M)>
薬剤名等
CYP2D6阻害作用を有する薬剤
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の作用が増強されるおそれがある。
機序・危険因子
これらの薬剤がCYP2D6を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
薬剤名等
CYP3A阻害作用を有する薬剤
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の作用が増強されるおそれがある。
機序・危険因子
これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
<CYP2D6の活性が低い患者(IM)>
薬剤名等
CYP2D6阻害作用を有する薬剤
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の作用が増強されるおそれがある。
機序・危険因子
これらの薬剤がCYP2D6を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
副作用
国内外で実施されたゴーシェ病I型患者を対象とした第II相及び第III相臨床試験において、日本人10例を含む393例に本剤が投与された。393例中、副作用が報告された症例は、159例(40.5%)であった。主な副作用は、頭痛21例(5.3%)、浮動性めまい18例(4.6%)、下痢17例(4.3%)、消化不良16例(4.1%)であった。日本人10例中、副作用が報告された症例は2例、5件であった。報告された副作用は悪心、嘔吐、失神、嗅神経障害、皮膚炎が各1件であった。(申請時)
重大な副作用
1. 失神
(1%未満注))
失神がみられることがあるので、観察を十分に行い、異常がみられた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注)国内外臨床試験成績より算出した。
その他の副作用
消化器
1~5%
下痢、消化不良、便秘、悪心、上腹部痛、腹痛、胃食道逆流性疾患、腹部膨満、鼓腸
精神神経系
5%以上
頭痛
精神神経系
1~5%
浮動性めまい
全身障害
1~5%
疲労
筋骨格系
1~5%
関節痛
高齢者への投与
一般的に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、慎重に投与すること。高齢者に対する安全性は確立していない。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験(ラット)において、胎児の骨格異常及び脳室拡張が認められている]
2.
授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁移行が認められている]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない]
過量投与
1. 徴候、症状
外国人健康成人を対象とした第I相単回投与用量漸増試験において、推奨用量の約21倍を服用した被験者で、本剤の最高血漿中濃度が通常の治療条件より59倍に上昇した時点で、平衡異常を伴うめまい、低血圧、徐脈、悪心及び嘔吐が報告されている。
2. 処置
過量投与となった場合には、患者を注意深く観察し、対症療法を実施すること。
適用上の注意
以下の点について指導すること。
本剤はPTPシートから取り出して服用すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている]
その他の注意
1.
動物実験において、ラット雄性生殖能への影響がみられている。
薬物動態
1. 血漿中濃度
(1) *単回投与1)
日本人ゴーシェ病I型患者にエリグルスタット酒石酸塩50mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。T1/2z(平均値±標準偏差)はCYP2D6の活性が低い患者(IM)及び通常の患者(EM)で、それぞれ7.62±0.299及び8.18±3.91時間であった。
(2) 反復投与1)
日本人ゴーシェ病I型患者にエリグルスタット酒石酸塩50、100又は150mgを1日2回反復経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
(3) 食事の影響(外国人データ)2)
外国人健康成人(24例)にエリグルスタット酒石酸塩300mgを絶食下又は高脂肪食摂取後に単回経口投与したとき、絶食下に対する高脂肪食摂取後の血漿中未変化体濃度のCmax及びAUC0-lastの幾何平均値の比(食後/絶食下)とその90%信頼区間は、0.85[0.68, 1.07]及び1.05[0.89, 1.23]であった。絶食下及び高脂肪食摂取後におけるTmax(中央値(最小値, 最大値))は2.00(0.95, 4.00)及び3.00(1.00, 6.00)時間であった。
注:本剤の承認用法・用量は1回100mgを1日2回である。
(4) *CYP2D6の遺伝子型別の薬物動態
ゴーシェ病I型患者における薬物動態について母集団薬物動態解析を用いて検討した結果、エリグルスタット酒石酸塩100mgを1日2回反復投与したとき、CYP2D6の活性が欠損している患者(PM)におけるCmax及びAUC0-12hは活性が通常の患者(EM)と比較してそれぞれ9.3及び11.2倍高く、活性が低い患者(IM)ではEMと比較してそれぞれ2.7及び2.8倍高くなると推定された。活性が過剰な患者(URM)ではいずれもEMの約47%程度と推定された。また、生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションから、PMにエリグルスタット酒石酸塩100mgを1日1回反復投与したときのAUC0-24hはIMにエリグルスタット酒石酸塩100mgを1日2回反復投与したときのAUC0-24hと同程度と推定された。
注)CYP2D6遺伝子型
URM:CYP2D6*1/*1X2、CYP2D6*1/*2X2
EM:CYP2D6*1/*1、CYP2D6*1/*10、CYP2D6*1/*10X2、CYP2D6*1/*2、CYP2D6*1/*21、CYP2D6*1/*4、CYP2D6*1/*5、CYP2D6*2X2/*5、CYP2D6*2/*10、CYP2D6*2/*5
IM:CYP2D6*10/*10、CYP2D6*10/*10X2、CYP2D6*5/*10
PM:CYP2D6*5/*14
2. 吸収(外国人データ)3)
外国人健康成人(10例)にエリグルスタット酒石酸塩100mgを単回経口投与又は50mgを1時間かけて単回静脈内投与したとき、AUC0-∞か