上昇) が報告されているので,定期的な検査等を行うこと.
4.
本剤の使用例で著しいトリグリセリド上昇を伴う膵炎が報告されている.血清リパーゼ,アミラーゼ,トリグリセリド等の定期的な検査を行うこと.
5.
本剤は肝臓で代謝されるため,特に肝機能障害のある患者では本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので定期的に肝機能検査値や薬物血中濃度測定等を行い,慎重に投与すること.また肝機能障害のない患者においても使用期間の長短を問わず定期的な肝機能検査値等の測定を行い,観察を十分に行うこと.
6.
抗HIV薬の使用により,体脂肪の再分布/蓄積があらわれることがあるので,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと.
7.
HIVプロテアーゼ阻害薬にて治療中の血友病の患者において突発性の出血性関節症をはじめとする出血事象の増加が報告されている.
8.
本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で,免疫再構築症候群が報告されている.投与開始後,免疫機能が回復し,症候性のみならず無症候性日和見感染 (マイコバクテリウムアビウムコンプレックス,サイトメガロウイルス,ニューモシスチス等によるもの) 等に対する炎症反応が発現することがある.また,免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症,多発性筋炎,ギラン・バレー症候群,ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので,これらの症状を評価し,必要時には適切な治療を考慮すること.
相互作用
本剤は肝チトクロームP450 (CYP) のアイソザイムであるCYP3Aとの親和性が強い (in vitro ).主にCYP3Aで代謝される薬剤を本剤と併用することにより,併用薬剤の代謝を競合的に阻害し,併用薬剤の血中濃度を上昇させることがある.一方でCYP3Aを誘導する薬剤を本剤と併用すると,本剤の血中濃度が低下することがある.また,CYP3Aを阻害する薬剤との併用で本剤の血中濃度が上昇することがある.
他の薬剤との相互作用は,可能なすべての組み合わせについて検討されているわけではないので,併用に際しては用量に留意して慎重に投与すること (「薬物動態」の項参照).
併用禁忌
(併用しないこと)
薬剤名等
ピモジド[オーラップ]
臨床症状・措置方法
不整脈のような重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象を起こすおそれがある.
機序・危険因子
本剤のチトクロームP450に対する競合的阻害作用により,併用した場合これらの薬剤の血中濃度が大幅に上昇することが予測される.
薬剤名等
エルゴタミン酒石酸塩[クリアミン]
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩[ジヒデルゴット等]
エルゴメトリンマレイン酸塩[エルゴメトリン]
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩[メテルギン等]
臨床症状・措置方法
血管攣縮などの重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象を起こすおそれがある.
機序・危険因子
本剤のチトクロームP450に対する競合的阻害作用により,併用した場合これらの薬剤の血中濃度が大幅に上昇することが予測される.
薬剤名等
*ミダゾラム[ドルミカム等]
トリアゾラム[ハルシオン等]
臨床症状・措置方法
過度の鎮静や呼吸抑制を起こすおそれがある.
機序・危険因子
本剤のチトクロームP450に対する競合的阻害作用により,併用した場合これらの薬剤の血中濃度が大幅に上昇することが予測される.
薬剤名等
バルデナフィル塩酸塩水和物[レビトラ]
シルデナフィルクエン酸塩[レバチオ]
タダラフィル[アドシルカ]
臨床症状・措置方法
低血圧などの重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象を起こすおそれがある.
機序・危険因子
本剤のチトクロームP450に対する競合的阻害作用により,併用した場合これらの薬剤の血中濃度が大幅に上昇することが予測される.
薬剤名等
ブロナンセリン[ロナセン]
アゼルニジピン[カルブロック等]
リバーロキサバン[イグザレルト]
臨床症状・措置方法
これら薬剤の血中濃度上昇により,重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象を起こすおそれがある.
機序・危険因子
本剤のチトクロームP450に対する競合的阻害作用により,併用した場合これらの薬剤の血中濃度が大幅に上昇することが予測される.
薬剤名等
*リオシグアト[アデムパス]
臨床症状・措置方法
ケトコナゾールとの併用によりリオシグアトの血中濃度が上昇し,クリアランスが低下したとの報告がある.
機序・危険因子
本剤のチトクロームP450阻害作用及びリトナビルのトランスポーター(P-gp, BCRP)阻害作用により同様の相互作用を発現するおそれがある.
薬剤名等
ボリコナゾール[ブイフェンド]
臨床症状・措置方法
リトナビルとの併用でボリコナゾールの血中濃度が低下したとの報告がある.
機序・危険因子
リトナビルのチトクロームP450の誘導作用によるものと考えられている.
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
*シルデナフィルクエン酸塩[バイアグラ]
タダラフィル[シアリス,ザルティア]
臨床症状・措置方法
これら薬剤の血中濃度が上昇し,低血圧,失神,視覚障害や勃起持続等のこれら薬剤の副作用が発現するおそれがある.
機序・危険因子
本剤がCYP3Aによるこれら薬剤の代謝を競合的に阻害するため.
薬剤名等
シンバスタチン
アトルバスタチンカルシウム水和物
臨床症状・措置方法
これら薬剤の血中濃度が上昇し,これら薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある.特にシンバスタチンとの併用はなるべく避けること.
機序・危険因子
本剤がCYP3Aによるこれら薬剤の代謝を競合的に阻害するため.
薬剤名等
イトラコナゾール
ケトコナゾール※
臨床症状・措置方法
これら薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある.高用量 (200mg/日をこえる) 投与は避けること.
機序・危険因子
本剤がCYP3Aによるこれら薬剤の代謝を競合的に阻害するため.
薬剤名等
**,*ジヒドロピリジン骨格を有するCa拮抗剤 (フェロジピン,ニフェジピン,ニカルジピン塩酸塩等)
リファブチン
サルメテロールキシナホ酸塩
ダサチニブ
ニロチニブ
ビン