・措置方法
外国においてビダラビン注射剤との併用により、腎不全、肝不全、けいれん発作、昏睡、脳浮腫、肺浮腫、代謝性アシドーシス、急性腎不全(いずれもグレード4)を発現したとの報告がある2)。
機序・危険因子
ビダラビンの代謝酵素であるアデノシンデアミナーゼ(ADA)を本剤が阻害することによって惹起されると考えられる。
2.
薬剤名等
シクロホスファミド(エンドキサン)
イホスファミド(イホマイド)
臨床症状・措置方法
骨髄移植の患者で、シクロホスファミド投与中にぺントスタチンを単回投与したところ、錯乱、呼吸困難、低血圧、肺水腫等が認められ、心毒性により死亡したとの報告がある1)。また、動物実験(マウス)においてぺントスタチン(臨床用量の10倍相当量)とシクロホスファミド(LD50前後)又はその類縁薬であるイホスファミド(LD50前後)を同時期に単回投与したとき、それぞれを単独投与したときに比べて死亡率の増加が認められた4)。
機序・危険因子
機序は不明。
3.
薬剤名等
フルダラビンリン酸エステル(フルダラ)
臨床症状・措置方法
致命的な肺毒性が発現することがある3)。
機序・危険因子
機序は不明。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
アロプリノール
臨床症状・措置方法
外国においてアロプリノールとの併用により、皮疹の頻度が増加する傾向はみられていないが、因果関係不明の過敏性血管炎で死亡したとの報告(1例)がある5)。
機序・危険因子
機序は不明。
2. 薬剤名等
ビダラビン軟膏(アラセナーA軟膏等)
臨床症状・措置方法
外国においてビダラビン注射剤との併用により、腎不全、肝不全、けいれん発作、昏睡、脳浮腫、肺浮腫、代謝性アシドーシス、急性腎不全(いずれもグレード4)を発現したとの報告がある2)。
機序・危険因子
ビダラビンの代謝酵素であるアデノシンアミナーゼ(ADA)を本剤が阻害することによって惹起されると考えられる。
3. 薬剤名等
ネララビン
臨床症状・措置方法
本剤との併用により、ネララビンの作用が減弱するおそれがある。
なお、併用した場合の安全性は確認されていない。本剤とネララビンとの併用は避けることが望ましい。
機序・危険因子
in vitroにおいて本剤との併用によりネララビンからara-Gへの変換が阻害されることが示されている。
副作用
副作用等発現状況の概要
総症例359例(承認時56例、使用成績調査303例) における副作用及び臨床検査値異常の発現率は60.4%であり、主なものは、白血球数減少(19.5%)、食欲不振(12.8%)、発熱(12.5%)、嘔吐(11.4%)、倦怠感(8.4%)、血小板数減少(7.8%)、悪心(7.5%)、アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加(7.2%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加(6.1%)、貧血(4.2%)であった。〔再審査終了時〕
重大な副作用
1. 重篤な腎障害
腎障害の患者で溶血性尿毒症症候群(HUS:Hemolytic Uremic Syndrome)又は腎不全で死亡した症例が報告されているので、頻回に臨床検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
2. 骨髄抑制
(頻度不明)
汎血球減少、白血球減少(顆粒球減少、好中球減少、リンパ球減少)、血小板減少、貧血があらわれる又は増悪することがあるので、頻回に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与間隔の延長、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 心臓
(5%未満)
頻脈、心電図異常
2. 肝臓
(5%以上)
肝障害(AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDH、総ビリルビン上昇等)
3. 腎臓
(5%以上)
腎障害(クレアチニン上昇、クレアチニンクリアランス低下、BUN上昇、蛋白尿等)
4. 消化器
(5%以上)
食欲不振、嘔気・嘔吐
5. 消化器
(5%未満)
下痢、腹痛、口内炎
6. 皮膚
(5%未満)
紅斑そう痒、紅斑性皮疹、皮膚炎、アレルギー性皮疹
7. 血液
(5%以上)
白血球減少、血小板減少、貧血
8. 呼吸器
(5%未満)
咳嗽、PaO2減少
9. 精神神経系
(5%未満)
意識障害、頭痛
10. 抵抗機構
(5%未満)
感染症(帯状疱疹、肺炎、腹膜炎)
11. その他
(5%以上)
全身倦怠感、発熱
12. その他
(5%未満)
結膜炎、筋肉痛、背部痛、腹水、CRP上昇
その他の副作用の注意
以上のような症状があらわれた場合には、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
本剤は、主として腎臓から排泄されるため、高齢者では腎機能が低下していることが考えられ、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、減量又は投与間隔をあけるなど慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
[動物実験(マウス)で催奇形性作用、胚・胎児毒性がみられている6),7)。]
2.
授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。
[動物実験(マウス)で乳汁中への移行が認められている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
適用上の注意
1. 投与経路
静脈内注射にのみ使用すること。
2. 調製後
調製した注射液は速やかに使用し、残液は廃棄すること。
3. 投与時
(1)
本剤はpH6以下では安定性が低下するので、点滴静注の場合は、調製後2時間以内に投与すること。
(2)
本剤の尿中への排泄を促進するため、投与前後にそれぞれ500~1000mLの輸液を行うことが望ましい。
薬物動態
1.
血中濃度
成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)及びその他の悪性腫瘍患者15例に本剤の3~7mg/m2を静脈内投与した場合、二相性の減衰を示し、α相の半減