を併用している患者、出血傾向又は出血性素因のある患者[鼻出血、胃腸出血、血尿等が報告されている。]
9.
緑内障又はその既往歴のある患者[眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。]
10.
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
11.
小児[「小児等への投与」の項参照]
重要な基本的注意
1.
うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。
2.
不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。
3.
自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。
4.
家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。
5.
眠気、めまい等があらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意させること。
6.
投与中止(突然の中止)により、不安、焦燥、興奮、浮動性めまい、錯感覚、頭痛及び悪心等があらわれることが報告されている。投与を中止する場合には、突然の中止を避け、患者の状態を観察しながら徐々に減量すること。
相互作用
本剤は肝代謝酵素CYP2C19、CYP2C9、CYP2B6及びCYP3A4等で代謝される1)。[「薬物動態」の項参照]
併用禁忌
(併用しないこと)
1.
薬剤名等
MAO阻害剤
セレギリン塩酸塩(エフピー)
臨床症状・措置方法
発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等の症状があらわれることがある。なお、MAO阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合、また本剤投与後にMAO阻害剤を投与する場合には、14日間以上の間隔をおくこと。
機序・危険因子
セロトニンの分解が阻害され、脳内セロトニン濃度が高まると考えられる。
2.
薬剤名等
ピモジド(オーラップ)
臨床症状・措置方法
ピモジドとの併用により、ピモジドのAUC及びCmaxがそれぞれ1.4倍増加したとの報告がある2)。
ピモジドはQT延長を引き起こすことがあるので本剤と併用しないこと。
機序・危険因子
機序不明
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
リネゾリド
臨床症状・措置方法
セロトニン症候群の症状(錯乱、協調運動障害、血圧上昇等)があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には、本剤と併用薬の両方あるいはいずれか一方の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
リネゾリドは非選択的、可逆的MAO阻害作用を有する。
2. 薬剤名等
5-HT1B/1D受容体作動薬
スマトリプタンコハク酸塩
ゾルミトリプタン
エレトリプタン臭化水素酸塩
臨床症状・措置方法
脱力、反射亢進、協調運動障害、錯乱、不安、焦燥、興奮があらわれることがある。
機序・危険因子
相互に作用を増強させるおそれがある。
3. 薬剤名等
トラマドール
メサドン
ペンタゾシン
臨床症状・措置方法
セロトニン作用が増強されるおそれがある。
機序・危険因子
これらの薬剤はセロトニン作用を有する。
4. 薬剤名等
L-トリプトファンを含有する製剤
アミノ酸製剤
経腸成分栄養剤
臨床症状・措置方法
セロトニン作用が増強されるおそれがある。
機序・危険因子
L-トリプトファンはセロトニンの前駆物質であるため、脳内セロトニン濃度が高まるおそれがある。
5. 薬剤名等
セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
臨床症状・措置方法
セロトニン作用が増強されるおそれがある。
機序・危険因子
セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)はセロトニン作用を有する。
6. 薬剤名等
炭酸リチウム
臨床症状・措置方法
セロトニンに関連した副作用(振戦等)が増大するおそれがある。
機序・危険因子
相互に作用を増強させるおそれがある。
7. 薬剤名等
三環系抗うつ剤
クロミプラミン塩酸塩
イミプラミン塩酸塩
アミトリプチリン塩酸塩
臨床症状・措置方法
薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されるおそれがある。
機序・危険因子
本剤がこれらの薬剤の代謝を阻害することがある。
8. 薬剤名等
ワルファリン
臨床症状・措置方法
ワルファリンのプロトロンビン反応時間曲線下面積が軽度増加(8%)したとの報告がある3)。
本剤の投与を開始もしくは中止する場合は、プロトロンビン時間を慎重にモニターすること。
機序・危険因子
機序不明
9. 薬剤名等
出血傾向が増強する薬剤
非定型抗精神病剤
フェノチアジン系薬剤
三環系抗うつ剤
アスピリン等の非ステロイド系抗炎症剤
ワルファリン等
臨床症状・措置方法
異常出血(鼻出血、胃腸出血、血尿等)が報告されているので、注意して投与すること。
機序・危険因子
SSRIの投与により血小板凝集能が阻害され、これらの薬剤との併用により出血傾向が増大することがある。
10. 薬剤名等
血糖降下薬
トルブタミド
臨床症状・措置方法
トルブタミドのクリアランスが減少(16%)したとの報告がある4)。
機序・危険因子
本剤がこの薬剤の代謝を阻害するためと考えられる。
11.