副作用が認められている。
主な副作用はALT(GPT)上昇(6.2%)、AST(GOT)上昇(5.7%)、LDH上昇(2.0%)、γ-GTP上昇(1.5%)等の臨床検査値異常変動であった。
以下の副作用は経口製剤で認められたものであるが、静注製剤においても注意が必要である。
重大な副作用
1.
アナフィラキシー(全身発疹、顔面浮腫、呼吸困難等)(0.1%未満)があらわれることがあり、ショック(0.1%未満)を起こした例もあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2.
汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血(0.1%未満)、また、顆粒球減少、血小板減少、貧血(0.1~5%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
3.
黄疸、AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を伴う重篤な肝機能障害(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4.
中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5.
間質性肺炎(0.1%未満)があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し、本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
6.
間質性腎炎(頻度不明)があらわれ、急性腎不全に至ることもあるので、腎機能検査値(BUN、クレアチニン上昇等)に注意し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
以下の副作用が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
過敏症
0.1~5%未満
発疹、そう痒
過敏症
頻度不明
多形紅斑
肝臓
0.1~5%未満
AST(GOT)、ALT(GPT)、AL-P、LDH、γ-GTPの上昇
血液
0.1~5%未満
好酸球増多
消化器
0.1~5%未満
便秘、下痢、口渇、腹部膨満感
消化器
0.1%未満
悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、カンジダ症、味覚異常
消化器
頻度不明
口内炎、舌炎、大腸炎(collagenous colitis等注2)を含む)
精神神経系
0.1~5%未満
頭痛、眠気
精神神経系
0.1%未満
うつ状態、不眠、めまい、振戦
その他
0.1~5%未満
発熱、総コレステロール、尿酸の上昇
その他
0.1%未満
女性化乳房、浮腫、倦怠感、舌・口唇のしびれ感、四肢のしびれ感、筋肉痛、脱毛
*その他
頻度不明
かすみ目、脱力感、関節痛、低ナトリウム血症、低マグネシウム血症
その他の副作用の注意
注2)下痢が継続する場合、collagenous colitis等が発現している可能性があるため、速やかに本剤の投与を中止すること。腸管粘膜に縦走潰瘍、びらん、易出血等の異常を認めることがあるので、下血、血便が認められる場合には、適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[動物試験(ラット、経口)において胎児血漿中濃度は母動物の血漿中濃度より高いことが認められている。また、ウサギ(経口30mg/kg/日)で胎児死亡率の増加が認められている。]
2.
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。[動物試験(ラット、経口)で母乳中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
1.
投与経路
本剤は静脈内注射にのみ使用すること。
2.
溶解後
経時変化を生じることがあるため、溶解後は速やかに使用することとし保存しないこと。
3.
配合変化
配合変化による変色、沈殿物を生じることがあるため、日局生理食塩液又は日局5%ブドウ糖注射液以外の溶解液、輸液、補液及び他剤との混合はしないこと。
4.
投与方法
本剤を投与する場合は、専用の経路を用いることとし他剤と共用しないこと。やむを得ず、他剤の輸液経路を用いて側管から投与する場合は、他剤の注入を休止し、本剤を投与する前後に日局生理食塩液又は日局5%ブドウ糖注射液でフラッシュすること。
その他の注意
1.
類薬(オメプラゾール)で、外国において視力障害が発現したとの報告がある。
2.
ラットに52週間強制経口投与した試験で、50mg/kg/日群(臨床用量の約100倍)において1例に良性の精巣間細胞腫が認められている。さらに、24ヵ月間強制経口投与した試験で、15mg/kg/日以上の群において良性の精巣間細胞腫の発生増加が、また、5mg/kg/日以上の群において胃のカルチノイド腫瘍が認められており、加えて、雌ラットの15mg/kg/日以上及び雄ラットの50mg/kg/日以上の群で網膜萎縮の発生頻度の増加が認められている。精巣間細胞腫及び網膜萎縮については、マウスのがん原性試験、イヌ、サルの毒性試験では認められず、ラットに特有な変化と考えられる。
3.
本剤の投与が胃癌による症状を隠ぺいすることがあるので、悪性でないことを確認のうえ投与すること。
4.
海外における複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターによる治療において骨粗鬆症に伴う股関節骨折、手関節骨折、脊椎骨折のリスク増加が報告されている。特に、高用量及び長期間(1年以上)の治療を受けた患者で、骨折のリスクが増加した。
5.
*海外における主に入院患者を対象とした複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターを投与した患者においてクロストリジウム・ディフィシルによる胃腸感染のリスク増加が報告されている。
薬物動態
1.
血中濃度
本剤の静脈内投与における血清中濃度には個体間で差が認められる。
CYP2C19の遺伝子タイプにより、本剤