大な副作用」及び「臨床成績」の項参照)
6.
次に掲げる患者又は状態[低血糖を起こすおそれがある。]
(1)
脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
(2)
栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態
(3)
激しい筋肉運動
(4)
過度のアルコール摂取者
重要な基本的注意
1.
本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。特に、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、GLP-1受容体作動薬又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがある。スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はインスリン製剤と併用する場合には、これらの薬剤による低血糖のリスクを軽減するため、これらの薬剤の減量を検討すること。(「慎重投与」、「相互作用」、「重大な副作用」及び「臨床成績」の項参照)
2.
本剤投与中に、血清クレアチニンの上昇又はeGFRの低下がみられることがあるので、腎機能を定期的に検査すること。腎機能障害のある患者においては経過を十分に観察し、継続的にeGFRが45mL/min/1.73m2未満に低下した場合は投与の中止を検討すること。(「慎重投与」、「その他の副作用」及び「臨床成績」の項参照)
3.
本剤の利尿作用により多尿・頻尿がみられることがある。また、体液量が減少することがあるので、適度な水分補給を行うよう指導し、観察を十分に行うこと。脱水、血圧低下等の異常が認められた場合は、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。特に体液量減少を起こしやすい患者(高齢者、腎機能障害のある患者、利尿剤併用患者等)においては、脱水や糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群、脳梗塞を含む血栓・塞栓症等の発現に注意すること。(「慎重投与」、「相互作用」、「重大な副作用」、「その他の副作用」及び「高齢者への投与」の項参照)
4.
糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、糖尿病類似の症状(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)を有する疾患があることに留意すること。
5.
本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること。
6.
本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を十分に観察し、常に投与継続の必要性について注意を払うこと。本剤を3ヵ月投与しても効果が不十分な場合、より適切と考えられる治療を考慮すること。
7.
投与の継続中に、投与の必要がなくなる場合があり、また、患者の不養生、感染症の合併等により効果がなくなったり、不十分となる場合があるので、食事摂取量、血糖値、感染症の有無等に留意の上、常に投与継続の可否、薬剤の選択等に注意すること。
8.
**尿路感染を起こし、腎盂腎炎、敗血症等の重篤な感染症に至ることがある。また、腟カンジダ症等の性器感染を起こすことがある。十分な観察を行うなど尿路感染及び性器感染の発症に注意し、発症した場合には適切な処置を行うとともに、状態に応じて休薬等を考慮すること。尿路感染及び性器感染の症状及びその対処方法について患者に説明すること。(「慎重投与」、「重大な副作用」及び「その他の副作用」の項参照)
9.
**本剤の作用機序である尿中グルコース排泄促進作用により、血糖コントロールが良好であっても脂肪酸代謝が亢進し、ケトーシスがあらわれ、ケトアシドーシスに至ることがある。著しい血糖の上昇を伴わない場合があるため、以下の点に留意すること。(「重大な副作用」の項参照)
(1)
**悪心・嘔吐、食欲減退、腹痛、過度な口渇、倦怠感、呼吸困難、意識障害等の症状が認められた場合には、血中又は尿中ケトン体測定を含む検査を実施すること。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(2)
**特に、インスリン分泌能の低下、インスリン製剤の減量や中止、過度な糖質摂取制限、食事摂取不良、感染症、脱水を伴う場合にはケトアシドーシスを発現しやすいので、観察を十分に行うこと。
(3)
**患者に対し、ケトアシドーシスの症状(悪心・嘔吐、食欲減退、腹痛、過度な口渇、倦怠感、呼吸困難、意識障害等)について説明するとともに、これらの症状が認められた場合には直ちに医療機関を受診するよう指導すること。
10.
排尿困難、無尿、乏尿あるいは尿閉の症状を呈する患者においては、それらの治療を優先するとともに他剤での治療を考慮すること。
11.
本剤投与による体重減少が報告されているため、過度の体重減少に注意すること。
12.
本剤とインスリン製剤との併用における有効性及び安全性は検討されていない。
13.
低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときは注意すること。(「重大な副作用」の項参照)
相互作用
相互作用の概略
本剤は主として、UGT1A9によるグルクロン酸抱合により代謝される。(「薬物動態」の項参照)
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
糖尿病用薬
スルホニルウレア剤、チアゾリジン系薬剤、ビグアナイド系薬剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、速効型インスリン分泌促進剤、DPP-4阻害剤、GLP-1受容体作動薬、インスリン製剤 等
臨床症状・措置方法
糖尿病用薬との併用時には、低血糖の発現に注意すること。特に、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、GLP-1受容体作動薬又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがある。これらの薬剤による低血糖のリスクを軽減するため、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はインスリン製剤の減量を検討すること。低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与し、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。(「重大な副作用」、「薬物動態」及び「臨床成績」の項参照)
機序・危険因子
糖尿病用薬(特に、インスリン製剤又はスルホニルウレア剤)との併用時には、低血糖のリスクが増加するおそれがある。
2. 薬剤名等
血糖降下作用を増強する薬剤
β遮断薬、サリチル酸剤、モノアミン酸化酵素阻害剤 等
臨床症状・措置方法
血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値、その他患者の状態を十分に観察しながら投与すること。
機序・危険因子
血糖降下作用が増強される。
3. 薬剤名等
血糖降下作用を減弱する薬剤