糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法、経口血糖降下剤、インスリン等の治療を行った上での適用を考慮すること。
(2)
外用の糖尿病性潰瘍治療剤では十分な効果が期待されない患者に対して適用を考慮すること。
(3)
投与中は経過を十分に観察し、4週間連日投与して効果が認められない場合には、他の適切な治療に切り替えること。
3.
動脈管依存性先天性心疾患の新生児に適用する場合には、次の事項を考慮すること。
(1)
重篤な疾患を有する新生児への投与なので、観察を十分に行い慎重に投与すること。なお、副作用が発現した場合は、投与中止、注入速度の減速など適切な処置を講ずること。
(2)
過量投与により副作用発現率が高まるおそれがあるため、有効最小量で維持すること。
(3)
長期投与により長管骨膜に肥厚がみられるとの報告があるので観察を十分に行い、必要以上の長期投与は避けること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
抗凝血剤
ワルファリンカリウム等
血小板機能を抑制する薬剤
アスピリン、チクロピジン塩酸塩、シロスタゾール等
血栓溶解剤
ウロキナーゼ等
臨床症状・措置方法
出血傾向の増強を来すおそれがある。
機序・危険因子
本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これらの薬剤との併用によりその作用を増強するおそれがある。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用(頻度不明)
1. ショック、アナフィラキシー様症状
ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、蕁麻疹、喉頭浮腫、呼吸困難、チアノーゼ、血圧低下等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 意識消失
血圧低下に伴い一過性の意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. 心不全、肺水腫
心不全(増強を含む)、肺水腫、胸水があらわれることがあるので、動悸、胸苦しさ、呼吸困難、浮腫等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(「重要な基本的注意」の項参照)。
4. 間質性肺炎
間質性肺炎(増悪を含む)があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
5. 心筋梗塞
心筋梗塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、胸痛、胸部圧迫感、心電図異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6. 脳出血、消化管出血
脳出血、消化管出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。
7. 無顆粒球症、白血球減少、血小板減少
無顆粒球症、白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8. 肝機能障害、黄疸
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTP等の上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
9. 無呼吸発作
新生児に投与した場合、無呼吸発作があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。なお、発現した場合は、減量、注入速度の減速、投与中止など適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1)下記のような症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発現した場合には、減量、投与中止など適切な処置を行うこと。
1. 消化器
頻度不明
嘔気、腹痛、嘔吐、下痢、腹部膨満感・不快感、食欲不振、便秘、口腔腫脹感、口内炎(アフタを含む)
2. 循環器
頻度不明
血圧降下注)、血管炎、顔面潮紅、胸部絞扼感注)、発赤、胸痛注)、動悸、頻脈、血圧上昇注)
3. 呼吸器
頻度不明
咳嗽、呼吸困難、喘息注)
4. 血液
頻度不明
好酸球増多
5. 中枢神経系
頻度不明
発熱、頭痛、めまい、けん怠感、しびれ(感)、悪寒、振戦、痙攣
6. 皮膚
頻度不明
発疹、そう痒感、蕁麻疹、発汗
7. 腎臓
頻度不明
腎不全の増悪注)
8. 注射部位
頻度不明
血管痛、発赤、こわばり、そう痒感
9. 出血傾向注)
頻度不明
出血(鼻出血、眼底出血、結膜出血、皮下出血、血尿等)
10. その他
頻度不明
熱感、四肢疼痛(増強を含む)、気分不良、浮腫、視力低下、脱毛、低ナトリウム血症、四肢腫脹
注)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
2)新生児への投与にあたっては、1)に記載した副作用のほか、低クロール血症、低カルシウム血症、高脂血症があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験(ラット、in vitro)で子宮収縮作用が報告されており、また、ヒトにおける妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]
小児等への投与
動脈管依存性先天性心疾患以外の小児に対する安全性は確立していない。
適用上の注意
1. 投与時:
本剤投与により副作用があらわれた場合には、投与の中止、投与速度の変更など適切な処置を講ずること。
2. 調製時:
(1)
凍結したものは使用しないこと。
(2)
本剤を輸液に混和し使用する場合は混和後24時間以内に使用し残液は廃棄すること。
3. その他:
(1)
ポリ塩化ビニル製の輸液セット等を使用した場合、可塑剤であるDEHP[di-(2-ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)]が製剤中に溶出することが報告されている。
特に動脈管依存性先天性心疾患の新生児への投与に際しては、持続静注によりDEHPの総溶出量が増加するので、ポリ塩化ビニル製の輸液セット等の使用を避けることが望ましい。
(2)
本剤は脂肪乳剤を含有しているため、ポリカーボネート製の延長チューブ等を使用した場合、そのコネクター部分にひび割れが発生し、血液及び薬