討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く (抗てんかん薬服用群: 0.43%、プラセボ群: 0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1000人あたり1.9人多いと計算された (95%信頼区間: 0.6-3.9)。
また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1000人あたり2.4人多いと計算されている。
薬物動態
〈血中濃度〉
健康成人に1回5mg/kgを経口投与した場合、投与後2~4時間で最高血中濃度 (3~8μg/mL)に達する。1)
〈参考〉
排泄
ラットに10mg/kgを経口投与した実験では、48時間以内に投与量の80~90%が尿中に、10~20%が糞便中に排泄される。2)
臨床成績
総計123例について実施された臨床試験の概要は次のとおりである。3) 精神運動発作66例及び精神運動発作を併発する57例、合計123例で単独又は追加投与により89例72.3%の有効率を示している。また、このうち難治性の67例では45例67.1%の有効率を示している。
薬効薬理
1.
スルチアムは電撃痙攣及びペンテトラゾール痙攣試験において抗痙攣作用を示す。治療指数(LD50/ED50)を指標とした場合、電撃痙攣に対してはフェノバルビタールナトリウムの10倍以上、フェニトインの4~5倍である。ペンテトラゾール痙攣に対してはフェニトインと同程度である。なお、ストリキニーネ及びメチオニン・スルフォキシミン痙攣に対しては抗痙攣作用を示さない (マウス)。4)
2.
スルチアムは炭酸脱水酵素阻害作用を示す (マウス)。5)
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
スルチアム (Sultiame)
化学式:
C10H14N2O4S2=290.36
構造式:
化学名:
4-(3, 4, 5, 6-Tetrahydro-2H -1, 2-thiazin-2-yl) benzenesulfonamide S , S -dioxide
性状:
白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。
N , N -ジメチルホルムアミドに極めて溶けやすく、n -ブチルアミンに溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、水に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
水酸化ナトリウム試液に溶ける。
融点:
185~188℃
包装
オスポロット錠50mg : 50錠 (バラ包装)、500錠 (バラ包装)
オスポロット錠200mg: 50錠 (バラ包装)、250錠 (バラ包装)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
乾 正他: 精神薬療基金研究年報, 10, 153 (1978)
2)
Duhm, B. et al.: Z. Naturforschg., 18b, 475 (1963)
3)
共和薬品工業株式会社 社内資料: 臨床試験
4)
Wirth, W. et al.: Dtsch. med. Wschr., 85 (50), 2195 (1960)
5)
西村 健: 医学のあゆみ, 40 (3), 121 (1962)
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
共和薬品工業株式会社 薬事・安全管理部
〒532-0011 大阪市淀川区西中島5-13-9
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製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
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共和薬品工業株式会社