て、減量、休薬又は中止すること。
間質性肺疾患に対する減量、休薬及び中止基準
グレード注1)(症状):グレード1(無症候性の画像所見)
投与の可否等:投与継続
グレード注1)(症状):グレード2(症候性:日常生活に支障なし)
投与の可否等:症状が改善するまで休薬すること。投与を再開する場合は、半量の投与とする。
グレード注1)(症状):グレード3(症候性:日常生活に支障あり、酸素療法を要する)
投与の可否等:本剤の投与を中止し、原則として再開しないこと。ただし、症状が改善し、かつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、半量の投与で再開可能とする。
グレード注1)(症状):グレード4(生命を脅かす:人工呼吸を要する)
投与の可否等:投与中止
注1)NCI-CTCAE v.3.0
6.
肝機能障害患者では、本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため、減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。また、本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること。(「慎重投与」、【薬物動態】の項参照)
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症、重症化するおそれがある。〕
2.
感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある。〕
3.
肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある。小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない。〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉、【薬物動態】の項参照)
4.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
5.
肝炎ウイルス、結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある。〕(「重要な基本的注意」の項参照)
重要な基本的注意
1.
間質性肺疾患があらわれることがあるので、投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意すること。また、患者に対し、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には、直ちに連絡するよう指導すること。(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉、「慎重投与」、「副作用 重大な副作用」の項参照)
(1) 投与開始前
胸部CT検査を実施し、咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状の有無と併せて、投与開始の可否を慎重に判断すること。
(2) 投与開始後
定期的に胸部CT検査を実施し、肺の異常所見の有無を慎重に観察すること。咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状がみられた患者で、感染、腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には、間質性肺疾患の診断を考慮し、必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]、酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること。本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には、適切な処置を行うこと。
なお、小児に対する胸部CT検査の実施に際しては、診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること。
2.
本剤の免疫抑制作用により、細菌、真菌、ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがあり、B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。本剤投与により、肝炎ウイルス、結核等が再活性化することがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス、結核等の感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置をしておくこと。本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること。
3.
重篤な腎障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン、血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと。
4.
高血糖があらわれることがあるので、投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うこと。また、本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと。
5.
ヘモグロビン減少、リンパ球減少、好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと。
相互作用
本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され、腸管に存在するCYP3A4によっても代謝される。また、本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため、本剤経口投与後の吸収と消失は、CYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられる。
CYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については、他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮し、CYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けること。また、当該薬剤を併用したり中止する場合は、必ず本剤のトラフ濃度を測定し、投与量を調節すること。
併用禁忌
(併用しないこと)
薬剤名等
生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥BCG等)
臨床症状・措置方法
免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと。
機序・危険因子
免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し、病原性をあらわす可能性がある。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
リファンピシン
リファブチン
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が低下することがあるので、併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用すること。やむを得ず併用する場合には、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。
機序・危険因子
これらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。
2. 薬剤名等
抗てんかん剤(フェノバルビタール、フェニトイン、カルバマゼピン等)
抗HIV剤(エファビレンツ、ネビラピン等)
副腎皮質ホルモン剤(デキサメタゾン、プレドニゾロン等)
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が低下するおそれがある。併用する場合には、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。
機序・危険因子
これらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。
3. 薬剤名等
アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール、ボリコナゾール、フルコナゾール等)
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇することがあるので、併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用すること。やむを得ず併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること