(3)
本剤はモルモットを用いた動物実験で、精子形成能に異常を起こすことが報告されているので男性に投与する場合には、投与中及び投与中止後少なくとも6ヵ月間は避妊させること。
(4)
本剤には催奇形性があり、また副作用の発現頻度が高いので、投与中及び投与中止後少なくとも2年間は献血を行わないよう指導すること。
3.
本剤の長期投与を受けた患者で過骨症及び骨端の早期閉鎖を起こすことがある。したがって投与中に関節痛・骨痛等の症状があらわれた場合には速やかに主治医に連絡するよう指示すること。また、本剤の長期投与に際しては、定期的な問診(骨・筋等の痛みや運動障害)、X線検査、Al-P、Ca、P、Mg等の臨床生化学的検査を行うことが望ましい。なお、骨の成長が終了していない25歳以下の患者には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ観察(定期的なX線検査、Al-P、Ca、P、Mg等の臨床生化学的検査)を十分に行いながら慎重に投与すること。
4.
本剤は肝障害を起こすことがあるので肝機能検査は投与前、投与開始1ヵ月後及び投与中は3ヵ月ごとに行うべきであり、肝障害が疑われるときは直ちに投与を中止すること。
5.
本剤の高中性脂肪血症の患者への投与は、脂質代謝障害の危険性が高いので、その素因のある患者には血中トリグリセライドの検査を行うこと。
6.
本剤の投与により脱毛が起こることがある。
7.
本剤は臨床試験で落屑、口唇炎の副作用発現率が高いので十分な経過観察を行い、投与量の増減又は投与の継続を慎重に判断すること。口唇炎の対症療法には、ワセリンやコルチコイド外用剤が用いられている。
相互作用
併用禁忌
(併用しないこと)
薬剤名等
ビタミンA製剤
(チョコラA 等)
臨床症状・措置方法
ビタミンAの正常血中濃度には影響を及ぼさないが、ビタミンA過剰症と類似した副作用症状があらわれることがある。
機序・危険因子
本剤はビタミンA様作用を示すため、ビタミンA様作用が増強される。
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
フェニトイン
臨床症状・措置方法
フェニトインの血中濃度が上昇し、フェニトインの作用が増強するおそれがある。
機序・危険因子
フェニトインの蛋白結合能を低下させることがある。
副作用
副作用等発現状況の概要
承認時迄の調査及び使用成績調査2,779例において、副作用は1,974例(71.0%)に認められた。主な副作用は口唇炎1,430件(51.5%)、落屑771件(27.7%)、口内乾燥688件(24.8%)、皮膚菲薄化380件(13.7%)、そう痒344件(12.4%)等であった。(再審査終了時)
重大な副作用
中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、多形紅斑、血管炎があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(頻度不明)
その他の副作用
1. 皮膚
5%以上又は頻度不明
落屑(27.7%)、皮膚菲薄化(13.7%)、そう痒(12.4%)、脱毛(6.6%)、爪囲炎(5.5%)、毛髪異常(縮れ、変色等)※
2. 皮膚
1~5%未満
爪脆弱化、皮下出血、紅斑、色素沈着、発汗、皮膚乾燥
3. 皮膚
1%未満
亀裂、ざ瘡、水疱、発疹
4. 粘膜
5%以上又は頻度不明
口唇炎(51.5%)、口内乾燥(24.8%)、鼻腔乾燥(6.3%)、口角炎(7.9%)
5. 粘膜
1~5%未満
口内炎
6. 粘膜
1%未満
口腔内びらん、舌痛、咽頭痛
7. 肝臓
5%以上又は頻度不明
黄疸※
8. 肝臓
1~5%未満
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDHの上昇
9. 骨・関節
5%以上又は頻度不明
骨異常(過骨症、骨端の早期閉鎖、骨痛等)※
10. 骨・関節
1%未満
関節痛
11. 脂質代謝
1~5%未満
トリグリセライド値、血清コレステロール値の上昇
12. 腎臓
5%以上又は頻度不明
クレアチニン値上昇※
13. 腎臓
1%未満
頻尿、BUN上昇
14. 血液
1%未満
貧血、白血球減少、白血球増多
15. 眼
5%以上又は頻度不明
夜間視力低下※
16. 眼
1~5%未満
結膜炎
17. 眼
1%未満
眼脂、眼痛、眼精疲労、眼瞼腫脹(乾燥、そう痒)、目のかすみ
18. 消化器
1~5%未満
食欲不振、嘔気、嘔吐
19. 消化器
1%未満
腹痛、下痢
20. 精神神経系
5%以上又は頻度不明
頭蓋内圧亢進(初期症状:うっ血乳頭、頭痛、悪心、嘔吐、視覚異常)※注2)
21. 精神神経系
1~5%未満
頭痛、頭重
22. 精神神経系
1%未満
めまい、しびれ感、不眠
23. その他
5%以上又は頻度不明
肉芽腫※、筋肉痛※
24. その他
1~5%未満
ほてり、けん怠感(脱力感)
25. その他
1%未満
悪寒、発熱、体重減少、浮腫、中耳炎(耳漏)、耳鳴、味覚異常、耐糖能異常
上記のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。 (頻度不明は※)
注2)観察を十分に行い異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
催奇形性の症例報告があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[本剤投与中又は投与中止後2年以内に妊娠した患者で、胎児、新生児の頭蓋顔面欠損、脊椎欠損、四肢欠損、骨格異常等があらわれたとの報告がある。]
2.
授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で、乳汁中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
1.
低出生体重児、新生児、乳児に対する安全性は確立していない。
2.
幼児、小児に投与する場合には観