れに対する治療を優先させること。
用法及び用量
通常、成人にはプロピベリン塩酸塩として20mgを1日1回食後経口投与する。
年齢、症状により適宜増減するが、効果不十分の場合は、20mgを1日2回まで増量できる。
用法及び用量に関連する使用上の注意
20mgを1日1回投与で効果不十分であり、かつ安全性に問題がない場合に増量を検討すること。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
排尿困難のある患者[前立腺肥大症等では排尿困難が更に悪化又は残尿が増加するおそれがある。]
2.
緑内障の患者[閉塞隅角緑内障の患者は禁忌である。閉塞隅角緑内障以外でも抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。]
3.
不整脈又はその既往歴のある患者[期外収縮等が報告されており、症状が悪化又は再発するおそれがある。]
4.
肝障害又はその既往歴のある患者[主として肝で代謝されるため、副作用が発現しやすいおそれがある。]
5.
腎障害又はその既往歴のある患者[腎排泄が減少し、副作用が発現しやすいおそれがある。]
6.
パーキンソン症状又は脳血管障害のある患者[症状の悪化あるいは精神神経症状があらわれるおそれがある。]
7.
潰瘍性大腸炎のある患者[中毒性巨大結腸があらわれるおそれがある。]
8.
甲状腺機能亢進症の患者[抗コリン作用により頻脈等の交感神経興奮症状が悪化するおそれがある。]
9.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
眼調節障害、眠気、めまいがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分に注意すること。
相互作用
本剤は主として薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される(「薬物動態」の項参照)。
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
抗コリン剤、
三環系抗うつ剤、
フェノチアジン系薬剤、
モノアミン酸化酵素阻害剤
臨床症状・措置方法
口渇、便秘、排尿困難等の副作用が強くあらわれることがある。
機序・危険因子
抗コリン作用が増強される。
副作用
副作用等発現状況の概要
承認時における副作用評価可能症例は932例であり、副作用発現率は20.9%(195例)であった。主な副作用は口渇9.0%、便秘2.5%、腹痛2.1%等の消化器症状、排尿困難3.6%、尿閉1.0%等の泌尿器系症状、眼調節障害1.2%等、主な臨床検査値の異常変動はALT(GPT)上昇1.0%(4/421例)、AST(GOT)上昇0.5%(2/421例)等であった。1~13)
市販後調査(使用成績調査及び特別調査)における副作用評価可能症例は11087例であり、副作用発現率は9.9%(1094例)であった。 主な副作用は口渇4.8%、便秘0.9%、腹痛0.4%等の消化器症状、排尿困難1.7%、残尿感0.6%等の泌尿器系症状であった。14~19)(再審査終了時)
過活動膀胱に対する比較試験及び高用量(20mgを1日2回)試験における副作用評価可能症例はそれぞれ291例、45例であり、副作用発現率は27.5%(80例)、42.2%(19例)であった。両試験(336例)での主な副作用は口渇20.2%、便秘7.4%、悪心1.2%等の消化器症状、主な臨床検査値の異常変動は白血球減少1.2%等であった。20,21)(効能追加時)
重大な副作用
[( )内に発現頻度を記載。未記載は頻度不明。]
1. 急性緑内障発作:
眼圧亢進があらわれ、急性緑内障発作(0.1%未満)を惹起し、嘔気、頭痛を伴う眼痛、視力低下等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
2. 尿閉:
尿閉(0.4%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. 麻痺性イレウス:
麻痺性イレウスがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、著しい便秘、腹部膨満等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4. 幻覚・せん妄:
幻覚・せん妄(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
5. 腎機能障害:
腎機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、BUN、血中クレアチニンの上昇があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6. 横紋筋融解症:
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
7. 血小板減少:
血小板減少があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
9. QT延長、心室性頻拍:
QT延長、心室性頻拍、房室ブロック、徐脈等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
10. 肝機能障害、黄疸:
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害(0.1%未満)、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。特に意識障害、パーキンソン症状、ジスキネジア、徐脈、期外収縮、過敏症があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
1. 消化器
5%以上
口渇
2. 消化器
0.1~5%未満
便秘、腹痛、嘔気・嘔吐、消化不良、下痢
3. 消化器
0.1%未満
食欲不振、口内炎、舌炎
4. 泌尿器
0.1~5%未満
排尿困難、残尿
5. 泌尿器
0.1%未満
尿意消失
6. 精神神経系
0.1~5%未満
めまい、頭痛
7. 精神神経系