Pazucross INJECTION(Pazufloxacin Mesilate)甲磺酸帕珠沙星(六)
胆管炎 |
93.8(15/16) |
胆道感染症 |
肝膿瘍 |
75.0(3/4) |
産婦人科領域感染症 |
子宮付属器炎 |
100.0(18/18) |
産婦人科領域感染症 |
子宮旁結合織炎 |
85.7(6/7) |
合計 |
|
84.7(853/1,007) |
臨床成績の表2
疾患群 |
疾患名 |
有効率(%) |
全身性感染症 |
敗血症 |
100.0(6/6) |
呼吸器感染症 |
重症・難治性肺炎 |
81.3(13/16) |
呼吸器感染症 |
肺炎球菌による肺炎 |
76.9(20/26) |
薬効薬理
1. 抗菌スペクトルと抗菌活性16)
パズフロキサシンは,好気性,通性嫌気性及び偏性嫌気性のグラム陽性菌並びにグラム陰性菌に対して広い抗菌スペクトルを有し,ブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,腸球菌属,モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス,大腸菌,シトロバクター属,クレブシエラ属,エンテロバクター属,セラチア属,プロテウス属,モルガネラ・モルガニー,プロビデンシア属,インフルエンザ菌,緑膿菌,アシネトバクター属,レジオネラ属,バクテロイデス属,プレボテラ属に対し抗菌活性を示した.
また,セファゾリン(CEZ)若しくはセフタジジム(CAZ)耐性腸内細菌科菌群,アンピシリン(ABPC)耐性インフルエンザ菌,イミペネム(IPM),ゲンタマイシン(GM)単剤あるいはCAZを加えた2,3剤に耐性を示す緑膿菌,IPM分解性βラクタメース産生セラチア・マルセスセンス及び緑膿菌に対して抗菌活性を示した.
肺炎球菌ではPSSP,PISP,PRSPに対してペニシリン耐性の有無注)にかかわらず同等の抗菌活性を示した.
注)CLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute)の判定基準に基づき,ペニシリンGに対するMICが0.06μg/mL以下の場合をPSSP,0.125~1μg/mLの場合をPISP,2μg/mL以上の場合をPRSPと判定した.
2. 作用機序17)
黄色ブドウ球菌由来DNAジャイレース,トポイソメレースIVに対して阻害活性を示した.また,ヒト由来トポイソメレースII阻害作用は弱かった.
3. 殺菌作用18)
黄色ブドウ球菌,大腸菌,緑膿菌に対して,殺菌的に作用した.また,緑膿菌の初期静止期,対数増殖期,定常期に作用させたときはいずれの時期でもCAZ,GMより強い殺菌作用を示した.黄色ブドウ球菌の定常期ではCAZ,GMと同様に殺菌作用がみられなかったが,初期静止期,対数増殖期に作用させたときは,CAZより強い殺菌作用を示した.
4. 耐性菌の選択17,18)
黄色ブドウ球菌,大腸菌,緑膿菌において自然耐性菌出現頻度は低かった.継代培養法でのMIC上昇度は黄色ブドウ球菌ではIPM,GM,シプロフロキサシン(CPFX)より小さく,また,緑膿菌ではCAZより小さかった.
緑膿菌によるラットポーチ内感染系では,耐性菌選択頻度はIPMと有意差はなく,CAZに比べ有意(p<0.01)に低かった.
5. 実験的感染症モデルに対する治療効果17,18,19)
(1)
黄色ブドウ球菌によるマウス全身感染,大腸菌によるマウス全身感染,肺炎桿菌,プロテウス・ミラビリスによるマウス全身感染に対して優れた治療効果を示した.また,GM,CAZ,IPM単剤耐性及びIPM,GM耐性菌を含む緑膿菌によるマウス全身感染に対して優れた治療効果を示した.
(2)
黄色ブドウ球菌と緑膿菌によるマウス混合全身感染に対してCAZ,IPM,CPFX,バンコマイシン(VCM),アルベカシン(ABK)より優れた治療効果を示した.
(3)
緑膿菌によるマウス呼吸器感染,マウス尿路感染,ラット背部皮下ディスク感染及び熱傷感染モデルに対して優れた治療効果を示した.
有効成分に関する理化学的知見
一般名
パズフロキサシンメシル酸塩,Pazufloxacin Mesilate(JAN)
略号
PZFX(パズフロキサシン)
化学名
(-)-(S )-10-(1-aminocyclopropyl)-9-fluoro-3-methyl-7-oxo-2,3-dihydro-7H -pyrido[1,2,3-de ][1,4]benzoxazine-6-carboxylic acid monomethanesulfonate
分子式
C16H15FN2O4・CH4O3S
分子量
414.41
構造式
性状
白色~淡黄色の結晶性の粉末である.水に溶けやすく,メタノール又はN ,N -ジメチルホルムアミドにやや溶けやすく,エタノール(99.5)に溶けにくく,アセトニトリルに極めて溶けにくい.
融点
約258℃(分解)
取扱い上の注意
1.
外袋は遮光性の包材を使用しているので,使用直前まで開封しないこと.
2.
次の場合は使用しないこと.
(1)
外袋の内側に水滴や内容液の漏れが認められる場合.
(2)
内容液に着色や混濁が認められる場合.
(3)
ゴム栓部の汚染防止シールがはがれている場合.
3.
ゴム栓への針刺は,ゴム栓面にまっすぐに行うこと.斜めに刺すと,ゴム片が薬液中に混入したり,排出口の側壁を傷つけて液漏れを起こすおそれがある.
4.
通気針は不要である.
5.
連結管(U字管)による連続投与は行わないこと.
6.
容器の液目盛はおよその目安として使用すること.
包装
パズクロス点滴静注液300mg:100mL×10袋
パズクロス点滴静注液 |