されているので、これらの症状が認められた場合には、適切な処置を行うこと。痙攣発作の素因のある患者に投与する場合には特に注意すること。
その他の副作用
このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
1. *過剰な筋弛緩作用注)
1~5%未満
眼瞼下垂
2. *過剰な筋弛緩作用注)
1%未満
兎眼、顔面麻痺、局所性筋力低下(頸部筋脱力、口角下垂等)
3. *過剰な筋弛緩作用注)
頻度不明
眼瞼外反、眼瞼内反、閉瞼不全
4. *眼注)
1%未満
複視、霧視(感)、羞明、眼脂、流涙、眼痛
5. *眼注)
頻度不明
眼の刺激、斜視、結膜炎、眼の乾燥感、角膜炎、角膜糜爛、視力低下
6. *皮膚注)
1%未満
発疹、そう痒感、紅斑、脱毛(睫毛眉毛脱落を含む)
7. *皮膚注)
頻度不明
乾癬様皮疹、多形紅斑
8. *注射部位注)
1~5%未満
注射部疼痛
9. *注射部位注)
1%未満
注射部腫脹、注射部出血斑、注射部熱感
10. *注射部位注)
頻度不明
注射部ひきつり感、注射部感染、近隣筋の疼痛及び緊張亢進
11. *血液注)
1%未満
白血球減少
12. *血液注)
頻度不明
血小板減少
13. *消化器注)
1%未満
嘔気、下痢、口内乾燥
14. *消化器注)
頻度不明
嚥下障害、食欲不振、嘔吐、腹痛
15. *精神神経系注)
1~5%未満
頭痛
16. *精神神経系注)
1%未満
めまい、失神、感覚異常
17. *精神神経系注)
頻度不明
神経根障害、しびれ感
18. *その他注)
1%未満
顔面痛、発熱、CK(CPK)上昇、感冒様症状
19. *その他注)
頻度不明
脱力(感)、倦怠(感)、耳鳴、聴力低下、発汗、脱神経性萎縮/筋萎縮、筋肉痛、肝機能検査異常
**,*注):副作用の発現頻度は、眉間の表情皺を対象とした海外臨床試験、国内臨床試験及び使用成績調査(再審査申請時)の結果を合算し算出した。なお、発現頻度が算出できなかった副作用については、頻度不明とした。
高齢者への投与
眉間の表情皺の適応では65歳以上の日本人における使用経験がほとんどない。また、眉間の表情皺の適応における海外臨床試験において、65歳以上の高齢者では65歳未満の非高齢者よりも有効性が低く、有害事象発現率は高くなることが認められている。[「効能・効果に関連する使用上の注意」の項参照]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦には投与しないこと。[外国において、ボトックス注用を投与された患者で胎児死亡が報告されており、また、本剤は動物実験で妊娠及び胎児への影響が認められている。]
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない(本剤の適応では使用経験がない)。
過量投与
1.
投与部位及び周辺部位に過剰な薬理反応である脱力、筋肉麻痺等の局所性の副作用があらわれることがある。症状や兆候は投与直後にあらわれないこともある。また、外国において、投与筋以外の遠隔筋に対する影響が疑われる眼瞼下垂、構語障害、嚥下障害、呼吸困難、筋無力症等が報告されている。このような症状があらわれた場合は、観察を十分に行い、必要に応じて入院を考慮し適切な処置を行うこと。また、呼吸器症状においては、人工呼吸等の支持療法も考慮すること。[「その他の注意5.」の項参照]
2.
投与直後の場合には抗毒素の投与を検討してもよいが、治療上の有益性と危険性を慎重に判断すること。なお、既にボツリヌス中毒症状(全身性の脱力及び筋肉麻痺など)が発現した時点での抗毒素投与は、無効である。
適用上の注意
1. 投与部位
用法及び用量に示すとおり、適用部位の筋肉内にのみ注射すること。
2. 調製方法
(1)
本剤1バイアルは日局生理食塩液を用いて溶解する。投与する液量が多い場合には目的とする筋肉以外の部位へ拡散するおそれがあるため、各投与部位への投与容量は0.1mLを超えないこと。
溶解液の量(日局生理食塩液):1.25mL
溶解後のボツリヌス毒素濃度:4.0単位/0.1mL
溶解液の量(日局生理食塩液):2.5mL
溶解後のボツリヌス毒素濃度:2.0単位/0.1mL
バイアルの陰圧が保たれていない場合は使用しないこと。そのバイアルに0.5%次亜塩素酸ナトリウム溶液を加えて失活させた後、密閉可能な廃棄袋又は箱に廃棄すること。
(2)
変性するので、泡立ちや激しい撹拌を避けること。
(3)
保存剤を含んでいないので、調製後は速やかに使用する。なお、調製後は冷凍しないこと。
3. 廃棄時
処置後、残った薬液は、0.5%次亜塩素酸ナトリウム溶液を加えて失活させた後、密閉可能な廃棄袋又は箱に廃棄する。また、薬液の触れた器具等は同様に0.5%次亜塩素酸ナトリウム溶液を加えて失活させた後、密閉可能な廃棄袋又は箱に廃棄する。
4. 汚染時
(1)
本剤が飛散した場合はすべて拭き取る。
・溶解前の場合は、0.5%次亜塩素酸ナトリウム溶液をしみ込ませた吸収性素材で拭き、乾かす。
・溶解後の場合は、吸収性素材で拭き取った後に、0.5%次亜塩素酸ナトリウム溶液で拭き、乾かす。
(2)
本剤が皮膚に付着した場合は、0.5%次亜塩素酸ナトリウム溶液で5分洗い、水で洗い流す。
(3)
本剤が眼に入った場合は、水で洗い流す。
その他の注意
1.
因果関係は不明であるが、本剤投与後不整脈、心筋梗塞等の心血管系障害があらわれることがあり、致命的な転帰に至る例も報告されている。これらの症例には、心臓疾患等の危険因子を有していた症例も多く含まれていた。
2.
外国において、因果関係が明らかでないものの、ボトックス注用による治療中に視神経萎縮が生じ、視力が低下した症例の報告があるので、本剤投与時に視力検査を実施することが望ましい。
3.
外国において、妊娠初期にボトックス注用500単位を投与された患者で、胎児の死亡が報告されている。
4.
ラットにおける交配前投与では、本剤の筋弛緩作用による後肢麻痺に伴う二次的な影響であると考えられる妊娠率、受胎率及び授胎率の低下が、器官形成期投与では、胎児体重の減少がみられた。また、マウスにおける器官形成期の間欠投与による試験において、骨化数の減少がみられた。
5.
動物実験(