0.1INR、ミルタザピン併用時:1.8±0.3INR)。
(8) パロキセチン(外国人)
健康成人男性及び女性にミルタザピン1日1回30mgとパロキセチン(CYP2D6阻害薬)1日1回40mgを9日間反復経口投与したところ、ミルタザピンのAUC0-24は単独投与時と比べ18%増加した。一方、パロキセチンのCmax及びAUC0-24は併用により影響を受けなかった。
(9) アミトリプチリン(外国人)
健康成人男性及び女性にミルタザピン1日1回30mgの9日間反復経口投与とアミトリプチリン1日1回75mgを9日間反復経口投与を併用したところ、併用により男性ではミルタザピンのCmaxは36%増加したが、女性ではミルタザピンの薬物動態パラメータに変化はみられなかった。一方、併用により女性ではアミトリプチリンのCmax及びAUC0-24はそれぞれ23%及び13%減少したが、男性ではCmaxが23%増加した。
(10) 炭酸リチウム(外国人)
健康成人男性にミルタザピン30mgの単回経口投与を単独又は炭酸リチウム1日1回600mgの反復経口投与の10日目に単回経口投与したところ、併用によるミルタザピンの薬物動態への影響は認められなかった。
(11) リスペリドン(外国人)
統合失調症患者注4)にミルタザピン1日1回30mgの反復経口投与とリスペリドン1日2回1~3mgの反復経口投与(いずれも1週間以上)を併用した結果、併用によるリスペリドンの薬物動態への影響は認められなかった。
注4)本剤の承認効能は「うつ病・うつ状態」である。
表1 健康成人における単回経口投与時のミルタザピンの薬物動態学的パラメータ
用量
(mg) |
n |
tmax
(h) |
Cmax
(ng/mL) |
半減期
(h) |
AUC0-∞
(ng・h/mL) |
15 |
4 |
1.1±0.3 |
38.1±5.8 |
31.7±8.2 |
477.2±115.5 |
30 |
4 |
1.4±0.3 |
76.4±17.0 |
32.7±4.4 |
1006.3±116.4 |
平均値±標準偏差
表2 健康成人における反復投与時のミルタザピンの薬物動態学的パラメータ
用量
(mg/日) |
n |
tmax※
(h) |
Cmax
(ng/mL) |
半減期
(h) |
AUC0-24
(ng・h/mL) |
15 |
9 |
1.5(0.75~3) |
43.4±9.44 |
― |
393±84.6 |
30 |
9 |
1.5(0.75~3) |
83.2±27.5 |
― |
778±178 |
45 |
9 |
1.5(0.75~3) |
146±49.8 |
23.2±6.06 |
1147±288 |
平均値±標準偏差、※中央値(最小値~最大値)
臨床成績
1. プラセボ対照比較試験10)
うつ病患者を対象とした6週間の無作為化二重盲検比較試験を実施した。すべての本剤投与群で初期用量は15mg/日とし、30mg/日群及び45mg/日群は2週目に30mgへ強制増量、45mg/日群は3週目に45mgへ強制増量し、各群共に増量後は用量を維持した。本剤15mg/日群及び30mg/日群の、投与終了(中止)時のHAM-D合計スコア(17項目)の投与開始前からの変化量(LOCF)はプラセボ群に比較して有意に大きかった。なお、本剤45mg/日群での効果は、30mg/日群を上回るものではなかった。
表3に示す
2. フルボキサミン対照比較試験11)
うつ病患者を対象とした6週間の無作為化二重盲検比較試験において、本剤投与群(15~45mg/日)の投与終了(中止)時におけるHAM-D合計スコア(17項目)の投与開始前からの変化量(LOCF)は-13.8±7.3(n=95)であった。一方、フルボキサミンマレイン酸塩群(50~150mg/日)では-11.7±8.1(n=98)であり、変化量の差とその95%信頼区間は-2.20(-4.35~-0.04)であった(p=0.0462)。
3. 長期投与試験12)
うつ病患者を対象とした52週間投与(15~45mg/日)により、HAM-D合計スコア(17項目)は、投与開始前の10.2±6.5(n=107)から投与開始6週では、6.9±5.1となった(OC)。投与6週後以降、投与52週後(4.0±5.2)まで7未満で安定して推移し、本剤の長期投与での効果が確認された。また、本剤30mg/日から45mg/日への増量により改善した症例も認められた。
表4に示す
表3 HAM-D合計スコア(17項目)の投与終了(中止)時の変化量(LOCF)