0.1%未満
のぼせ感
17. その他
頻度不明注1)
唾液・痰・口腔内粘膜・汗・尿・便等の変色 (黒色等)
上記の副作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合には必要に応じ投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注1) 自発報告又は海外において認められている副作用のため頻度不明。
注2) 投与中は定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しており、不安、不眠、幻覚、血圧低下等の副作用があらわれるおそれがあるので注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[動物実験(ウサギ)で催奇形性が報告されている。]
2.
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[乳汁分泌が抑制されるおそれがあり、また動物実験(ラット)でレボドパの乳汁移行が報告されている。]
臨床検査結果に及ぼす影響
ニトロプルシドナトリウムの検尿テープによる尿検査では、ケトン体反応が偽陽性になる場合がある。
過量投与
本剤の過量投与により、異常な不随意運動、混乱、不眠、まれに悪心、嘔吐、不整脈等があらわれるおそれがある。このような場合には、呼吸器や心機能を観察しながら胃洗浄等の適切な処置を行うこと。
適用上の注意
薬剤交付時:
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
その他の注意
1.
動物実験(幼若ラット)において、ベンセラジド塩酸塩による骨端軟骨板の内軟骨性骨化の異常(閉鎖不全)が報告されている。
2.
抗パーキンソン剤はフェノチアジン系薬剤、レセルピン誘導体等による口周部等の不随意運動(遅発性ジスキネジア)を通常軽減しない。場合によってはこのような症状を増悪顕性化させることがある。
3.
悪性黒色腫が発現したとの報告がある。
4.
高蛋白食によりレボドパの吸収が低下するとの報告がある。
薬物動態
パーキンソン病患者を対象にレボドパ・ベンセラジド塩酸塩配合剤とレボドパ単独をそれぞれ経口投与し、両剤の血中濃度、代謝及び尿中排泄を比較した結果、配合剤では同量のレボドパ単独投与と比べて約10倍の血中濃度を示すことが明らかとなった2)。
(1) 血中濃度
配合剤(レボドパ200mg相当)を単回経口投与した場合、血中レボドパ濃度は投与2時間後に最高濃度(約1.0μg/mL)に達し、投与後1~3時間はほぼ同程度の高濃度を示した。
(2) 分布
参考(動物実験)
1) レボドパ3)
ラットに14C-レボドパ50mg/kg、ベンセラジド塩酸塩12.5mg/kgを単回経口投与し、レボドパの各組織内濃度をみると、投与30分後では膵臓、甲状腺及び副腎で高く、その他の組織では、血中濃度とほぼ同程度あるいはそれ以下であった。また、オートラジオグラフィーにより投与2時間後の脳内分布をみると、投与されたレボドパに由来するドパミンは線条体に局在することが認められた。
2) ベンセラジド塩酸塩4)
ラットにレボドパ50mg/kg、14C-ベンセラジド塩酸塩12.5mg/kgを単回経口投与した時の血中ベンセラジド濃度は、投与約30分後に最高に達した。また、各組織のベンセラジド濃度は消化管、肝臓、腎臓等で高いが、オートラジオグラフィーの結果から脳内への移行はほとんど認められなかった。主な尿中代謝物は2,3,4-Trihydroxy benzylhydrazineのアセチル化体(40%)、同メチル化体(15%)、2,3,4-Trihydroxy benzoic acid(3%)、同グルクロン酸抱合体(13%)、同メチル化体(2%)及び同脱カルボキシル化体(1%)であった。
(3) 代謝
体内に吸収されたレボドパは、酵素によりドパミン、3,4-dihydroxy phenyl acetic acid(DOPAC)、ホモバニリン酸(HVA)等に代謝されるが、投与3時間後の血中代謝物を単独投与と比較すると、配合剤ではベンセラジド塩酸塩の作用により未変化体の占める割合が極めて高かった。
(4) 排泄
配合剤におけるレボドパの尿中排泄は投与3時間後で約16%であり、レボドパ単独投与と同程度であった。
臨床成績
国内20施設で実施されたパーキンソン病・パーキンソン症候群患者239例を対象とした臨床試験において、改善率は著明改善及び中等度改善では79.1%(189例)であり、軽度改善を含めると94.6%(226例)であった。
また国内22施設で94例のパーキンソン病患者を対象に実施したレボドパ・ベンセラジド塩酸塩配合剤とレボドパ単独投与との二重盲検比較試験1)の結果、全般改善度、安全度、有用度及び主要症状である筋硬直、振戦の改善度の一部において配合剤の方が統計学的に有意に優れていることが認められている。
薬効薬理
ネオドパゾール配合錠はレボドパと芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素阻害薬ベンセラジドを4:1の比率で配合したパーキンソニズム治療剤である。パーキンソン病・パーキンソン症候群患者において、脳内線条体で不足しているドパミンを補う効果があり、ラットにおける実験により次の作用が認められている。
レボドパはドパミンの前駆物質であり、血液-脳関門を通過し、脳内で脱炭酸酵素の働きによりドパミンに転換されパーキンソン病・パーキンソン症候群の症状を改善する。しかし、単独投与の場合、レボドパは末梢組織において脱炭酸酵素により急速にドパミンに転換される。そのため体内に吸収されたレボドパ量に比べ、血液-脳関門を通過して脳内に取り込まれるレボドパ量は少ない5)。一方、ベンセラジド塩酸塩はレボドパ脱炭酸酵素阻害薬であり、脳以外の末梢各組織でレボドパの脱炭酸反応を防ぐ。このため、配合剤では末梢での血中レボドパ濃度が高まり、脳内へのレボドパ移行量が増加する6)。
レボドパ単独投与に比し、レボドパの1日用量を約1/5に減量でき、同等又はそれ以上の効果を発揮する。
また食欲不振、悪心、嘔吐等の消化器障害を軽減する。また、ピリドキシン塩酸塩(Vitamin B6)併用時でも作用は減弱されない。
有効成分に関する理化学的知見
1. レボドパ
(1) 一般名
レボドパ (Levodopa)
(2) 略名
L-DOPA
(3) 化学名
3-Hydroxy-L-tyrosine
(4)