察を十分に行い慎重に投与すること。[過骨症及び骨端の早期閉鎖を起こすことがある。]
適用上の注意
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
1.
メトトレキサートとの併用により、肝炎の危険性を上昇させたとの報告がある。
2.
牛乳又は高脂肪食により、本剤の吸収が増加するとの報告がある。(【薬物動態】の項参照)
薬物動態
<日本人における成績>
(1) 血中濃度1)
健康成人男子5例にエトレチナートとして25mgを単回経口投与したとき、未変化体及び活性代謝物(脱エチル体)の血清中濃度は図1のとおりであった。また、薬物動態パラメータは以下の表のとおりであった。
図1 単回投与後の血清中濃度
表1
(2) 排泄1)
健康成人男子5例にエトレチナートとして1日25mgを4日間連続経口投与したとき、投与開始後7日目までに糞便中に未変化体は投与量の約49%、活性代謝物は数%が認められたが、尿中にはいずれも認められなかった。
<外国人における成績(参考)>
(1) 血中濃度2)
チガソンの長期投与(4~234週)を受けた197例の患者におけるエトレチナートの排泄半減期は約100日と考えられた。単回経口投与時に比べ、このような長い排泄半減期を示す理由としては、長期投与中に脂肪組織(主に皮下脂肪)に取り込まれたエトレチナートが徐々に血中へ流出してくることが考えられた。
(2) 食事の影響
角化症患者10例において、本剤1mg/kgを牛乳480mLで服用したとき、本剤の血清中濃度は水で服用した場合の約260%に増加した。3)
また、健康成人男子8例において、本剤100mg※を高脂肪食(脂肪111g)と服用したとき、本剤の血漿中濃度は絶食時服用の約450%に増加した。4)
(エトレチナートは脂溶性のため、吸収の程度を一定にするためには、食事の質を均一化させる必要がある。)
※承認された用量は1日最高75mgまでである
(3) 分布5)
患者8例にエトレチナートとして1日50mgを4週間連続経口投与したとき、投与中及び投与中止後7週目までの皮下組織、血清、真皮、表皮における未変化体と活性代謝物の合計濃度は図2のとおりであった。
図2 4週間連続経口投与後の未変化体と活性代謝物の合計濃度
薬物動態の表
表1 薬物動態パラメータ
成分\パラメータ |
Cmax
(ng/mL) |
tmax
(hr) |
t1/2
(hr) |
エトレチナート |
50±25 |
4±1 |
2±1 |
活性代謝物
(脱エチル体) |
85±25 |
6±2 |
4±1 |
(mean±SD)
臨床成績
承認時までに実施された683例を対象とした一般臨床試験における有効率は表2・表3のとおりであった。
臨床成績の表
表2 皮膚科領域
疾患名 |
例数 |
有効率(%)
(有効以上) |
乾癬群 尋常性乾癬 |
186 |
73.1 |
乾癬群 膿疱性乾癬 |
28 |
92.9 |
乾癬群 乾癬性紅皮症 |
27 |
96.3 |
乾癬群 関節症性乾癬 |
6 |
100.0 |
魚鱗癬群 尋常性魚鱗癬 |
16 |
75.0 |
魚鱗癬群 水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症 |
16 |
75.0 |
魚鱗癬群 非水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症 |
26 |
96.2 |
掌蹠角化症 |
28 |
82.1 |
ダリエー病 |
35 |
88.6 |
掌蹠膿疱症 |
46 |
67.4 |
毛孔性紅色粃糠疹 |
37 |
70.3 |
紅斑性角化症 |
10 |
70.0 |
表3 口腔外科領域
疾患名 |
例数 |
有効率(%)
(有効以上) |
口腔白板症 |
60 |
60.0 |
口腔乳頭腫 |
10 |
80.0 |
口腔扁平苔癬 |
74 |
71.6 |
また、重症の乾癬を対象とした二重盲検比較試験にお