2.
本剤の投与により間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例が報告されているので、投与期間中にわたり、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、特に治療初期は入院又はそれに準ずる管理の下で、間質性肺疾患等の重篤な副作用発現に関する観察を十分に行うこと。(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)
3.
本剤投与開始前に、胸部CT検査及び問診を実施し、間質性肺疾患の合併又は既往歴がないことを確認した上で、投与の可否を慎重に判断すること。(「慎重投与」の項参照)
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能・効果
EGFRチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌
効能・効果に関連する使用上の注意
1.
十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、EGFR T790M変異陽性が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断薬を用いて測定すること。
2.
【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。
3.
本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
用法・用量
通常、成人にはオシメルチニブとして80mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
用法・用量に関連する使用上の注意
1.
他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
2.
副作用がみられた場合は、症状、重症度等に応じて、以下の基準を考慮して、本剤を休薬、減量又は中止すること。本剤を減量する場合には、40mgを1日1回投与すること。
本剤の休薬、減量及び中止基準の目安
(1)
副作用
間質性肺疾患/肺臓炎
処置
本剤の投与を中止する。
(2)
副作用
QT間隔延長
程度
500msecを超えるQTc値が認められる
処置
481msec未満又はベースラインに回復するまで本剤を休薬する。481msec未満又はベースラインに回復した後、本剤を減量し、投与を再開する。3週間以内に回復しない場合は本剤の投与を中止すること。
(3)
副作用
QT間隔延長
程度
重篤な不整脈の症状/兆候を伴うQT間隔延長
処置
本剤の投与を中止する。
(4)
副作用
その他の副作用
程度
Grade3以上
処置
Grade2以下に改善するまで本剤を休薬する。Grade2以下に回復した後、必要に応じて本剤の減量を考慮し、投与を再開する。3週間以内にGrade2以下に回復しない場合は本剤の投与を中止すること。
GradeはCTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)ver.4.0に基づく。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者[間質性肺疾患が増悪し、死亡に至る可能性がある。](「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照)
2.
中等度又は重度の肝機能障害のある患者[血漿中濃度が上昇するおそれがある。]
3.
QT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある患者[QT間隔延長が起こるおそれがある。](「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照)
重要な基本的注意
1.
間質性肺疾患があらわれることがあり、特に本剤投与開始12週間以内の発現が多いことが報告されている。初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと。必要に応じて、動脈血酸素分圧(PaO2)、動脈血酸素飽和度(SpO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)、肺拡散能力(DLco)等の検査を行うこと。また、患者に対して、初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう指導すること。(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」及び「重大な副作用」の項参照)
2.
QT間隔延長があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に心電図検査及び電解質検査(カリウム、マグネシウム、カルシウム等)を行い、患者の状態を十分に観察すること。また、必要に応じて電解質補正を行うこと。(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」及び「重大な副作用」の項参照)
3.
血小板減少、好中球減少、白血球減少、貧血があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を行い、患者の状態を十分に観察すること。(「重大な副作用」の項参照)
4.
ALT(GPT)、AST(GOT)、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。(「重大な副作用」の項参照)
相互作用
相互作用の概略
本剤は主にCYP3Aにより代謝される。また、本剤はBreast Cancer Resistance Protein(BCRP)を阻害することが示されている。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
CYP3A誘導剤
フェニトイン、リファンピシン、カルバマゼピン、セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort)等
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。(【薬物動態】の項参照)
機序・危険因子
左記薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が亢進し、血中濃度が低下する可能性がある。
2. 薬剤名等
BCRPの基質となる薬剤
ロスバスタチン、サラゾスルファピリジン等
臨床症状・措置方法
左記薬剤の血中濃度が上昇し、副作用の発現が増強されるお