おいて、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99~234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある。本剤は添加物としてベンジルアルコールを含有している。]
適用上の注意
本剤は用法・用量にしたがって、点滴静脈内投与又は筋肉内投与のみに使用すること。本剤の使用に際しては、以下の点に注意すること。
(1) 静脈内投与時
急速静注は行わないこと。[「重要な基本的注意」2の項参照]
(2) 筋肉内投与時
1)
**筋肉内投与はやむを得ない場合にのみ必要最小限に行うこと。同一部位への反復注射は行わないこと。特に低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児には注意すること。
2)
神経走行部位を避けること。
3)
注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
(3) アンプルカット時
アンプルのカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。
薬物動態
1. 血中濃度2,3)
健康成人に点滴静注あるいは筋注して得られた血中濃度は図1、2のとおりである。
2. 分布4~10)
喀痰、唾液、肺、胸水、口蓋へん桃、上顎洞粘膜、中耳粘膜、乳汁中等へ高い移行を示す。
3. 代謝5)
本剤は生体内で速やかに加水分解され、クリンダマイシンとなる。更にクリンダマイシンは肝で代謝され、N-デメチルクリンダマイシンとクリンダマイシンスルホキシドの2つの抗菌活性のある代謝産物を生じる。
4. 排泄4,5)
健康成人に600mg(力価)を筋注及び呼吸器疾患患者に600mg(力価)を点滴静注した時の6時間までの尿中排泄率はそれぞれ9.2%、9.3%である。
臨床成績
急性肺炎を対象とした比較試験、及び514例の一般臨床試験の成績概要は次のとおりである。11~13)
(1) 敗血症
バクテロイデス属等による敗血症に対する総有効率は66.7%(4/6例)であった。
(2) 呼吸器感染症
ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、マイコプラズマ属等による呼吸器感染症(肺炎、気管支炎)に対する総有効率は84.4%(141/167例)であった。
(3) 耳鼻咽喉科感染症
ブドウ球菌属、レンサ球菌属、ペプトコッカス属、ペプトストレプトコッカス属等による耳鼻咽喉科感染症(咽頭炎、へん桃炎、中耳炎、副鼻腔炎)に対する総有効率は80.5%(190/236例)であった。
薬効薬理
1. 抗菌作用14~17)
(1)
クリンダマイシンリン酸エステルは生体内で加水分解され、クリンダマイシンとして抗菌力を示す。
(2)
ブドウ球菌属、レンサ球菌属(腸球菌を除く)、肺炎球菌等の好気性グラム陽性球菌、ペプトコッカス属、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属等の嫌気性菌及びマイコプラズマ属に対し抗菌作用を示す。
2. 作用機序
細菌のリボゾーム50S Subunitに作用し、ペプチド転移酵素反応を阻止し蛋白合成を阻害する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
クリンダマイシンリン酸エステル(Clindamycin Phosphate)
化学名
Methyl 7-chloro-6,7,8-trideoxy-6-[(2S,4R)-1-methyl-4-propylpyrrolidine-2-carboxamido]-1-thio-L-threo-α-D-galacto-octopyranoside 2-dihydrogenphosphate
分子式
C18H34ClN2O8PS
分子量
504.96
構造式
性状
白色~微黄白色の結晶性の粉末である。
水に溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)にほとんど溶けない。
包装
ダラシンS注射液300mg:10アンプル
ダラシンS注射液600mg:10アンプル
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤性過敏症症候群
2)
沢江 義郎ほか:Jpn J Antibiot 30(1):42,1977 [L20030528017]
3)
斎藤 玲ほか:Jpn J Antibiot 30(3):228,1977 [L20030528015]
4)
副島 林造ほか:Jpn J Antibiot 30(2):161,1977 [L20030528019]
5)
中山 一誠ほか:Jpn J Antibiot 30(4):266,1977 [L20030528053]
6)
今岡 誠ほか:Jpn J Antibiot 30(1):51,1977 [L20030528046]
7)
岩沢 武彦:Jpn J Antibiot 30(1):82,1977 [L20030528066]
8)
高瀬 善次郎ほか:Jpn J Antibiot 30(5):338,1977 [L20030528037]
9)
池田 高明ほか:Jpn J Antibiot 38(12):3477,1985 [L20030610006]
10)
横井 久ほか:耳鼻咽喉科臨床 78(12):2891,1985 [L20030610009]
11)
社内資料:臨床試験成績 [L20041104245]
12)
河村 正三ほか:耳鼻咽喉科臨床 83(8):1299,1990 [L20030529113]
13)
原 耕平ほか:Chemotherapy(Tokyo) 39(1):39,1991 [L20030529122]
14)
小野 尚子ほか:Jpn J Antibiot 30(1):1,1977 [L20030527288]
15)
二宮 敬宇ほか:Jpn J Antibiot 26(2):157,1973 [L20030528003]
16)
社内資料:Mycoplasma Pneumoniaに対する抗菌活性 [L20041108078]
17)
出口 浩一:Jpn J Antibiot 34(3):419,1981 [L20030528005]
文献請求先
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