昇は認められなかった。また、初回及び最終投与後の薬物動態パラメータはほぼ同等であり、蓄積性は認められなかった。
臨床成績
1. 臨床成績
家族性高コレステロール血症患者を含む高コレステロール血症患者を対象としたオープン試験(本剤20~40mg、1日夕食後1回の12週間投与)における有効率は、82.1%(243/296)であった。血清総コレステロール値及びLDL-コレステロール値の著明な低下、HDL-コレステロール値の上昇及び150mg/dL以上の高値のトリグリセリド値に対しても低下作用が認められた。5)
更に上記試験に引き続き最長52週まで投与した結果、本剤の効果は投与期間中を通して維持され、その有効率は90.6%(192/212)であった。6)
また、上記疾患を対象としたプラセボ又は既存薬との二重盲検比較試験の結果、本剤の有用性が認められた。
2. 高齢者における検討
高齢高コレステロール血症患者に本剤15~30mg/日16週間投与を行った結果、その有効率は84.9%(62/73)であった。7)
3. その他8~13)
胆汁脂質、眼、血中ステロイドホルモン及び糖代謝に及ぼす影響について検討した結果、悪影響を及ぼさなかった。また、糖尿病、高血圧又は狭心症合併例においても総コレステロールを有意に低下させ、合併症にも悪影響を及ぼすことはなかった。
薬効薬理
フルバスタチンナトリウムは、コレステロール生合成系の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素を特異的にかつ競合的に阻害し、主に肝におけるコレステロール合成を抑制する。この結果、肝のLDL受容体活性が増強し、血中からのLDLの取り込みが増加し、血中LDL濃度が低下する。この作用は、総コレステロール、LDLコレステロールの低下として観察される。
(1) HMG-CoA還元酵素阻害作用
フルバスタチンナトリウムはHMG-CoA還元酵素を特異的にかつ競合的に阻害した(ラット肝培養細胞、ラット肝ミクロゾーム画分)。
(2) コレステロール合成阻害作用
フルバスタチンナトリウムの経口投与により、コレステロール合成の主要臓器である肝臓でコレステロール合成阻害が認められた(ラット)。14)
(3) 肝臓におけるLDL受容体活性に及ぼす影響
フルバスタチンナトリウムは、肝LDL受容体活性を増強した(HepG2細胞15)、高脂食負荷ハムスター、WHHLウサギ16))。また、同受容体の蛋白量(HepG2細胞15))、mRNA量(WHHLウサギ16))の増加が認められ、本剤によるLDL受容体数の増加が示唆された。
(4) 血清コレステロール低下作用
フルバスタチンナトリウムの経口投与により、血清総コレステロール及びLDLコレステロールが有意かつ用量依存的に低下した(高脂食負荷ハムスター、WHHLウサギ17)、イヌ、サル)。
HepG2細胞
ヒト由来肝癌細胞株
WHHLウサギ
ヒト家族性高コレステロール血症のモデル動物
有効成分に関する理化学的知見
構造式
一般名
フルバスタチンナトリウム(Fluvastatin Sodium)
化学名
(±)-(3RS,5SR,6E)-Sodium-7-[3-(4-fluorophenyl)-1-(1-methylethyl)-1H-indol-2-yl]-3,5-dihydroxy-6-heptenoate
分子式
C24H25FNNaO4
分子量
433.45
性状
淡黄色~淡黄褐色の粉末で、においはない。メタノールに極めて溶けやすく、水又はエタノール(95)にやや溶けやすく、アセトニトリル又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
分配係数
55.0(1-オクタノール/pH7.0緩衝液)
包装
ローコール錠10mg:100錠(PTP)、500錠(PTP)
ローコール錠20mg:100錠(PTP)、500錠(PTP・バラ)、700錠(PTP)、1,000錠(PTP)
ローコール錠30mg:100錠(PTP)、500錠(PTP)、700錠(PTP)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
社内資料:フルバスタチン30mgの錠剤とカプセル剤の生物学的同等性試験 〔LOCU00039〕
2)
増田直記ほか:臨床医薬 11(suppl.1),65,1995 〔LOCJ00028〕
3)
Fischer,V.et al.:Drug Metab.Dispo.27(3),410,1999 〔LOCM00541〕
4)
Tse,F.L.S.et al.:J.Clin.Pharmacol.32(7),630,1992 〔LOCM00021〕
5)
寺本民生ほか:臨床医薬 11(suppl.1),181,1995 〔LOCJ00033〕
6)
寺本民生ほか:臨床医薬 11(suppl.1),235,1995 〔LOCJ00035〕
7)
橋本俊雄ほか:臨床医薬 11(suppl.2),29,1995 〔LOCJ00044〕
8)
梶山梧朗ほか:臨床医薬 11(suppl.1),267,1995 〔LOCJ00036〕
9)
山本田力也ほか:臨床医薬 11(3),651,1995 〔LOCJ00041〕
10)
井藤英喜ほか:臨床医薬 11(suppl.2),45,1995 〔LOCJ00045〕
11)
小堀祥三ほか:臨床医薬 11(suppl.2),95,1995 〔LOCJ00047〕
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外山淳治ほか:臨床医薬 11(suppl.2),153,1995 〔LOCJ00050〕
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Hayashi,K.et al.:Biochim.Biophys.Acta 1167(2),223,1993 〔LOCM00030〕
16)
Kurokawa,J.et al.:Biochim.Biophys.Acta 1259(1),99,1995 〔LOCM00163〕
17)
Shiomi,M.et al.:Arzneim.-Forsch.Drug Res.44(10),1154,1994 〔LOCM00077〕
文献請求先
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