C0-tに明らかな変化は認められなかった。
(6) 腎機能障害患者7)
腎機能障害患者(18名、外国人)に本剤400mgを空腹時に単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度のパラメータを表3に示した。腎機能障害患者では、クレアチニンクリアランスに応じた全身クリアランス(CL/F)の低下が認められている(【禁忌】の項参照)。
人工透析依存の腎不全患者(6名、外国人)に本剤400mgを空腹時に単回経口投与したとき、人工透析クリアランス(CLhd=4.04L/hr)はクレアチニンクリアランスが61~90(mL/分)の腎機能障害患者の腎クリアランス(4.31L/hr)にほぼ相当する値であったが、血漿中未変化体濃度について人工透析による明らかな変化は認められなかった(【禁忌】の項参照)。
(注)本剤は、クレアチニンクリアランスが50mL/分以下の腎機能障害のある患者には投与禁忌である。
2. 分布
(1) 血漿蛋白結合8)
ヒト血漿蛋白と本薬との結合は全く認められず、非結合率はほぼ100%であった(in vitro)。
(2) 血球移行9)
健康成人男性(6名、外国人)に14C-標識リバビリンカプセル604mgを空腹時に単回経口投与したとき、赤血球中放射能濃度は血液(全血)中放射能濃度の約2倍の値を示したことから、血中放射性成分の大部分は赤血球中に存在しているものと推察された。
(3) 組織内分布10)
(参考)ラットに14C-標識リバビリン溶液20mg/kgを1日1回21日間反復経口投与したとき、組織中放射能濃度は血球を除く殆どの組織で投与7日目までに定常状態に到達し、全身組織への広範な放射能分布が認められた。組織中放射能濃度は肝臓で最も高く、次いで腎臓、心臓、筋肉、肺、脾臓、膵臓、腸間膜リンパ節、前立腺、膀胱、骨髄に高濃度に分布した。
(4) 胎盤・胎児移行11)
(参考)妊娠ラットに14C-標識リバビリン溶液20mg/kgを単回経口投与したとき、胎児組織中への放射能の移行が認められた。
3. 代謝9,12~14)
本剤の体内からの消失に関わる主要な代謝経路は、ribofuranosyl基の脱離及び3位側鎖(carboxamide)の加水分解であり、代謝物として1H-1,2,4-triazole-3-carboxamide(TCONH2)、1-β-D-ribofuranosyl-1H-1,2,4-triazole-3-carboxylic acid(RTCOOH)及び1H-1,2,4-triazole-3-carboxylic acid(TCOOH)が確認されている。
本剤の薬効に関与しているもう一つの代謝経路は、ribofuranosyl基5'位のリン酸化であり、代謝物としてリバビリン一リン酸(RMP)、リバビリン二リン酸(RDP)及びリバビリン三リン酸(RTP)が確認されている。これらのリン酸化体は組織細胞中にのみ存在し、細胞外(血漿、尿)には認められない。
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro代謝実験の結果、上記のいずれの代謝経路についても、チトクロムP450系の介在は否定されている。
4. 排泄
(1) 尿・糞中排泄9)
健康成人男性(6名、外国人)に14C-標識リバビリンカプセル604mgを空腹時に単回経口投与したとき、投与後14日目までの尿及び糞中放射能排泄率はそれぞれ61%及び12%であった。同時点までの尿中未変化体排泄率は投与量の17%であり、尿中放射能に占める割合は約27%であった。
(2) 胆汁中排泄15)
(参考)ラットに14C-標識リバビリン溶液20mg/kgを単回経口投与したとき、投与後48時間までの胆汁中放射能排泄率は投与量の0.8%未満であった。
(3) 乳汁中への移行11)
(参考)授乳中のラットに14C-標識リバビリン溶液20mg/kgを単回経口投与したとき、放射能濃度の母乳/血漿比は0.6~1.3であり、本薬又は代謝物の乳汁中への移行性が認められた。
5. 薬物相互作用
(1) チトクロムP450系への影響14,16)
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro阻害実験の結果、CYP3A4、2D6、1A2、2E1、2C9/10の各P450分子種についてリバビリン添加による阻害作用は認められなかった。
(参考)ラットにリバビリン溶液を1日1回7日間反復経口投与したとき、120mg/kgまでの投与量では肝薬物代謝酵素系への誘導作用は認められなかった。
(2) PEG-IFNα-2b及びIFNα-2b併用の影響17,18)
C型慢性肝炎患者(12~17名、外国人)を対象とした本剤600~1,200mg/日の1日2回経口投与とPEG-IFNα-2b 0.35,0.7又は1.4μg/kg週1回皮下投与との併用による4週間反復投与試験、及び、C型慢性肝炎患者(12名、外国人)を対象とした本剤1,200mg/日の1日2回経口投与とIFNα-2b 300万国際単位の週3回皮下投与との併用による4週間反復投与試験のいずれの試験においても、薬物動態学的相互作用を示唆する所見は認められなかった。
(3) 水酸化マグネシウム・水酸化アルミニウム併用の影響19)
健康成人男女(12名、外国人)に本剤600mgを空腹時に単独又は水酸化マグネシウム・水酸化アルミニウム含有製剤と併用したとき、併用時ではCmax、AUC0-tがそれぞれ3.3%、13.7%減少したが、tmaxに影響は認められなかった。
(注)本剤の承認された1日投与量は、C型慢性肝炎においては600~1,000mg、C型代償性肝硬変においては400~1,000mgである。
表1 C型慢性肝炎患者における薬物動態パラメータ
tmax
(hr) |
Cmax
(μg/mL) |
Cmin
(μg/mL) |
AUC0-12hra
(μg・hr/mL) |
t1/2
(hr) |
CL/F
(L/hr) |
Vd/F
(L) |
定常状態
(N=14)b |
3.00 |
3.33 |
2.42 |
32.5 |
286 |
12.7c |
5374c |
初回投与
|