作用」の項参照)
効能又は効果
○胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制
○下記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎
効能又は効果に関連する使用上の注意
低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制の場合
血栓・塞栓の形成抑制のために低用量のアスピリンを継続投与している患者を投与対象とし、投与開始に際しては、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往を確認すること。
非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制の場合
関節リウマチ、変形性関節症等における疼痛管理等のために非ステロイド性抗炎症薬を長期継続投与している患者を投与対象とし、投与開始に際しては、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往を確認すること。
ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合
(1)
進行期胃MALTリンパ腫に対するヘリコバクター・ピロリ除菌治療の有効性は確立していない。
(2)
特発性血小板減少性紫斑病に対しては、ガイドライン等を参照し、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療が適切と判断される症例にのみ除菌治療を行うこと。
(3)
早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃以外には、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療による胃癌の発症抑制に対する有効性は確立していない。
(4)
ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎に用いる際には、ヘリコバクター・ピロリが陽性であること及び内視鏡検査によりヘリコバクター・ピロリ感染胃炎であることを確認すること。
用法及び用量
○胃潰瘍、十二指腸潰瘍の場合
通常、成人にはボノプラザンとして1回20mgを1日1回経口投与する。なお、通常、胃潰瘍では8週間まで、十二指腸潰瘍では6週間までの投与とする。
○逆流性食道炎の場合
通常、成人にはボノプラザンとして1回20mgを1日1回経口投与する。なお、通常4週間までの投与とし、効果不十分の場合は8週間まで投与することができる。
さらに、再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法においては、1回10mgを1日1回経口投与するが、効果不十分の場合は、1回20mgを1日1回経口投与することができる。
○低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制の場合
通常、成人にはボノプラザンとして1回10mgを1日1回経口投与する。
○非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制の場合
通常、成人にはボノプラザンとして1回10mgを1日1回経口投与する。
○ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合
通常、成人にはボノプラザンとして1回20mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びクラリスロマイシンとして1回200mg(力価)の3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。
プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤投与によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合は、これに代わる治療として、通常、成人にはボノプラザンとして1回20mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びメトロニダゾールとして1回250mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
肝障害のある患者[本剤の代謝、排泄が遅延することにより血中濃度が上昇することがある。](【薬物動態】の項参照)
2.
腎障害のある患者[本剤の排泄が遅延することにより血中濃度が上昇することがある。](【薬物動態】の項参照)
3.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
1.
治療にあたっては経過を十分に観察し、病状に応じ治療上必要最小限の使用にとどめること。
2.
本剤の長期投与にあたっては、定期的に内視鏡検査を実施するなど観察を十分行うこと。
3.
逆流性食道炎の維持療法においては、再発・再燃を繰り返す患者に対し投与することとし、本来維持療法の必要のない患者に投与することのないよう留意すること。寛解状態が長期にわたり継続する症例で、再発するおそれがないと判断される場合は1回20mgから1回10mgへの減量又は休薬を考慮すること。
4.
本剤をヘリコバクター・ピロリの除菌の補助に用いる際には、除菌治療に用いられる他の薬剤の添付文書に記載されている禁忌、慎重投与、重大な副作用等の使用上の注意を必ず確認すること。
相互作用
相互作用の概略
本剤は主として肝薬物代謝酵素CYP3A4で代謝され、一部CYP2B6、CYP2C19及びCYP2D6で代謝される。
また、本剤の胃酸分泌抑制作用により、併用薬剤の吸収を促進又は抑制する可能性がある。
併用禁忌
(併用しないこと)
1.
薬剤名等
アタザナビル硫酸塩
(レイアタッツ)
臨床症状・措置方法
アタザナビル硫酸塩の作用を減弱するおそれがある。
機序・危険因子
本剤の胃酸分泌抑制作用によりアタザナビル硫酸塩の溶解性が低下し、アタザナビルの血中濃度が低下する可能性がある。
2.
薬剤名等
リルピビリン塩酸塩
(エジュラント)
臨床症状・措置方法
リルピビリン塩酸塩の作用を減弱するおそれがある。
機序・危険因子
本剤の胃酸分泌抑制作用によりリルピビリン塩酸塩の吸収が低下し、リルピビリンの血中濃度が低下する可能性がある。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
CYP3A4阻害剤 クラリスロマイシン 等
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
機序・危険因子
クラリスロマイシンとの併用により本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。(【薬物動態】の項参照)
2. 薬剤名等
ジゴキシン、メチルジゴキシン
臨床症状・措置方法
上記薬剤の作用を増強する可能性がある。