症ネフロパチー等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、4週間ごとに腎機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
7. 間質性肺炎、肺線維症、胸水(いずれも頻度不明)
間質性肺炎、肺線維症、胸水等があらわれ、呼吸不全にいたることがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には、速やかに胸部X線等の検査を行い、本剤の投与を中止するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
8. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群等の重篤な皮膚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
9. 出血性腸炎、壊死性腸炎(いずれも頻度不明)
出血性腸炎、壊死性腸炎等の重篤な腸炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、激しい腹痛、下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
10. 膵炎(頻度不明)
膵炎があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11. 骨粗鬆症(頻度不明)
骨粗鬆症があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、骨塩量減少等の異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
12. 脳症(白質脳症を含む)(頻度不明)
脳症(白質脳症を含む)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 過敏症注1)
頻度不明
発疹、そう痒、発熱、蕁麻疹
2. 血液
頻度不明
好酸球増多、出血、低ガンマグロブリン血症、リンパ節腫脹
3. 肝臓
頻度不明
肝機能障害(ALT(GPT)、AST(GOT)、Al-Pの上昇等)、LDHの上昇、黄疸、脂肪肝
4. 腎臓
頻度不明
BUN上昇、血尿、クレアチニンの上昇、蛋白尿
5. 消化器
頻度不明
嘔気、腹痛、下痢、口内炎、食欲不振、嘔吐、舌炎、口唇腫脹、消化管潰瘍・出血、メレナ、イレウス
6. 皮膚
頻度不明
脱毛、紅斑、皮下斑状出血、皮膚潰瘍、光線過敏症注2)、色素沈着、色素脱出、ざ瘡、結節
7. 精神神経系
頻度不明
頭痛、めまい、意識障害、眠気、目のかすみ、しびれ感、味覚異常、項部緊張、背部痛、錯感覚
8. 呼吸器
頻度不明
咳嗽、呼吸困難
9. 生殖器
頻度不明
無精子症、卵巣機能不全、月経不全、流産
10. **その他
頻度不明
倦怠感、動悸、胸部圧迫感、低蛋白血症、血清アルブミン減少、浮腫、膀胱炎、結膜炎、関節痛、耳下腺炎、悪寒
その他の副作用の注意
上記のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
注1)投与を中止すること。
注2)投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
高齢者では腎機能等生理機能が低下していることが多く、メトトレキサートの排泄遅延により副作用があらわれやすいこと、また、免疫機能低下の影響を受けやすいため、重篤な感染症があらわれやすいことから、腎機能検査値に十分注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。〔催奇形性を疑う症例報告があり、また、動物実験(マウス、ラット及びウサギ)で催奇形作用が報告されている。〕〔「禁忌」、「重要な基本的注意」の項参照〕
2.
母乳中への移行が報告されているので、授乳中の婦人には投与しないこと。〔「禁忌」、「重要な基本的注意」の項参照〕
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
臨床検査結果に及ぼす影響
トリメトプリム(スルファメトキサゾール・トリメトプリム配合剤)を併用した場合、2水素葉酸還元酵素(dihydrofolate reductase:DHFR)を用いたメトトレキサート濃度の測定で見かけ上高値を呈することがあるので注意すること。
過量投与
徴候・症状
外国で週間総用量が20mgを超えると重篤な副作用、特に骨髄抑制の発生率等が有意に上昇するという報告がある。過量投与時に報告された主な症状は血液障害及び消化管障害であった。また、重篤な副作用を発現し、致命的な経過をたどった症例が報告されている。
処置
過量投与したときは、すみやかに本剤の拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与するとともに、本剤の排泄を促進するために水分補給と尿のアルカリ化を行うこと。本剤とホリナートカルシウムの投与間隔が長いほど、ホリナートカルシウムの効果が低下することがある。
適用上の注意
1. 薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。〔PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。〕
2. 服用時
食道に停留し、崩壊すると食道潰瘍を起こすおそれがあるので、多めの水で服用させ、特に就寝直前の服用は避けさせること。
3. 分割使用時
本剤は、分割して服用可能であるが、分割後は早めに服用するよう指導すること。
その他の注意
1.
本剤の投与中に発現したリンパ増殖性疾患の中には、本剤投与中止により消退したとの報告もある。
2.
免疫機能が抑制された患者にワクチンを接種した場合、抗体反応の欠如が報告されている。
薬物動態
生物学的同等性試験2)
健康成人男子17名に本剤1錠と標準製剤1カプセル(メトトレキサートとして2mg)をクロスオーバー法により絶食時単回経口投与して血清中メトトレキサート濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について、差の90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
(表1参照)
血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条