
In vitro代謝試験の結果、アレクチニブはヒト肝臓において、主にCYP3A4により代謝されて主要代謝物(M-4)を生成することが示された。また、M-4は、アレクチニブと同程度のALKチロシンキナーゼ阻害活性が示された。
4. 排泄5)
<外国人における成績>
健康成人6例を対象に14C-標識アレクチニブ600mgを単回経口投与したとき、投与から168時間までに投与放射能の98.3%が回収され、糞中に97.8%、尿中に0.467%の放射能が排泄された。また、糞中及び尿中に排泄されたアレクチニブの未変化体は、それぞれ投与量の84.0%及び0.1%未満であった。
※承認された用法・用量は1回300mgを1日2回経口投与である。
5. 薬物相互作用14,15,16,17)
(1) CYP3A阻害剤との臨床薬物相互作用試験
<外国人における成績>
健康成人16例を対象にCYP3A阻害剤であるポサコナゾール(国内未承認)の併用がアレクチニブ300mg単回経口投与時の薬物動態に与える影響を検討した結果を表に示す。
(CYP3A阻害剤の非併用時に対する併用時のアレクチニブ薬物動態パラメータの幾何平均値の比及びその信頼区間参照)
(2) CYP3A誘導剤との臨床薬物相互作用試験
<外国人における成績>
健康成人24例を対象にCYP3A誘導剤であるリファンピシンの併用がアレクチニブ600mg単回投与時の薬物動態に与える影響を検討した結果を表に示す。
(CYP3A誘導剤の非併用時に対する併用時のアレクチニブ薬物動態パラメータの幾何平均値の比及びその信頼区間参照)
(3) CYP3A基質との臨床薬物相互作用試験
<外国人における成績>
ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌患者10例を対象に、アレクチニブ600mgを1日2回反復投与時にCYP3Aの基質であるミダゾラム2mgを単回併用投与したときのミダゾラムの薬物動態に与える影響を検討した。その結果、ミダゾラム単独投与時に対する本剤併用投与時におけるミダゾラム(未変化体)のCmax及びAUC0-∞の幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)[90%CI]は、それぞれ0.919 [0.648, 1.31]及び0.971 [0.717, 1.32]であった。
(4) プロトンポンプ阻害剤との臨床薬物相互作用試験
<外国人における成績>
健康成人24例を対象にプロトンポンプ阻害剤であるエソメプラゾールの併用がアレクチニブ600mg単回経口投与時の薬物動態に与える影響を検討した。その結果、本剤単独投与時に対するエソメプラゾール併用投与時における本剤(未変化体)のCmax及びAUC0-∞の幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)[90%CI]は、それぞれ1.16 [1.03, 1.32]及び1.22 [1.09, 1.36]であった。
※承認された用法・用量は1回300mgを1日2回経口投与である。
注4)モル濃度換算した薬物動態パラメータを用いて算出した。
300mg1日2回反復経口投与時(空腹時)の血漿中アレクチニブの薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)
N Tmax
(h) Cmax
(ng/mL) AUClast