と考えられる.〕
12.
高度な慢性の便秘のある患者〔抗コリン作用により症状が悪化することがある.〕
13.
小児又は高齢者〔小児に投与する場合には4歳以上に投与することが望ましい.〕(「高齢者への投与」,「小児等への投与」の項参照)
重要な基本的注意
1.
うつ症状を呈する患者は希死念慮があり,自殺企図のおそれがあるので,このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること.
2.
不安,焦燥,興奮,パニック発作,不眠,易刺激性,敵意,攻撃性,衝動性,アカシジア/精神運動不穏,軽躁,躁病等があらわれることが報告されている.また,因果関係は明らかではないが,これらの症状・行動を来した症例において,基礎疾患の悪化又は自殺念慮,自殺企図,他害行為が報告されている.患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに,これらの症状の増悪が観察された場合には,服薬量を増量せず,徐々に減量し,中止するなど適切な処置を行うこと.
3.
自殺目的での過量服用を防ぐため,自殺傾向が認められる患者に処方する場合には,1回分の処方日数を最小限にとどめること.
4.
家族等に自殺念慮や自殺企図,興奮,攻撃性,易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い,医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること.
5.
投与量の急激な減少ないし投与の中止により,嘔気,頭痛,けん怠感,易刺激性,情動不安,睡眠障害,筋攣縮等の離脱症状があらわれることがある.投与を中止する場合には,徐々に減量するなど慎重に行うこと.
6.
眠気,注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので,本剤投与中の患者には,自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること.
相互作用
相互作用の概略
本剤の代謝には肝薬物代謝酵素CYP2D6が関与している.また,CYP1A2,CYP3A4,CYP2C19も関与していると考えられている.
併用禁忌
(併用しないこと)
1.
薬剤名等
モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤
セレギリン(エフピー)
臨床症状・措置方法
発汗,不穏,全身痙攣,異常高熱,昏睡等があらわれることがある.MAO阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合には,少なくとも2週間の間隔をおき,また本剤からMAO阻害剤に切り替えるときには,2~3日間の間隔をおくことが望ましい.
機序・危険因子
本剤は活性アミンのシナプス内への取り込みを阻害して,受容体の感受性を増強する.
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
抗コリン作用を有する薬剤(トリヘキシフェニジル,アトロピン等)
臨床症状・措置方法
口渇,便秘,尿閉,視力障害,眠気等があらわれることがある.
機序・危険因子
いずれも抗コリン作用を有するため.
2. 薬剤名等
アドレナリン作動薬(アドレナリン,ノルアドレナリン,フェニレフリン等)
臨床症状・措置方法
心血管作用(高血圧等)を増強することがある.
機序・危険因子
本剤は交感神経末梢へのノルアドレナリン等の取り込みを抑制し,受容体部位へのアドレナリン作動性を上昇させ,作用を増強させる.
3. 薬剤名等
アトモキセチン
臨床症状・措置方法
相互に作用が増強するおそれがある.
機序・危険因子
ノルアドレナリンへの作用を相加的又は相乗的に増強する可能性がある.
4. 薬剤名等
中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体等)
全身麻酔剤(ハロタン等)
抗不安剤(アルプラゾラム等)
アルコール
サリドマイド
臨床症状・措置方法
中枢神経抑制作用が増強されることがある.
機序・危険因子
いずれも中枢神経抑制作用を有するため.
5. 薬剤名等
フェノチアジン系精神神経用剤(レボメプロマジン等)
臨床症状・措置方法
鎮静,抗コリン作用の増強があらわれることがある.
機序・危険因子
いずれも中枢神経抑制作用,抗コリン作用を有するため.
6. 薬剤名等
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)(フルボキサミン,パロキセチン等)
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇し,作用が増強されることがある.
セロトニン症候群があらわれるおそれがある.
機序・危険因子
これらの薬剤は本剤の肝臓での酸化的な代謝を阻害し,本剤の血中濃度を上昇させると考えられる.
また,相互にセロトニン作動性が増強される可能性がある.
7. 薬剤名等
*セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)(ミルナシプラン)
リチウム製剤
三環系抗うつ剤(アミトリプチリン,クロミプラミン等)
トラマドール塩酸塩
リネゾリド
臨床症状・措置方法
セロトニン症候群があらわれるおそれがある.
機序・危険因子
相互にセロトニン作動性が増強される可能性がある.
8. 薬剤名等
副交感神経刺激剤(ピロカルピン,セビメリン)
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の作用が減弱されることがある.
機序・危険因子
本剤の抗コリン作用によりこれらの薬剤と拮抗的に作用すると考えられている.
9. 薬剤名等
肝酵素誘導作用をもつ薬剤(バルビツール酸誘導体,フェニトイン,カルバマゼピン,リファンピシン等)
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が低下し,作用が減弱するおそれがある.
機序・危険因子
これらの薬剤の肝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられている.
10. 薬剤名等
フェニトイン
臨床症状・措置方法
フェニトインの作用が増強されることがある.
機序・危険因子
フェニトインの代謝が阻害され,フェニトインの血中濃度が上昇すると考えられている.
11. 薬剤名等
抗不整脈剤(キニジン,プロパフェノン)
メチルフェニデート
シメチジン
黄体・卵胞ホルモン製剤
シナカルセト
サキナビル
臨床症状・措置方法
本剤の作用が増強されることがある.