方法
脳内ドパミンが減少し、本剤の作用が減弱するおそれがある。
機序・危険因子
脳内のドパミンを減少させてパーキンソン症状を悪化させる。
2. 薬剤名
抗精神病薬
フェノチアジン系薬剤(クロルプロマジン、チオリダジン等)、ブチロフェノン系薬剤(ハロペリドール等)、その他(ペロスピロン等)
臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱することがある。
機序・危険因子
これらの薬剤によりドパミン受容体が遮断される。
3. 薬剤名
パパベリン塩酸塩
臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱するおそれがある。
機序・危険因子
パパベリンが線条体でのドパミン受容体を遮断する可能性がある。
4. 薬剤名
鉄剤
臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱するおそれがある。
機序・危険因子
キレートを形成し、本剤の吸収が減少するとの報告がある。
5. 薬剤名
イソニアジド
臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱するおそれがある。
機序・危険因子
機序は不明であるが、イソニアジドによりドパ脱炭酸酵素が阻害されると考えられている。
6. 薬剤名
血圧降下剤(メチルドパ水和物、レセルピン、節遮断剤等)
臨床症状・措置方法
本剤が血圧低下を増強することがある。
機序・危険因子
レボドパに血圧降下作用があるためと考えられている。
7. 薬剤名
他の抗パーキンソン剤(抗コリン剤、ブロモクリプチン、アマンタジン等)
臨床症状・措置方法
精神神経系及び循環器系の副作用が増強することがある。
機序・危険因子
長期投与により大脳皮質におけるアセチルコリン系感受性が亢進する。
8. 薬剤名
NMDA受容体拮抗剤(メマンチン塩酸塩等)
臨床症状・措置方法
本剤の作用を増強するおそれがある。
機序・危険因子
これらの薬剤により、ドパミン遊離が促進する可能性がある。
9. 薬剤名
全身麻酔剤(ハロタン等)
臨床症状・措置方法
不整脈を起こすおそれがある。
機序・危険因子
上記薬剤がカテコールアミンに対する心筋の感受性を増加させる。
副作用
副作用等発現状況の概要
承認時及び1983年1月までの副作用頻度調査において、3,206例中、副作用の発現例は577例(発現率18.0%)で、840件であった。
主な副作用は不随意運動252件(7.9%)、嘔気92件(2.9%)、食欲不振60件(1.9%)、幻覚45件(1.4%)、不眠31件(1.0%)、立ちくらみ29件(0.9%)、嘔吐27件(0.8%)等であった。
重大な副作用
1.
急激な減量又は投与中止により、高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、ショック状態等を症状とするSyndrome malin(悪性症候群)があらわれることがあるので、このような場合には、再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等適切な処置を行うこと。
2.
幻覚(1.4%)、抑うつ(0.1%)、錯乱(0.06%)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。
3.
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の悪化(0.03%)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止すること。
*4.
溶血性貧血、血小板減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5.
前兆のない突発的睡眠があらわれることがあるので、このような場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 精神神経系
5%以上
不随意運動(顔面、口、頸部、四肢等)
2. 精神神経系
0.1~5%未満
焦燥感、精神高揚、せん妄、不安、不眠、頭痛、頭重、めまい、眠気、筋緊張低下
3. 精神神経系
0.1%未満
突発性硬直、構音障害
4. 精神神経系
頻度不明
傾眠、病的賭博、病的性欲亢進
5. 消化器
0.1~5%未満
嘔気、嘔吐、食欲不振、口渇、便秘、腹痛、胃部不快感、下痢、胸やけ、口内炎、腹部膨満感
6. 消化器
0.1%未満
唾液分泌過多
7. 泌尿器
0.1%未満
排尿異常
*8. 血液
頻度不明
白血球減少
9. 皮膚
0.1~5%未満
発疹
10. 皮膚
0.1%未満
蕁麻疹様湿疹、四肢色素沈着、口唇の水ぶくれ、脱毛
11. 循環器
0.1~5%未満
動悸、立ちくらみ、血圧低下
12. 循環器
0.1%未満
不整脈
13. 眼
0.1%未満
視覚異常
14. 肝臓
頻度不明
AST(GOT),ALT(GPT),Al-P上昇
15. その他
0.1~5%未満
発汗、胸痛、脱力・けん怠感、浮腫
16. その他
0.1%未満
のぼせ感
17. その他
頻度不明
唾液・痰・口腔内粘膜・汗・尿・便等の変色(黒色等)
上記のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
なお、太字で記載の副作用については投与を中止すること。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、不安、不眠、幻覚、血圧低下等の副作用があらわれるおそれがあるので注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[動物実験(ウサギ)で胸骨核の癒合、過剰頸椎骨の催奇形作用が報告されている。]
2.
授乳中の婦人に投与する場合には授乳を避けさせること。[乳汁分泌が抑制されるおそれがあり、また動物実験(ラット)でレボドパの乳汁移行が知られている。]
臨床検査結果に及ぼす影響
ニトロプルシドナトリウム水和物の検尿テープによる尿検査では、ケト