。本剤を投与中、悪性高熱に伴うこれらの症状を認めた場合は、直ちに投与を中止し、ダントロレンナトリウムの静注、全身冷却、純酸素による過換気、酸塩基平衡の是正等、適切な処置を行うこと。また、本症は腎不全を続発することがあるので、尿量の維持を図ること。
その他の副作用
1. 中枢神経注)
頻度不明
せん妄、めまい、眠気、不安、多幸感、しびれ感等
2. 消化器注)
頻度不明
嘔吐等
3. 過敏症
頻度不明
蕁麻疹等の皮膚症状、浮腫等
注)症状があらわれた場合には、投与を中止又は減量し、必要に応じて適切な処置を行うこと。(太字)
高齢者への投与
本剤は主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能が低下していることが多いため血中濃度が高くなりすぎ、振戦、痙攣等の中毒症状を起こすおそれがある。本剤を持続点滴で投与する場合には、用量に留意して慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
過量投与
徴候、症状:
中枢神経系の症状:初期症状として不安、興奮、多弁、口周囲の知覚麻痺、舌のしびれ、ふらつき、聴覚過敏、耳鳴、視覚障害、振戦等があらわれる。症状が進行すると意識消失、全身痙攣があらわれ、これらの症状に伴い低酸素血症、高炭酸ガス血症が生じるおそれがある。より重篤な場合には呼吸停止を来すこともある。
心血管系の症状:血圧低下、徐脈、心筋収縮力低下、心拍出量低下、刺激伝導系の抑制、心室性頻脈及び心室細動等の心室性不整脈、循環虚脱、心停止等があらわれる。
処置:呼吸を維持し、酸素を十分投与することが重要である。必要に応じて人工呼吸を行う。振戦や痙攣が著明であれば、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)を投与する。心機能抑制に対しては、カテコールアミン等の昇圧剤を投与する。心停止を来した場合には直ちに心マッサージを開始する。
適用上の注意
1.
投与経路:点滴静脈内投与にのみ使用すること。
2.
投与時:高度の洞性徐脈、あるいは房室ブロック等の徐拍性不整脈とともに心室性不整脈(期外収縮、頻拍)が認められる場合には、人工ペースメーカーによって心拍数を増加させ、本剤を用いること。
3.
調製時:本剤中のリドカインは塩酸塩であり、アルカリ性注射液(炭酸水素ナトリウム液等)との配合により、リドカインが析出するので配合しないこと。
その他の注意
1.
本剤の投与により、新生児にメトヘモグロビン血症があらわれたとの報告がある。
2.
ポルフィリン症の患者に投与した場合、急性腹症、四肢麻痺、意識障害等の急性症状を誘発するおそれがある。
臨床成績
一般臨床試験での有効率は次のとおりであった。1)
疾患名 |
有効例数/有効性
評価対象例数 |
有効率
(%) |
心室性不整脈 |
37/41 |
90.2 |
药效药理
リドカインは、心筋細胞膜のNa+チャネルを抑制することで心筋の活動電位発生を抑制する作用を持った第I群の抗不整脈薬である。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
リドカイン[日局]
Lidocaine
化学名
2-Diethylamino-N-(2,6-dimethylphenyl)acetamide
構造式
分子式
C14H22N2O
分子量
234.34
性状
白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。
メタノール又はエタノール(95)に極めて溶けやすく、酢酸(100)又はジエチルエーテルに溶けやすく、水にほとんど溶けない。
希塩酸に溶ける。
融点
66~69℃
取扱い上の注意
安定性試験2)
オリベス点滴用1%の旧包装製品(ガラス瓶)は、長期保存試験(室温、36ヵ月)の結果、3年間安定であることが確認されている。
現包装製品(ポリエチレン製バッグ)は、旧包装製品(ガラス瓶)との相対比較試験(40℃、75%RH、3ヵ月)の結果、安定性に差は認められず、3年間安定であることが推測された。
包装
オリベス点滴用1%
200mL×10袋(ソフトバッグ)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
土師一夫他:医学と薬学,41(5):941,1999.
2)
高田製薬(株)社内資料(安定性)
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
高田製薬株式会社 学術部
〒331-8588 さいたま市西区宮前町203番地1
**電話 0120-989-813
FAX 048-623-3065
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売
高田製薬株式会社
さいたま市西区宮前町203番地