に投与すること)
1.
消化管など腹腔内の炎症を合併している患者[消化管穿孔があらわれるおそれがある(「重大な副作用」の項参照)。]
2.
大きな手術の術創が治癒していない患者[創傷治癒遅延による合併症があらわれるおそれがある(「重大な副作用」の項参照)。]
3.
脳転移を有する患者[脳出血があらわれるおそれがある。]
4.
先天性出血素因、凝固系異常のある患者[出血があらわれるおそれがある。]
5.
抗凝固剤を投与している患者[出血があらわれるおそれがある。]
6.
血栓塞栓症の既往のある患者[心筋梗塞、脳梗塞、深部静脈血栓症、肺塞栓症などがあらわれるおそれがある。]
7.
高血圧症の患者[高血圧が悪化するおそれがある。]
8.
うっ血性心不全又は冠動脈疾患などの重篤な心疾患のある患者[うっ血性心不全が悪化又はあらわれるおそれがある(「重大な副作用」の項参照)。]
9.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
10.
妊婦又は妊娠している可能性のある患者(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」、「その他の注意」の項参照)
重要な基本的注意
1.
ショック、アナフィラキシー、infusion reactionがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、過敏症状が認められた場合は、本剤の投与を中止し、薬物治療(アドレナリン、副腎皮質ステロイド剤、抗ヒスタミン剤等)等の適切な処置をすること。
2.
創傷治癒遅延による合併症があらわれることがある。臨床試験において大きな手術後28日間経過していない患者に本剤を投与した経験はない。本剤の投与終了後に手術を行う場合は、本剤の投与終了からその後の手術まで十分な期間をおくこと。本剤の最終投与から手術までの適切な間隔は明らかになっていないが、投与開始時期については、本剤の半減期を考慮すること(「重大な副作用」、【薬物動態】の項参照)。
3.
高血圧があらわれることがあるので、投与期間中は血圧を定期的に測定し、適切な処置を行うこと。なお、高血圧の発現率は本剤の用量に相関して上昇する傾向が示唆されている(「重大な副作用」の項参照)。
4.
蛋白尿があらわれることがあるので、投与期間中は尿蛋白を定期的に検査することが望ましい。なお、高血圧症の患者に本剤を投与すると、蛋白尿の発現率が上昇することがある。また、蛋白尿の発現率は本剤の用量に相関して上昇する傾向が示唆されている(「重大な副作用」の項参照)。
5.
脳転移を有する患者で脳出血を認めた例が報告され、また、初発膠芽腫患者を対象とした国際共同臨床試験において、本剤の投与により脳出血の発現率が高くなる傾向が認められている。脳腫瘍(脳転移を含む)を有する患者に本剤を投与する場合は、観察を十分に行い、脳出血が疑われるような症状が認められた場合は、本剤の投与中止を含めて適切な対応を行うこと。また、脳転移を疑う症状がなく、本剤を含むがん化学療法が開始された患者においても、慎重に患者を観察し、神経学的異常が疑われた場合には脳転移及び脳出血の可能性を考慮して、本剤の投与中止を含めて適切な対応を行うこと。
副作用
副作用等発現状況の概要
**治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌に対する国内臨床試験の安全性評価対象例140例及び製造販売後の特定使用成績調査の安全性評価対象例2,696例、未治療の扁平上皮癌を除く進行・再発の非小細胞肺癌に対する国内臨床試験の安全性評価対象例125例、手術不能又は再発乳癌に対する国内臨床試験の安全性評価対象例120例、初発の膠芽腫に対する国際共同臨床試験の安全性評価対象例(国内症例)19例、再発悪性神経膠腫に対する国内臨床試験の安全性評価対象例31例、卵巣癌に対する国際共同臨床試験の安全性評価対象例(国内症例)24例、進行又は再発の子宮頸癌に対する国内臨床試験の安全性評価対象例7例の計3,140例注4)中2,112例(67.3%)に副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少777例(24.7%)、白血球減少769例(24.5%)、出血609例(19.4%)、高血圧564例(18.0%)、神経毒性500例(15.9%)、疲労・倦怠感487例(15.5%)、食欲減退465例(14.8%)、悪心447例(14.2%)、口内炎369例(11.8%)、脱毛症341例(10.9%)、血小板減少328例(10.4%)、尿蛋白陽性328例(10.4%)、感染症314例(10.0%)等であった(進行又は再発の子宮頸癌効能追加時)。
重大な副作用
1. **ショック、アナフィラキシー(1.8%)
ショック、アナフィラキシー ・infusion reaction(蕁麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、咽頭浮腫等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合は、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 消化管穿孔(0.9%)
消化管穿孔があらわれることがあり、死亡に至る例が報告されている。消化管穿孔と診断された場合は、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。重篤な消化管穿孔が再発するおそれがあるので、本剤を再投与しないこと。
3. **瘻孔(0.3%)
消化管瘻(腸管皮膚瘻、腸管瘻、気管食道瘻等)又は消化管以外の瘻孔(気管支胸膜瘻、泌尿生殖器瘻、胆管瘻等)があらわれることがあり、死亡に至る例が報告されている。瘻孔が認められた場合は本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、気管食道瘻又は重度の瘻孔があらわれた患者では、本剤を再投与しないこと。子宮頸癌を対象とした海外臨床試験では、消化管腟瘻(直腸腟瘻等)(8.3%)、消化管瘻(直腸瘻)(0.5%)、消化管以外の瘻(膀胱腟瘻等)(1.8%)が認められており、また発現例の多くは、骨盤部への放射線治療歴のある患者であったことが報告されている。
4. 創傷治癒遅延
創傷治癒に影響を及ぼす可能性が考えられ、創傷治癒遅延による創し開(0.5%)及び術後出血(0.4%)等の合併症があらわれることがある。創傷治癒遅延による合併症があらわれた場合は、創傷が治癒するまで本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5. **出血(19.4%)
腫瘍関連出血を含む、消化管出血(吐血、下血)(2.0%)、肺出血(血痰・喀血)(1.2%)、脳出血(0.1%)等があらわれることがある。また、鼻出血(15.3%)、歯肉出血(1.4%)、腟出血(0.1%未満)等の粘膜出血があらわれることがある。重度の出血においては死亡に至る例が報告されているため、肺出血(喀血)又は重度の出血があらわれた場合は、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、このような出血があらわれた患者では、重度の出血が再発するおそれがあるので、本剤を再投与しないこと。