る場合には患者の喘息症状を観察しながら徐々に減量すること。
7.
全身性ステロイド剤と比較して可能性は低いが、本剤の高用量を長期間投与する場合には、副腎皮質機能低下等の全身作用が発現する可能性があるので、定期的に検査を行うことが望ましい。また、異常が認められた場合には、患者の喘息症状を観察しながら徐々に減量するなど適切な処置を行うこと。
8.
全身性ステロイド剤の減量は本剤吸入開始後症状の安定をみて徐々に行うこと。減量にあたっては一般のステロイド剤の減量法に準ずる。
9.
長期又は大量の全身性ステロイド療法を受けている患者では副腎皮質機能不全が考えられるので、全身性ステロイド剤の減量中並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感染症等の侵襲には十分に注意を払うこと。また、必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行うこと。
10.
本剤を含む吸入ステロイド剤投与後に、潜在していた基礎疾患であるChurg-Strauss症候群にみられる好酸球増多症がまれにあらわれることがある。この症状は通常、全身性ステロイド剤の減量並びに離脱に伴って発現しており、本剤との直接的な因果関係は確立されていない。本剤の投与期間中は、好酸球数の推移や、他のChurg-Strauss症候群症状(しびれ、発熱、関節痛、肺の浸潤等の血管炎症状等)に注意すること。
11.
全身性ステロイド剤の減量並びに離脱に伴って、鼻炎、湿疹、蕁麻疹、眩暈、動悸、倦怠感、顔のほてり、結膜炎等の症状が発現・増悪することがあるので、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
12.
**全身性ステロイド剤と比較し可能性は低いが、吸入ステロイド剤の投与により小児の成長遅延をきたすおそれがある。本剤を小児に長期にわたり投与する場合には、身長等の経過の観察を十分に行うこと。(「その他の注意」の項参照)
相互作用
相互作用の概略
本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4で代謝される。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
CYP3A4阻害剤
イトラコナゾール等
臨床症状・措置方法
副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性がある。
機序・危険因子
CYP3A4による本剤の代謝が阻害されることにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。(【薬物動態】の項参照)
副作用
副作用等発現状況の概要
国内で実施された成人気管支喘息患者を対象とした臨床試験において、安全性評価対象例中本剤が投与された症例105例中15例(14.3%)に副作用が認められた。内訳は、口腔咽頭不快感5例(4.8%)、口腔咽頭痛2例(1.9%)等であった。(用法・用量追加承認時)
国内(2試験)および米国(8試験)で実施された乳幼児気管支喘息患者を対象とした臨床試験において、安全性評価対象例1,554例中164例(10.6%)に副作用が認められた。その主な症状は、カンジダ症44例(2.8%)、精神運動亢進16例(1.0%)、口腔カンジダ症14例(0.9%)、咽喉頭疼痛11例(0.7%)であった。
また、そのうち国内では、安全性評価対象例61例中7例9件に副作用が認められており、その症状は口唇炎1例(1.6%)、口内炎2例(3.3%)、口腔カンジダ症3例(4.9%)、皮膚炎1例(1.6%)、接触性皮膚炎1例(1.6%)であった。(承認時)
**乳幼児気管支喘息患者を対象とした特定使用成績調査の総症例数783例中、副作用が報告されたのは61例(7.8%)であった。その主な副作用は気管支炎9例(1.1%)、喘息9例(1.1%)、上気道の炎症8例(1.0%)であった。(再審査終了時)
**その他の副作用
1. 過敏症注1)
1%未満
発疹、蕁麻疹、接触性皮膚炎、血管浮腫等の過敏症状
2. 口腔・呼吸器
1~5%未満
口腔カンジダ症、感染
3. 口腔・呼吸器
1%未満
咽喉頭症状(刺激感、疼痛)、咳嗽、嗄声、鼻出血、味覚異常
4. 口腔・呼吸器
頻度不明
気管支痙攣注2)
5. 消化器
1%未満
悪心
6. 精神神経系
1%未満
落ち着きのなさ、行動障害、神経過敏、うつ病、不眠
7. その他
1%未満
皮膚挫傷
**承認時までの臨床試験及び特定使用成績調査で認められなかった副作用については頻度不明とした。
注1) このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注2) 短時間作用性気管支拡張剤を投与するなどの適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験で催奇形作用が報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、6ヵ月未満の乳児に対する安全性は確立していない(国内での使用経験がない)。
過量投与
過量投与により副腎皮質系機能が低下することがあるので、このような場合には患者の症状を観察しながら徐々に減量するなど適切な処置を行うこと。
適用上の注意
1. 吸入前
(1)
本剤はネブライザーを用いて吸入する薬剤であり、その使用法、吸入法を十分に説明すること。(「取扱い上の注意」の項参照)
(2)
泡立てない程度に揺り動かして粒子をよく再懸濁させて使用すること。
(3)
吸入時には新しいアンプルを使用し、既に開管したアンプルの残液は使用しないこと。
2. 吸入後
(1)
口腔カンジダ症又は嗄声の予防のため、本剤吸入後に、うがい、または口腔内をすすぐこと。うがい、口腔内のすすぎが困難な患者にかぎり、水分を取らせること。
(2)
フェイスマスクを使用する場合には、口のまわりに薬剤が付着して残る可能性があるので水で顔を洗うこと。
(3)
ネブライザー内の残液は使用しないこと。
3. 配合使用
他剤との配合使用については、有効性・安全性が確認されていないことから、配合せず個別に吸入させることが望ましい。
なお、必要に応じて、保護者またはそれに代わり得る適切な者に対しても十分に説明し、指導すること。
その他の注意
1.
6ヵ月~4歳の日本人気管支喘息患者計61例を対象とした国内の臨床試験において(対