期は7~10分、β相の半減期は3~4時間であった。
投与量:5mg/m2(患者4例)の場合

2.
代謝と排泄
ATL及びその他の悪性腫瘍患者15例に本剤の3~7mg/m2を静脈内投与した場合、速やかに腎より排泄され、尿中排泄量は24時間で72~85%であった。
臨床成績
本剤における臨床試験成績の概要は次のとおりである。
(1) 成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)
奏効率 33.3%(10/30)
1) 急性型
奏効率 23.5%(4/17)
2) リンパ腫型
奏効率 33.3%(1/3)
3) 慢性型
奏効率 33.3%(2/6)
4) くすぶり型
奏効率 75.0%(3/4)
(2) ヘアリーセル白血病(HCL)8)
奏効率 100%(10/10)
薬効薬理
1.
抗腫瘍作用
in vivoにおいて、P388、L1210などのマウス実験腫瘍に対する効果は認められていないが、ラットの実験腫瘍に対する効果が報告されている9)。
2.
作用機序
ペントスタチンは、アデノシンデアミナーゼを強力に阻害する。ペントスタチンを生体に投与すると、アデノシンデアミナーゼの阻害の結果としてデオキシアデノシンなどの抗腫瘍効果を有するアデノシン誘導体が出現し、これらの誘導体が抗腫瘍作用を発揮すると推察されている10)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ペントスタチン(Pentostatin)
慣用名
2’-デオキシコホルマイシン、DCF
化学名
(R)-3(2-deoxy-β-D-erythro-pento-furanosyl)-3,6,7,8-tetrahydroimidazo[4,5-d][1,3]diazepin-8-ol
分子式
C11H16N4O4
分子量
268.27
構造式

性状
ペントスタチンは、白色~淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。
水に溶けやすく、メタノール又はエタノールに溶けにくく、エーテルにほとんど溶けない。
融点
約198℃(分解)
包装
7.5mg 1バイアル(溶解液7.5mL添付)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Gryn,J.et al:Bone Marrow Transplantation,12,217(1993)
2)
Miser,J.S.et al:Am.J.Clin.Oncol.,15,490(1992)
3)
Cheson,B.D.et al:J.Clin.Oncol.,12,2216(1994)
4)
化血研 社内資料:相互作用に関する動物実験
5)
Steinmetz,J.C.et al:Am.J.Med.,86,499(1989)
6)
渕上 勝野他:基礎と臨床,25,3977(1991)
7)
Airhart,M.J.et al:TERATOLOGY,47,17(1993)
8)
下山 正徳他:Jpn.J.Clin.Oncol.,22,406(1992)
9)
Annual Report,FDA,1988
10)
Smyth,J.F.et al:Can.Chem.Pharm.,5,93(1980)
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
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