ムチンを分泌する杯細胞の過形成抑制作用
(1) イソプロテレノール誘発試験10)
気道上皮におけるラットの予防効果モデルとして,杯細胞過形成誘発物質であるイソプロテレノールの投与前に本剤を反復経口投与した場合,10,30及び100mg/kgで杯細胞の過形成抑制作用がみられた.
更に,ラットの治療効果モデルとして,イソプロテレノール投与により気道上皮の杯細胞を過形成させた後,本剤を反復経口投与した場合,10,30及び100mg/kgで過形成抑制作用がみられた.
(2) リポポリサッカライド誘発試験10,11)
気道上皮におけるラットの予防効果モデルとして,杯細胞過形成誘発物質であるリポポリサッカライドの投与前に本剤を反復経口投与した場合,10,30及び100mg/kgで杯細胞の過形成抑制作用がみられた.
更に,ラットの治療効果モデルとして,リポポリサッカライド投与により気道上皮の杯細胞を過形成させた後,本剤を反復経口投与した場合,10,30及び100mg/kgで過形成抑制作用がみられた.
2. 粘液修復作用
気管支炎ウサギの痰中フコース/シアル酸比に対して,本剤の20,100及び500mg/kgの反復経口投与は用量依存的な抑制作用を示し,500mg/kgでは有意な抑制を示した.
3. 漿液性気道分泌亢進作用
本剤は500mg/kg経口投与で,ウサギ漿液性気道分泌を有意に増大した.更に,本剤は500mg/kg経口投与で,気管支肺胞洗浄液中のCl-濃度を有意に増大した.
4. 気道炎症抑制作用
本剤の10,30及び100mg/kgを,リポポリサッカライド誘発ラットに反復経口投与した時,30及び100mg/kgで気管支肺胞洗浄液中の好中球数の増加を有意に抑制し,10~100mg/kgでcytokine-induced neutrophil chemo-attractant-1(CINC-1)量を有意に抑制した.
有効成分に関する理化学的知見
一般名
フドステイン,fudosteine(JAN,INN)
化学名
(2R)-2-Amino-3-(3-hydroxypropylsulfanyl)propanonic acid
分子式
C6H13NO3S
分子量
179.24
構造式
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である.水に溶けやすく,酢酸(100)に溶けにくく,エタノール(99.5)にほとんど溶けない.6mol/L塩酸試液に溶ける.
融点
約200℃(分解).
包装
クリアナール錠200mg:100錠(10錠×10)
クリアナール錠200mg:1,000錠(10錠×100)
クリアナール錠200mg:1,000錠(バラ)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
関野久之 他:臨床医薬 2002;18(1):25-43
2)
中道 昇 他:臨床医薬 2002;18(1):45-52
3)
木暮敏博 他:薬物動態 1997;12(5):491-513
4)
長岡 滋 他:臨床医薬 2002;18(1):81-107
5)
長岡 滋 他:臨床医薬 2002;18(1):109-140
6)
長岡 滋 他:臨床医薬 2002;18(1):141-180
7)
長岡 滋 他:臨床医薬 2002;18(1):181-208
8)
長岡 滋 他:臨床医薬 2002;18(1):209-232
9)
長岡 滋 他:臨床医薬 2002;18(1):233-243
10)
Takahashi,K.et al.:Jpn. J. Pharmacol.1998;77(1):71-77
11)
Takahashi,K.et al.:Environ. Toxicol. Pharmacol.1998;5:173-178
**文献請求先
田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10
電話 0120-753-280
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
**製造販売元
田辺三菱製薬株式会社
大阪市中央区道修町3-2-10