内で約5mLの水に分散して服用すること。シリンジ内に本剤が残った場合は、再度同量の水で分散して服用すること。なお、本剤を噛み砕いたり、丸ごと飲み込んだりしないこと。
2. 薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
その他の注意
ラットを用いた雄性授胎能試験では、0.5mg/kg以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか、5mg/kg用量(治療量の範囲内)で精子運動能、精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少し、これに伴って雄の授胎能が低下した。これらの所見は休薬による回復傾向がみられた。
薬物動態
1. 血中濃度
進行性固形癌患者にアフィニトール錠を用い、2.5、5又は10mgを1日1回反復経口投与したとき、血中濃度は投与後約1~2時間で最高濃度に達した。初回投与及び定常状態(投与開始15日目)におけるCmax及びAUC0-24hは用量に比例して増加した。初回投与及び定常状態のAUC0-24h比から計算した累積率は1.6~2.6であった。1)
進行性固形癌患者にアフィニトール錠を用い、10mgを1日1回反復経口投与したときの血中濃度推移
進行性固形癌患者にアフィニトール錠を用い、2.5、5又は10mgを1日1回反復経口投与したときの薬物動態パラメータ
投与初日
薬物動態パラメータ:Tmax(h)
投与量 2.5mg(N=3):1.98(0.98~2.00)
投与量 5mg(N=3):1.00(1.00~1.95)
投与量 10mg(N=3):2.00(1.92~2.00)
薬物動態パラメータ:Cmax(ng/mL)
投与量 2.5mg(N=3):15.1±2.48
投与量 5mg(N=3):31.5±3.40
投与量 10mg(N=3):49.4±14.8
薬物動態パラメータ:AUC0-24h(ng・h/mL)
投与量 2.5mg(N=3):85.2±18.7
投与量 5mg(N=3):211±50.0
投与量 10mg(N=3):401±51.6
定常状態(Day 15)
薬物動態パラメータ:Tmax(h)
投与量 2.5mg(N=3):1.92(1.00~1.98)
投与量 5mg(N=3):1.98(1.93~1.98)
投与量 10mg(N=3):2.02(2.00~2.20)
薬物動態パラメータ:Cmax(ng/mL)
投与量 2.5mg(N=3):16.8±1.33
投与量 5mg(N=3):57.6±17.6
投与量 10mg(N=3):65.9±1.40
薬物動態パラメータ:AUC0-24h(ng・h/mL)
投与量 2.5mg(N=3):134±24.1
投与量 5mg(N=3):543±189
投与量 10mg(N=3):711±113
Tmaxは中央値(最小値~最大値)、他は平均値±標準偏差
アフィニトール錠と分散錠の比較
健康成人にアフィニトール錠5mg又は分散錠5mg(国内における承認規格は2及び3mgである。)を単回経口投与した結果、AUC0-144hの幾何平均比の90%信頼区間は0.8~1.25の範囲内であったが、分散錠のAUC0-144hは10%低く、Cmaxは20%低かった。2) (外国人のデータ)
健康成人にアフィニトール錠5mg又は分散錠5mgを単回経口投与したときの血中濃度推移
健康成人にアフィニトール錠5mg又は分散錠5mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ:Cmax(ng/mL)
アフィニトール錠(N=53):32.0
分散錠(N=53):25.8
幾何平均比※(90%信頼区間):0.80(0.75,0.86)
薬物動態パラメータ:AUC0-144h(ng・h/mL)
アフィニトール錠(N=53):238.3
分散錠(N=53):214.3
幾何平均比※(90%信頼区間):0.90(0.85,0.95)
数値は幾何平均値
※アフィニトール錠に対する分散錠の幾何平均比
臨床試験錠1mgと分散錠の比較
健康成人に臨床試験錠1mg又は分散錠5mg(国内における承認規格は2及び3mgである。)を単回経口投与した結果、分散錠のAUC0-144hは14%低く、Cmaxは36%低かった。3) (外国人のデータ)
健康成人に臨床試験錠1mg(×5錠)又は分散錠5mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ:Cmax(ng/mL)
臨床試験錠(N=51):39.8
分散錠(N=51):25.4
幾何平均比※(90%信頼区間):0.64(0.60,0.68)
薬物動態パラメータ:AUC0-144h(ng・h/mL)
臨床試験錠(N=51):239.2
分散錠(N=51):205.2
幾何平均比※(90%信頼区間):0.86(0.79,0.93)
数値は幾何平均値
※臨床試験錠に対する分散錠の幾何平均比
2. **食事の影響
健康成人に本剤を高脂肪食摂取後に投与したときのTmaxは、空腹時に比べて2.5時間遅延した。これに伴い、Cmaxは60%低下し、AUC0-infは12%低下した。低脂肪食摂取後に投与したときにも同様の結果が得られ、Tmaxは空腹時に比べて2時間遅延し、Cmaxは50%低下、AUC0-infは30%低下した。T1/2は空腹時、高脂肪食摂取後及び低脂肪食摂取後でそれぞれ31.1、30.6及び31.5時間であり、食事による差はみられなかった。4) (外国人のデータ)
3. 分布
エベロリムスの血球移行率は濃度に依存し、血中濃度が5ng/mLから5,000ng/mLに増加したとき、血球移行率は83%から27%に低下した(in vitroのデータ)。5)アフィニトール錠を用いて10mg/日を投与したときの血中濃度に相当する濃度では、血球移行率は約80%であった。健康成人及び中等度の肝機能障害を有する被験者における血漿蛋白結合率は約74%であった。6) (外国人のデータ)
4. 代謝
エベロリムスは主としてCYP3A4によって代謝される(in vitroのデータ)。7)腎移植患者に14C標識したエベロリムスを単回経口投与したとき、エベロリムスは主に未変化体として血液中に存在し、その他の主な代謝物として3種の水酸化体及び環状ラクトンの加水分解による2種