血漿中蛋白結合率は約10%であった。
薬物動態の表
パラメータ 平均±標準偏差
血漿クリアランス(CL) 85.6±17.8(L/hr/m2)
中心コンパートメントの分布容積(V1) 8.80±7.49(L/m2)
末梢コンパートメントの分布容積(V2) 6.95±2.26(L/m2)
コンパートメント間分布クリアランス(Q) 22.3±11.1(L/hr/m2)
α相の消失半減期(t1/2α) 3.1±2.0(min)
β相の消失半減期(t1/2β) 18.9±4.0(min)
最高血漿中濃度(Cmax) 21865±4165(ng/mL)
血漿中濃度時間下面積(AUC0-∞) 12100±2227(ng・hr/mL)
パラメータ 母集団平均値の推定値
<>:個体間変動、():範囲
血漿クリアランス(CL) 187L/hr<35.5%>
中心コンパートメントの分布容積(V1) 17.1L<69.4%>
末梢コンパートメントの分布容積(V2) 26.8L
コンパートメント間分布クリアランス(Q)
(男性)
(女性)
97.5L/hr
33.2L/hr
消失半減期(t1/2)
(男性)
(女性)
19.7min(15~27min)
40.9min(36~44min)
定常状態における分布容積(Vss) 46.1L(36.2~85.3L)
パラメータ 併用投与(1日目) 単独投与(8日目)
最高血漿中濃度(Cmax)※ 33500±18700(ng/mL) 30300±10200(ng/mL)
血漿中濃度時間下面積(AUC0-∞)※ 19100±9300(ng・hr/mL) 16900±4670(ng・hr/mL)
血漿クリアランス(CL) 76.4±27.3(L/hr/m2) 78.7±19.9(L/hr/m2)
定常状態における分布容積(Vss) 17.4±9.44(L/m2) 15.9±10.1(L/m2)
消失半減期(t1/2) 0.276±0.0531(hr) 0.318±0.103(hr)
平均±標準偏差
※:投与量を1250mg/m2に基準化した値
臨床成績
◇非小細胞肺癌
(1) 腫瘍縮小効果
本剤単独投与による非小細胞肺癌の化学療法初回治療例に対する後期第II相試験2試験(試験A及びB)における適格例での奏効率及び効果が認められるまでの期間は以下のとおりであった1),2)。
臨床成績の表1参照
以前に化学療法を受けたことのある非小細胞肺癌例における有効性については十分確認されておらず前期第II相試験での16例の検討においては、奏効例は認められなかった4)。
(2) 骨髄抑制発現及び回復の期間
本剤の投与後に認めた白血球減少、好中球減少、血小板減少及びヘモグロビン減少の最低値、最低値までの期間及び最低値からの回復期間を下表に示す。本データは国内で実施された臨床試験での肺癌204例でのデータであり、それぞれの副作用を認めた症例における1コース目の数値である。4コース目まで同様の解析を行ったが、いずれの副作用もコースを経るに従い増悪する傾向を認めなかった。
臨床成績の表2参照
これらの副作用で最低値に至るまでの日数は14~20日(中央値)であり、回復までの期間はいずれも7日(中央値)であった。
◇膵癌
(1) 症状緩和効果(Clinical Benefit Response)及び生存期間※
本邦における本剤単独投与による膵癌の化学療法初回治療例に対する第I相試験(レベル2の第1コースのみ週1回7週連続投与)において、疼痛、鎮痛剤の使用量及びKarnofsky Performance Status(KPS)を総合的に評価する症状緩和効果を用いて検討を行った結果、症状緩和効果における評価対象例での有効率は28.6%(2/7例)であった5)。
外国における本剤単独投与による膵癌の5-FU無効例に対する第II相試験及び化学療法初回治療例に対する第III相試験において(いずれも第1コースのみ週1回最長7週連続投与)、評価対象例での症状緩和効果における有効率及び生存期間は下表のとおりであった9),10)。
臨床成績の表3参照
(2) 外来への移行※
本邦での第I相試験(レベル2の第1コースのみ週1回7週連続投与)において、第1コースの投与で忍容性に問題の認められない患者においては、第2コース以降は外来での投与も可としていたが、第1コースのみで試験を中止又は終了した4例を除く7例全例で入院から外来へ移行することができた。
※:本剤の承認用法・用量は、ゲムシタビンとして1回1000mg/m2週1回投与を3週連続し、4週目は休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。
◇胆道癌
腫瘍縮小効果及び生存期間
本剤単独投与による局所進行又は遠隔転移がある胆道癌の化学療法初回治療例に対する第II相試験において、適格例での奏効率及び生存期間は以下のとおりであった6)。
臨床成績の表4参照
◇尿路上皮癌
腫瘍縮小効果及び生存期間
外国で実施された局所進行又は遠隔転移を有する尿路上皮癌の化学療法初回治療例(Stage IV)に対して、本剤とシスプラチンとの併用投与(GC療法;4週間を1コースとして、本剤1000mg/m2を1日目、8日目及び15日目に、シスプラチン70mg/m2を2日目に投与)をM-VAC療法(メトトレキサート、ビンブラスチン硫酸塩、ドキソルビシン塩酸塩及びシスプラチン併用療法)と比較した第III相試験において、GC群203例、M-VAC群202例が割り付けられ、得られた結果は以下のとおりであっ