既往歴のある患者
3. アレルギー素因のある患者
4. 心疾患又はその既往歴のある患者[心疾患が悪化することがある。]
5. 重篤な肝障害又は腎障害のある患者[症状が悪化することがある。]
6. 高度の白血球減少又は血小板減少のある患者[白血球減少又は血小板減少が更に悪化することがある。]
7. 精神神経障害又はその既往歴のある患者[症状が悪化することがある。]
8. 自己免疫疾患又はその素因のある患者[症状が悪化又は顕性化することがある。]
重要な基本的注意
1. 本剤の投与により,間質性肺炎,重篤なうつ状態,自己免疫現象があらわれることがあるので,患者に対し副作用発現の可能性について十分説明すること。[「副作用 (1) 重大な副作用」の項参照]
なお,類薬(インターフェロン-α製剤)で,間質性肺炎は小柴胡湯との併用例で多く報告されているため,注意すること。
2. 本剤を長期投与する場合には,臨床効果及び副作用の程度を考慮し,投与を行うこと。
なお,効果が認められない場合には投与を中止すること。
慢性肉芽腫症の場合は,本剤を長期投与(1年以上)したときの安全性(成長や発育に対する影響)は確立していないので,長期投与になる場合には十分な観察を行うこと。
3. 過敏症等の反応を予測するため,使用に際しては十分な問診を行うとともに,あらかじめ本剤によるプリック試験を行うことが望ましい。
4. 本剤の投与において,一般に発熱がみられる。その程度は個人差が著しいが高熱を呈する場合もあるので,発熱に対してあらかじめ十分配慮すること。
5. 骨髄機能抑制,肝機能障害,腎機能障害等があらわれることがあるので,定期的に臨床検査を行うなど患者の状態を十分に観察し,異常が認められた場合には減量,休薬等適切な処置を行うこと。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
合成抗菌剤
スルファメトキサゾール・トリメトプリム製剤
臨床症状・措置方法
骨髄抑制作用を増強するおそれがある。
機序・危険因子
機序は不明
共に骨髄抑制作用を有する。
副作用
副作用等発現状況の概要
腎癌
承認時における安全性評価対象例174例中(イムノマックス-γ注300投与例を含む),副作用は165例(94.8%)に認められた。主なものは,発熱,悪寒・戦慄,全身倦怠感等のインフルエンザ様症状が162例(93.1%),次いで食欲不振,悪心等の消化器系症状が93例(53.4%)等であった。また,臨床検査値の異常変動は174例中105例(60.3%)に認められた。主なものは,白血球減少62例(35.6%),AST(GOT)上昇35例(20.1%),ALT(GPT)上昇33例(19.0%)等であった1)~7)。
再審査終了時における安全性評価対象例319例中(イムノマックス-γ注300投与例を含む),臨床検査値の異常変動を含む副作用は237例(74.3%)に認められた。主なものは,発熱,悪寒・戦慄,全身倦怠感等のインフルエンザ様症状が208例(65.2%),食欲不振,悪心等の消化器系症状が64例(20.1%),白血球減少60例(18.8%),AST(GOT)上昇34例(10.7%),ALT(GPT)上昇33例(10.3%)等であった。
慢性肉芽腫症に伴う重症感染の頻度と重篤度の軽減
承認時における安全性評価対象例46例中,副作用は24例(52%)に認められた。主なものは,発熱20例(43%)等であった。また,臨床検査値の異常変動は46例中1例(2%)に白血球減少が認められた8)。
再審査終了時における安全性評価対象例41 例中,副作用は15 例(37%)に認められた。主なものは,発熱9 例(22%)等であった。臨床検査値の異常変動は認められなかった。
菌状息肉症,セザリー症候群
承認時における安全性評価対象例16例中,臨床検査値の異常変動を含む副作用は16例(100%)に認められた。主なものは,インフルエンザ様症状が16例(100%),次いで食欲不振が3例(19%),白血球減少が3例(19%)であった。
(副作用の発現頻度は承認時並びに腎癌及び慢性肉芽腫症の再審査終了時の成績に基づく。)
重大な副作用
1. 間質性肺炎(0.1~1%未満):間質性肺炎があらわれることがあるので,患者の状態に十分注意し,発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常等の呼吸器症状があらわれた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等適切な処置を行うこと。また,咳嗽,呼吸困難等があらわれた場合には直ちに連絡するよう患者に対し注意を与えること。
2. ショック(頻度不明):ショックを起こすことがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
3. 重篤なうつ状態(0.1~1%未満):重篤なうつ状態があらわれることがあるので,患者の精神状態に十分注意し,不眠,不安,焦燥等があらわれた場合には投与を中止するなど,投与継続の可否について慎重に検討すること。また,投与にあたってはこれら精神神経症状発現の可能性について患者及びその家族に十分理解させ,不眠,不安等があらわれた場合には直ちに連絡するよう注意を与えること。
なお,類薬(インターフェロン-α,β製剤)で,自殺企図,躁状態,攻撃的行動の症例が報告されている。
4. 急性腎不全(頻度不明):急性腎不全を起こすことがあるので,定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
5. 心不全(0.1~1%未満):心不全を起こすことがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
6. 白血球減少,血小板減少(5%以上),汎血球減少(頻度不明):これらの副作用があらわれることがあるので,定期的に血液学的検査を行い,治療の継続が困難と認められた場合には減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。
7. 自己免疫現象(頻度不明):自己免疫現象によると思われる症状・徴候(肝炎,潰瘍性大腸炎の悪化等)があらわれることがあるので,自己免疫性疾患の患者又はその素因のある患者には慎重に投与すること。
8. 糖尿病(0.1~1%未満):糖尿病が増悪又は発症することがあるので,定期的に検査(血糖値,尿糖等)を行い,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
その他の副作用
過敏症注1
5%未満
顔面潮紅,そう痒感,蕁麻疹等
発熱及びインフルエンザ様症状注2
5%以上
発熱,悪寒・戦慄,全身倦怠感
発熱及びインフルエンザ様症状注2
5%未満
頭痛,関節痛