確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
(1)
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
(2)
投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
(3)
投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
相互作用
併用禁忌
(併用しないこと)
1.
薬剤名等
エリスロマイシン
(エリスロシン等)
臨床症状・措置方法
併用しても本剤の効果があらわれないと考えられる。
機序・危険因子
細菌のリボゾーム50S Subunitへの親和性が本剤より高い。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
末梢性筋弛緩剤
塩化スキサメトニウム
塩化ツボクラリン等
臨床症状・措置方法
筋弛緩作用が増強される。
機序・危険因子
本剤は神経筋遮断作用を有する。
副作用
副作用等発現状況の概要
調査症例数16,557例中、副作用発現症例は420例(2.54%)であり、副作用発現件数は延べ521件であった。その主なものは、発疹135件(0.82%)、下痢63件(0.38%)、ALT(GPT)の上昇43件(0.26%)、AST(GOT)の上昇34件(0.21%)等であった。(承認時までの調査及び市販後の使用成績調査の集計)
重大な副作用
1. ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)
ショックを起こすことがある。また、呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等のアナフィラキシーを伴うことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、血圧の維持、体液の補充管理、気道の確保等の適切な処置を行うこと。
2. 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明)
偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、輸液、バンコマイシンの経口投与等の適切な処置を行うこと。[「重要な基本的注意」1の項参照]
3. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)、剥脱性皮膚炎(頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症、剥脱性皮膚炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4. 薬剤性過敏症症候群1)(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
5. 間質性肺炎(頻度不明)、PIE症候群(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
6. 心停止(頻度不明)
急速な静注により心停止があらわれたとの報告がある。[「重要な基本的注意」2の項参照]
7. 汎血球減少(頻度不明)、無顆粒球症(頻度不明)、血小板減少(0.01%)
汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少があらわれることがあるので、血液検査等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
8. 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明)
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
9. 急性腎不全(頻度不明)
急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 消化器(0.1~5%未満)
下痢、悪心・嘔吐
2. 消化器(0.1%未満)
食欲不振、腹痛
3. 消化器(頻度不明)
舌炎
4. 過敏症注1)(0.1~5%未満)
発疹、そう痒
5. 過敏症注1)(0.1%未満)
紅斑、浮腫
6. 血液注2)(0.1~5%未満)
好酸球増多
7. 血液注2)(0.1%未満)
白血球減少、顆粒球減少
8. 腎臓注3)(0.1%未満)
BUNの上昇
9. 腎臓注3)(頻度不明)
クレアチニンの上昇、窒素血症、乏尿、蛋白尿
10. 神経系(0.1%未満)
耳鳴、めまい
11. 菌交代症注4)(0.1%未満)
口内炎
12. 菌交代症注4)(頻度不明)
カンジダ症
13. 注射部位(0.1~5%未満)
筋肉内投与による疼痛・硬結
14. 注射部位(頻度不明)
静脈内投与による血栓性静脈炎、筋肉内投与による壊死・無菌膿瘍
15. その他(0.1~5%未満)
苦味
16. その他(0.1%未満)
顔面のほてり、発熱、頭痛、倦怠感
17. その他(頻度不明)
膣炎、小水疱性皮膚炎、多発性関節炎
注1:このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
注2:血液検査等の観察を十分に行うこと。
注3:定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。
注4:異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1. 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2. 授乳婦
授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行する。]
小児等への投与
1.
**低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していないので、特に必要とする場合には慎重に投与すること。
2.
**低出生体重児、新生児に使用する場合には十分注意すること。[外国に