枢・精神神経障害又はその既往歴のある患者[中枢・精神神経症状が悪化又は再燃することがある。]
7.
自己免疫疾患の患者又はその素因のある患者[疾患が悪化又は顕性化することがある。]
8.
軽度又は中等度の腎機能障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇し、重大な副作用が生じることがある。](【薬物動態】の項参照)
9.
高血圧症の患者[脳出血を含む脳血管障害が生じたとの報告がある。]
10.
糖尿病又はその既往歴、家族歴のある患者、耐糖能障害のある患者[糖尿病が増悪又は発症しやすい。]
11.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
1.
*本剤の投与は、インターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)、ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)、インターフェロン ベータ又はソホスブビルとの併用のため、それぞれの添付文書に記載されている警告、禁忌、併用禁忌、慎重投与、重要な基本的注意、重大な副作用等の【使用上の注意】を必ず確認すること。なお、本剤とペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)の併用に他の抗HCV剤を併用する場合には、抗HCV剤の添付文書の【使用上の注意】を必ず確認すること。
2.
*C型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変に対する本剤の単独療法は無効である。
3.
*C型代償性肝硬変患者に対するペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)又はソホスブビルとの併用による治療は、ウイルス血症の改善を目的としたものであり、本併用療法によりウイルス学的効果が得られた場合であっても、肝硬変が治癒するものではないため、肝硬変に対する適切な処置は継続すること。
4.
妊娠する可能性のある女性患者及びパートナーが妊娠する可能性のある男性患者は投与中及び投与終了後6ヵ月間は信頼できる避妊法を用いるなどして妊娠を避けること。また、投与直前の妊娠検査結果が陰性であることを確認後に投与を開始すること。なお、妊娠していないことを確認するために、妊娠検査を毎月1回実施すること(【警告】及び【禁忌】の項参照)。
5.
精液中への本剤の移行が否定できないことから、パートナーが妊娠している男性患者には、その危険性を患者に十分理解させ、投与中及び投与終了後6ヵ月間は本剤が子宮内へ移行しないようにコンドームを使用するよう指導すること(【警告】の項参照)。
6.
ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)との併用の場合には、ヘモグロビン濃度、白血球数、好中球数及び血小板数の検査は、投与前及び投与開始後8週間は毎週、その後は4週間に1度実施すること。また、生化学的検査は4週間に1度実施すること。特にC型代償性肝硬変においては、C型慢性肝炎と比べ、血球系の低下が多く認められるおそれがあるので、十分注意すること。
インターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)との併用の場合には、ヘモグロビン濃度、白血球数、好中球数及び血小板数の検査は、投与前及び投与開始後4週間は毎週、その後は4週間に1度実施すること。
インターフェロン ベータとの併用の場合には、ヘモグロビン濃度、白血球数、好中球数及び血小板数の検査は、投与開始後1週間は2~3日に1回、以後投与開始後4週間までは毎週、その後は4週間に1回程度実施すること。
また、本剤の投与にあたっては、甲状腺機能検査は12週間に1度実施すること。
7.
本剤の投与により、貧血(溶血性貧血等)を起こす可能性があることから、患者に対し貧血に関連する副作用(めまい等)の発現の可能性について十分説明すること。また、定期的に臨床検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
8.
高血圧症及び糖尿病の両疾患を合併する患者では脳出血が生じるリスクが高いので注意すること。(「慎重投与」及び「重大な副作用」の項参照)
9.
抑うつ、自殺企図があらわれることがある。また、躁状態、攻撃的行動があらわれ、他害行為に至ることがある。患者の精神状態に十分注意し、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等があらわれた場合には投与を中止するなど、投与継続の可否について慎重に検討すること。また、これらの症状が認められた場合には、投与終了後も観察を継続することが望ましい。
10.
抑うつ、自殺企図をはじめ、躁状態、攻撃的行動、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等の精神神経症状発現の可能性について患者及びその家族に十分理解させ、これらの症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう注意を与えること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
ヌクレオシドアナログ(ジダノシン、アバカビル硫酸塩等)
臨床症状・措置方法
併用により乳酸アシドーシス、肝不全が報告されていることから、本剤は乳酸アシドーシス、肝不全を増強する可能性がある。また、本剤投与終了後2ヵ月間はヌクレオシドアナログとの相互作用の可能性があるので注意すること。
機序・危険因子
本剤はin vitroにおいてプリンヌクレオシドのリン酸化を促進する。また、ジダノシンとの併用により、乳酸アシドーシス、膵炎など死亡例を含むミトコンドリア毒性の発現が報告されている。
薬剤名等
ジドブジン
臨床症状・措置方法
本剤はジドブジンの効果を減弱するおそれがある。併用する場合は、血漿中HIV RNAレベルを観察することが望ましい。HIV RNAレベルが上昇した場合には、本剤の中止等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
本剤はin vitroにおいてジドブジンのリン酸化を阻害する。
薬剤名等
アザチオプリン
臨床症状・措置方法
骨髄機能抑制が起こるおそれがある。併用する場合には、定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。本剤の減量、中止については、<用法・用量に関連する使用上の注意>の項を参照すること。
機序・危険因子
本剤がアザチオプリンの代謝酵素であるイノシン一リン酸脱水素酵素(IMPDH)を阻害することにより、代謝産物のメチルチオイノシン一リン酸(meTIMP)が蓄積すると考えられる。
併用注意に関する注意
*また、インターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)又はペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)との併用時には、上記以外に小柴胡湯、CYP1A2の基質(テオフィリン、チザニジン等)、CYP2D6の基質(メトプロロール、アミトリプチリン等)、アンチピリン、ワルファリン、ジドブジンとの相互作用が報告されているため、注意すること。
インターフェロン ベータとの併用時には、上記以外に小柴胡湯、