ラット及びサル)により、本剤投与部位以外の遠隔の筋において、筋萎縮や筋重量減少等の障害が発生したとの報告がある。
薬物動態
(参考)
ラットに125I-A型ボツリヌス毒素を筋肉内単回投与したときの血漿中濃度は、2時間後に最高値として、投与量の3%が認められた。24時間後には1%であった。筋肉内には、投与直後に84%を認めたが、24時間後には5%に減少し、消失半減期は約10時間と推定された。また、投与後24時間以内に60%が尿中排泄された。1)
臨床成績
国内7施設で実施された一般臨床試験及び国内8施設で実施された第III相試験及び国内28施設で実施された長期投与試験において、本剤10単位及び20単位の単回投与4週間後の改善率は下記のとおりである。
各臨床試験では、最大緊張時の皺の程度が中等度以上の症例を対象とした。最大緊張時の皺の程度評価は、「なし」、「軽度」、「中等度」、「高度」の4段階で行い、「なし」又は「軽度」と評価された症例を改善例とした。
(表1参照)
また、長期投与試験(本剤を1回に10単位又は20単位投与し、最大5回まで反復投与)において、各投与回の4週間後の改善率はいずれも90%以上を示し、初回投与後最大緊張時の皺の程度が中等度以上に復するまでの期間(平均効果持続期間)は10単位群で13.3±6.37週(評価例数178例)、20単位群で15.6±7.00週(評価例数175例)であった。
表1
試験名 |
改善率(改善例数/評価例数)
10単位群 |
改善率(改善例数/評価例数)
20単位群 |
改善率(改善例数/評価例数)
プラセボ群 |
一般臨床試験 |
- |
92.6%(113/122) |
- |
第III相試験 |
86.4%(38/44) |
88.6%(39/44) |
0%(0/48) |
長期投与試験※ |
92.2%(166/180) |
95.1%(174/183) |
- |
※初回投与4週後の結果
薬効薬理
1. 坐骨神経腓腹筋の収縮に対する作用2)
ラット大腿二頭筋に投与した試験において、坐骨神経刺激による腓腹筋収縮の抑制を認める。
2. 筋弛緩作用3)
マウス片側腓腹筋に投与した尾懸下試験において、投与後比較的早期に、本剤の筋弛緩作用に基づく運動力の低下及び不動時間の延長を用量依存的に認める。
3. α及びγ運動ニューロンに対する機能的除神経作用4)
ラット大腿二頭筋に投与した試験において、錘外筋及び筋紡錘(錘内筋)で機能的除神経作用を認める。
4. 神経再生による機能的除神経からの回復4)
ラット大腿二頭筋に投与した試験において、α及びγ運動ニューロンに対する機能的除神経惹起後、錘外筋及び筋紡錘(錘内筋)ともに終板の拡大を認める。
5. 作用機序
末梢の神経筋接合部における神経終末内でのアセチルコリン放出抑制により神経筋伝達を阻害し、筋弛緩作用を示す。神経筋伝達を阻害された神経は、軸索側部からの神経枝の新生により数ヵ月後には再開通し、筋弛緩作用は消退する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
A型ボツリヌス毒素(Botulinum Toxin Type A)
性状
振り混ぜるとき、白濁する。
承認条件
1.
本剤についての講習を受け、本剤の安全性及び有効性を十分に理解し、本剤の施注手技に関する十分な知識・経験のある医師によってのみ用いられるよう、必要な措置を講じること。
2.
本剤使用後の安全・確実な失活・廃棄、その記録の適切な保管等、本剤の薬剤管理が適正に行われるよう、所要の措置を講じること。
包装
ボトックスビスタ注用50単位:50単位×1バイアル
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
社内資料:分布に関する試験
2)
社内資料:薬効薬理試験
3)
R. Aoki et al.:Eur J Neurol, 2, 3-9(1995)
4)
社内資料:薬効薬理試験
文献請求先
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その他の説明(付属機器の取り扱い等)
・ボトックスビスタ注用50単位の廃棄の方法
残った薬液は、0.5%次亜塩素酸ナトリウム溶液を加えて失活させます。
失活後、密閉可能な廃棄袋又は箱に廃棄してください。
薬液の触れた器具等も同様に0.5%次亜塩素酸ナトリウム溶液を加えて失活させた後、密閉可能な廃棄袋又は箱に廃棄してください。